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「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

ほしのきらり。

カテゴリ

2019.06.15
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カテゴリ:美術館・博物館
​​巨匠ピーテル・ブリューゲル(父)の作品の中で一際鮮やかで幻想的な世界を描いた『反逆天使の墜落』を楽しみながら妖怪を探してみましょう~ねスマイルスマイル


きらりのわがまま『ベルギー旅日記』・・・第49回


ブリュッセル王立美術館「古典美術館」68展示室
ブリューゲルの部屋にて(2019年4月訪問おとめ座撮影)

手書きハートピーテル・ブリューゲル(父)手書きハート
PIETER BRUGEL I
?1527・1528?-Brussel 1569

DE VAL VAN DE OPSTANDIGE ENGELEN

gesigneerd 1562


117×162cm 

(板に油彩)

この作品が・・・『ブリュッセル王立美術館』に

持ち込まれたのは、1846年のことで

当初は長男=ブリューゲル(子)の作品と考えられ

たったの500フランで購入された。

その後

ヒエロムニス・ボッシュにおける

怪奇な幻想がある為にボッシュの作品だと間違われ

鑑定された時期もありましたが、


19世紀末に額縁の下から

「M.D.LXII・BRVEGEL」1567年の年期と著名が発見され

巨匠ピーテル・ブリューゲル(父)の作品であることが判明した。


ブリューゲル(父)が、

ボッシュの三連画「干し草車」と「最後の審判」の

左翼パネルの一部でボッシュは、この主題を扱っている。

ルシフェルら反逆天使が、神に背いて天上を追われ。

奈落へと落下してサタンとなる。

この主題は・・・

旧約聖書「イザヤ書」(十四:十二)の

明けの明星(ルシフェル)が

堕天使になったことに由来するが本図では

主として「ヨハネ黙示録」(十二:三~九)の幻想にもとづいた

天使とサタンとの天上でのすさまじい戦いを表現する。

少し、説明が、難しい気がしますが~

ザックリ言えば


ブリューゲルが・・・

アントウェルペン(アントワープ)を

拠点に活動していた36歳頃の作品。


この作品は・・・

キリスト教の世界に基づく宗教画であり

高慢や嫉妬のために神に逆らい

天界を追放された→叛逆天使?(堕天使)(反逆天使)たちと

それを追い払う

大天使ミカエルに率いられた

天使の軍勢との戦いを描いた作品である。

この主題は・・・

もともとは、伝統的な画題でありまして

ブリューゲル独自の感性で

混沌とした画面構成で乱戦の様相を呈し

「善」と「悪」、

「美徳」と「悪徳」のせめぎ合いを描いた。


画面の上部には・・・円形の至高天が描かれ

そこからもつれ合い下向き矢印墜落するにつれて

悪魔と化していくどくろ堕天使たちの姿を探しながら

絵画を拡大して観てみましょう~音符音符


大天使ミカエルは・・・金色の鎧に身を固め

青いマントをひるがえしながら、


剣と楯をもって足下の七頭の龍に立ち向かう。


ミカエル建天使が長剣を振るって戦っており


見事な剣の描写から絵の注文主は、刀剣ギルドではないかとの説もある。


その前では、白衣の天使が・・・

やはり剣と楯をもって飛翔しつつ妖怪と化したサタンたちと戦う。


ほかの8~9人の天使たちは、


それぞれ中空で細長いラッパを吹き、楯を構え、剣をふるって


サタンたちに戦いを挑んでいる。


サタンは、ボッシュ風の妖怪のイメージで造形され


画面いっぱいにひしめいている。


空を飛ぶフグ、ヒキガエルの妖怪、

大口を開けたサメの妖怪、


蝶の羽をもつ堕天使、

下半身から怪物の姿に変じつつある堕天使、


ハーディ・ガーディの怪物、蛾の羽を持つ堕天使

自らの足を食らう悪魔、


ムール貝の羽をもつ昆虫、頭足人間、獣と人の合成など


奔放なイメージでつくられた妖怪たちが跳梁している。


制作当時に新大陸から紹介されたばかりの


アルマジルの姿が取り組まれるなど


ブリューゲルには、博物学的な関心が強く


ボッシュの妖怪よりも生々しく・・・


動的であり、エネルギッシュである。


この作品で、際立つのは・・・色彩の驚くべき輝きで、

空の青色、点在する白、赤、緑、明暗さまざまに変化する黄褐色など


ブリューゲルの色彩画家としての一面を如実に示している。


その筆勢のある闊達な筆致も注目される。


ブリューゲルと同時代で・・・


当時、彼よりはるかに人気の高かった


フランス・フローリスの「反逆天使の墜落」1554年は、


ミケランジェロ風の誇張した筋肉表現を試みて


マニエリスムの典型的な作品で、


イタリア伝来の最新造形だったとすれば、


ブリューゲルは・・・


あえて旧来の伝統とボッシュの路線に固執した。

とくに鎧姿の大天使ミカエルと


長衣を着た優美な天使たちは、

15世紀フランドルを想起させる古風な描写である。


20世紀初頭に修復作業が行われたが・・・

この際に大天使ミカエルの

両脚の白衣の部分が明るく洗浄されすぎて

全体の調和が崩れてしまったことも懸念されている。

ブリューゲルの没後400年に当たる1969年に

再び調査と洗浄作業が行われ、

表面のワニスの層を除去して

本来の豊かな色調を取り戻すと共に

ブリューゲルの単純で軽妙でありながら

しっかりとした筆致を確認することができるようになりました。


今回の旅では・・・

ゲントで修復作業の

ワニスの層を麺棒で慎重に拭き取る作業を

いつまでも見入ったきらりでありました。


・・・つづく・・・

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最終更新日  2019.06.15 00:10:09
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