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カテゴリ:美術館・博物館
モネの連作『積みわら』です〜季節を変えて時刻を変えて描いたフランス「ジヴェルニー」の美しい景色をモネの瞳を通して眺めて見ましょう〜
クロード・モネを知りたい・・・その27 クロード・モネ Claude Monet 1840年11月14日〜1926年12月5日(86歳没) Meule,effet de neige,le matin(1890~1891) 65.0cmx92.0cm 油彩・カンヴァス 『積みわら、雪の効果、朝』1890年〜1891年 アメリカ合衆国『ボストン美術館』所蔵。 モチーフになった巨大な物体は・・・ 『積みわら』だが「藁」ワラではなく、 収穫した「穂」ホを蓄えるためのものである。 モネのモチーフ選択は、 風景を描くための口実で 特に意味はないとされてきた。だが、近年では 積みわらは豊かな収穫の賜物で 「美(うま)し国」フランスというイメージを 想起させるが故に選ばれたとする研究者もいる。 『積みわら』は、 西洋絵画史では、珍しいモチーフではなく例えば・・・ ジャン=フランソワ・ミレー Jean-Francois Millet 1814年10月4日〜1875年1月20日 『秋、積みわら』1868年〜75年 ニューヨーク「メトロポリタン美術館」所蔵。 モネが尊敬する「ミレー」の積みわらは、 大きく3つ、高くソフトクリームのように積み上げられていました。 モネは・・・ 収穫した麦の穂を積み上げた「積みわら」を 1888年から、翌年と1890年から翌年の二度描いている。 1890年から翌年にかけて描いた「積みわら」では、 Meule,effet de neige,le matin(1890~1891) モネは、ひとつだけの「積みわら」あるいは 配置や遠近の組み合わせを変えた 2つの「積みわら」を描き 少なくとも25点が確認されている。 そのうちの14点に 1888年から1889年にかけて描いたとされる1点を加えて 1891年5月にデュラン=リュエル画廊で開催された 「クロード・モネ近作展」に出品した。 この展覧会では、また同時に、 2点の『戸外の人物(習作)』 他にジヴェルニーの野を描いた複数の作品も展示した。 クロード・モネ Meules,effet d'hiver(1891) 65.4cmx92.1cm 油彩・カンヴァス 『積みわら、冬の効果』1891年 アメリカ合衆国・ニューヨーク「メトロポリタン美術館」所蔵。 「ジヴェルニー」に雪があたり一面を覆う 1891年初頭の冬に制作された作品。 陽光が、穏やかに雪の積もった大地や 画面中央に配される二つの積みわらに反射し 様々な色彩が織りなす光の世界を創り出している。 特に逆光的に描かれる積みわらの寒冷的な青色の陰影や そこへ微かに混じる、桃色などの暖色の色彩描写は、 画家(モネ)の瞳を通した ジヴェルニーの美しい冬の景色そのものを映したかのようである Les meules,fin de l'ete,Giverny(1891) 油彩・カンヴァス 『積みわら、夏の終わり、朝の光』1891年 フランス・パリ「オルセー美術館」所蔵。 「積みわら」は・・・豊かな田園の象徴である Meules,soleil couchant(1890~1891) 『積みわら、日没』積みわら、夕陽 油彩・カンヴァス 73.0cmx92.0cm 「ボストン美術館」所蔵。 巨大な「積みわら」の量塊を 夕陽の暖色が逆光となって包み込む作品 モネの色彩の妙技は、隅々まで及び 日陰ですら明るく輝いている。 この絵の表現力を前にすると 例えモネがモチーフを選択する時に 何かの象徴性を持たせていたとしても 究極の目標は・・・ 大気に対する光の効果の描出にあったと 考えたほうが理に適っていると思われる。 (資料:東京美術もっと知りたいモネより) (写真撮影:ほしのきらり) モネにぽち お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.09.18 00:10:11
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