最近になって連続的中している理由というか、契機。
昔馴染んだ作品を読み返していて、小宇宙を高めるか石仮面被ったら予想能力も上がるんじゃないかと思いついて、とりあえず気分だけでもと自宅にある般若のお面を被ってみました。ツノがいきなり伸びて脳を刺激されるか心配したけど。
「フフフフフ、美しい!なんという輝き!今まで見た何よりもすばらしい・・・
ついに・・・ついにあの中京芝1200を克服したぞ!」
「究極の馬券師の誕生だッーっ」
はい、宮記念の◎は二桁着順でした。なおバックの太陽は朝日ではなく、西日設定で。
最近4年間で3勝と、すっかりダービーマスターとなっている福永祐一さん。一昔前はミスター二シービーなどと揶揄される立場でしたが、えらい変わりよう。
ダービーの施行年度と勝ち馬名はミスターシービー以後はリアルタイムでは見られなかったものでもすらすら言えるけど、キズナ以降は怪しくなってきてしまう。そんな近年でも18年ワグネリアンだけは即答できるし、レースから馬券まで非常に鮮烈。
あんなに多幸感あふれるレースは滅多に見られないけど、武豊が千両役者ぶりを発揮して勝つべき時に勝つのとはまた違う祝福のされ方でしたよね。わかり易くするために敢えて悪い表現をするけど、出来の良くない恵まれない子が苦労の末にやっと栄光を手に入れて、本当に良かったねおめでとうと祝福しているような空気でした。
道悪のダービーもかなり好きではあるけど、空気の華やかさや晴れやかさの演出という意味で晴天や新緑がとても美しく映り快晴で良かったです。
あの時の福永の恍惚の表情や場内の幸福な一体感は忘れられない。あんなに喜んでみたい、喜んであげたい、喜ばせてみたい。そう思わせてくれる貴重な体験でした。
かつては馬券的な相性も良いとは言えず、本人も恵まれた騎乗馬の割に成績が上がらないという面があって好きになれないところがある存在でしたが、今では飛び抜けて好きな騎手です。それは今まで見た一流騎手とは全く違う栄光の掴み方や能力の向上を示した人だからというのと、自分には全くリンクしない競技に挑む人ではあっても自分もこうしてみようと強い刺激を与えてくれる人だから。
私は大人というものがどういう存在であるべきかは自分なりに幾つかの定義を持っていますが、そのうちの一つが「長所・短所や成功・失敗を全部受け入れた上でその対象を認識したり、それや自分を良い方向に導くように努められる」というものがあります。今の彼の顔つきはそれが強く出ていると思えて、とても魅力的。顔も尻も青い永遠の若造というイメージが長くありましたが、素敵な大人のジョッキーになったと率直に思います。
そんな彼は皐月賞馬でダービー三連覇に挑みますが、私的にはジオグリフは中山2000だからこそ評価した馬で、東京2400だと割引をすると思う。他の馬たちの弱みが出て勝負のラインが下がった時に相対的に浮上してきそう。
私は基本的に競馬は騎手は脇役であくまで馬の競技という認識を持っていますが、この人馬に関しては今回は騎手の動きのほうに強く着目するかと思われます。騎手としてのほぼ絶頂期に三連覇に挑む人が、どういう勝負への挑み方をするのかを見たいので。
今回の勝ち負けに関わらず、彼はずっと応援を続けて勝てば祝福をすると思われる存在です。
そして彼に一番望むのはダービー三連覇でも有馬記念を含めた主要G1制覇でもなく、五体満足に無事に騎手生活を終える事です。家族・関係者・ファン、そして自分自身のために。