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カテゴリ:美術館・博物館
ファン・ゴッホのアルル時代に描かれた「ルーラン夫人の肖像画」を6点も描いています。母親の愛情を求めたフィンセントの理想の母親とは
子守唄・ルーラン夫人の肖像 ニューヨーク『メトロポリタン美術館』所蔵 フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ Vincwnt Willem van Gogh 1853年3月30日〜1890年7月29日(37歳没) ファン・ゴッホがこのモティーフを描いたのは・・・ 36歳頃で、亡くなる前年の作品です。 アメリカ合衆国『ボストン美術館』所蔵 ゴッホ『ルーラン夫人の肖像画』は6点あるそうです。 アメリカ・ニューヨーク州『メトロポリタン美術館』 オランダ・オッテルロー『クレラー・ミュラー美術館』 アメリカ・マサチューセッツ州『ボストン美術館』 オランダ・アムステルダム『ゴッホ美術館』 アメリカ・イリノイ州『シカゴ美術館』 おっと〜あと1点はどこに?もしかして 『ルーラン夫人と赤ん坊』1888年11月〜12月 油彩・カンヴァス 63.5cmx51.0cm アメリカ・ニューヨーク州「メトロポリタン美術館」所蔵。 ペンシルベニア州「フィラデルフィア美術館」にもありますが 92.0cmx73.5cm 母親と母性という主題は、 ゴッホをはじめ19世紀の画家にとって とりわけ重要な意味を持っていた。 ゴッホの好きな画家や作家の多くも このテーマを作品の中心に据えている。 当時、伝統的な家庭構造や社会構造は、 産業化と都市化の波によって変革を迫られていた。 ここでもゴッホは、家庭的な親愛の情と 厳かな宗教性を融合させている。 オランダ『クレラー・ミュラー美術館』所蔵 『子守唄(ルーラン夫人の肖像)』1889年3月 油彩・カンヴァス 92.0cmx72.5cm オランダ・オッテルロー「クレラー・ミュラー美術館」所蔵。 ファン・ゴッホは、友人の 郵便配達人ジョセフ・ルーランの妻である オーガスティーヌ・ルーラン夫人の肖像画を6点制作しました。 この作品で、彼女は母親の象徴として描かれています。 彼女は、手にしている紐でゆりかごを揺らし、 絵の中では、画面上で見えないゆりかごには、 生まれたばかりの娘:マルセラが寝かされているのです。 ゆりかごを揺らし子をあやす母親というテーマは、 「船乗りたち、人の子であり 殉教者である船乗りたちは、 その船室にあった(・・・) 波のうねりに ゆりかごの中にいた遥か昔と、 ゆりかごの中で聞いた子守唄を 思い出すだろうか」 というシーンをこの絵に重ねようとしました。 実は、ファン・ゴッホは・・・ 自分の描いたひまわりの絵を2点、 この絵の左右に配置して飾るつもりでした。 船室に絵が飾られるように、 この3枚の絵が家を遠く離れた 船乗りのために飾られ、 彼らを慰めることを想像したのです。 「この3枚をこういう配置、 子守唄を真ん中にして ひまわりを左右にして並べ、 三枚組み絵になる。 すると左右の黄色い二枚が 真ん中の黄色とオレンジの頭を もっと際立たせる結果になる。」 フィンセント・ファン・ゴッホは・・・ 風景画や静物画よりも肖像画に特に力を入れていました。 「現代的な肖像画」については、 1890年6月になってこう書いています。 「僕が天使のように感じるのは、 他のどんなモティーフにもまして、 肖像画、現代的な肖像画を描くことなんだ。 (・・・)君にも分かるように、 僕にそれが上手くできているとは言わないが とにかく試してはいる。 これから百年も経って、 その頃生きている人たちが 僕の肖像画を見て何かの天啓を得られる そんな肖像画を描きたいと思う。 だから、写真のように 人物をそっくりそのまま似せて描くんじゃなく 僕たちの絵画技法と色についての 現代的な感覚を使って、 情熱的に人を表現したいんだ。」 (参考資料:マイケル・ハワード著、VAN GOGHより) (参考資料:クレラー・ミュラー美術館日本語版より) (写真撮影:ほしのきらり。) ゴッホにぽち お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.01.16 00:10:09
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