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カテゴリ:美術館・博物館
ゴーギャンは、1888年2月ポン=タヴェンに赴き制作に専念「クロワゾニスム」を知る。「総合主義」を確立。10月には、ゴッホに招かれ南仏アルルへ向かいます
第二次ブルターニュ時代 Perros corriendo en prado,1888 Dogs Running in a Meadow 【第二次ブルターニュ時代】 マドリッド「ティッセン=ボルネミッサ美術館」所蔵。 ポール・ゴーギャン(ゴーガン ) Paul Gauguin 1848年6月7日〜1903年5月8日(54歳没) 1888年2月(40歳)ゴーギャンは、 再びポン=タヴェンに赴いた。 夏には・・・ 『説教のあとの幻影』1888年 油彩 カンヴァス 73.0cmx92.0cm エジンバラ「スコットランド国立美術館」所蔵。 ブルターニュの女性たちは、 素朴な心ゆえに教会の説教で聞いた話 (天使とヤコブ)の幻影を見る。 画面を横切る大きな樹木。 その手前は現実の世界であり、 樹の向こうは幻、すなわち眼に見えない世界である。 二つの世界は樹によって隔てられる一方、 平坦に振られる一方、 平坦に塗られた赤い大地で結ばれている。 この作品により「総合主義」の絵画を確立する この絵には、印象派の細かな筆触は見られない 形態は輪郭線で囲まれて単純化され、 色彩も平坦な面として扱われているのだ。 印象主義の分析的な傾向とは異なる、 形態と色彩の総合主義を見ることができる。 このような絵画を形成する上で、 彼が日本の浮世絵から示唆を得たことは間違いない。 また若いベルナールが、同じ特徴を持った 絵画を描いていたことも重要な契機となった。 一方、ブルターニュ地方では・・・ 古くから「パルドン祭り」と呼ばれる 宗教儀礼が続けられてきた。 この祭りは農耕生活と結びつき、 この地に生きる人々の拠り所となっていた。 またソバを栽培する地域が多かったが、 夏にソバが実り茎が赤く染まると、 人々は、収穫を前に感謝の祈りを捧げる。 ゴーギャンは信仰に根ざした当地の人々の営みに惹かれ、 素朴な心を描こうという眼に見えない世界は、 眼に見えるものを通して描かれている。 ゴーギャンのいう「総合」とは・・・ 形態と色彩の総合であるだけではなく、 現実世界と内なる世界の総合だったのである。 ゴーギャンの手紙 「私の最近の作品は好調だ。 君はそこに独特の傾向、 むしろ、 これまで私が探求してきたことの確立と、 形態と色彩の総合を見出すだろう。」 (1888年8月 ポン=タヴェンシュネッケル宛て) 「私は人物に、素朴で、 迷信を信じるような、 偉大な単純さを表現できたように思う。 全体は極めて厳しい。 私にとって、 この絵に描かれている風景と (ヤコブの天使の)闘いは、 説教のあとで祈る人々の 想像の中にだけ存在する。」 (1888年9〜10月頃 ポン=タヴェン ファン・ゴッホ宛て) 総合主義・・・とは? (サンテティスム) ゴーギャンが1888年に確立した絵画。 翌年には、ゴーギャンたちによって 「印象主義者と総合主義者」の展覧会が開かれ、 (実際は総合主義のみ) この語が掲げられる。 1880年代後半から、 芸術全体の主流となってゆく 象徴主義の一翼を担うものだった。 象徴主義とゴーギャンの絵画を最初に結びつけたのは、 詩人:アルベール・オーリエの批評 「人間の野生の楽園的な幸福の中に 〈詩〉の謎を明らかにする。 またこの作品は〈夢〉や〈神秘〉、 素朴なものたちの手によってのみ 掲げられる象徴的な帆の魅力を解き明かす。」 象徴主義・・・とは? (サンボリスム) 1880年代後半に台頭した芸術全般に及ぶ動きで、 眼に見えない内的な世界(神秘や観念など)を 表現することを目指した。 本来は、文学の運動であり、 モレアスの「象徴主義宣言」 1886年『フィガロ』に始まり、 マラルメらによって推し進められる。 美術では、ゴーギャンとその周辺、 文学的な主題を好んだモローやシャヴァンヌ 、 さらにルドンなど、多様な広がりの中に展開。 象徴主義に対するゴーギャンの考えは、 晩年の手紙に示される 「ピュヴィが絵に〈純潔〉という題をつける場合、 彼はそれを説明するために、 手に百合を持ったひとりの処女を描くに違いない。 ありふれた象徴だから、 誰にでもわかるのだ。 ゴーギャンが〈純潔〉という題名で描くとすると、 清らかな水の流れのある風景と、 文明の汚れのないひとりの人物を描くだろう」 (1901年7月 モーリス宛ての手紙) (参考資料:東京美術もっと知りたいゴーギャンより) (写真撮影:ほしのきらり。) ゴーギャンにぽち お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.03.08 00:10:08
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