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カテゴリ:美術館・博物館
アンリ・マティスの作品のなかでヌードは、油彩画・彫刻・デッサンそして晩年の切り紙絵とイメージを高めています
Henri Matisse Odalisque Seated with Arms Raised,Green Striped Chair アンリ・マティス Henri Matisse 1869年12月31日〜1954年11月3日(84歳没) ブルー・ヌードI・II・III・IV 西欧絵画の伝統において重要であったヌードを描くこと とりわけ身体のヴォリュームを 絵画の固有の空間に構成することは、 その初期からマティスの重要なテーマだった。 ヴァンスの礼拝堂制作後、 マティスは、とりわけ青を使って、 切り紙絵を通したヌードの制作を繰り返している。 『ブルー・ヌードI 』1952年 切り紙絵 106cmx78.0cm バーゼル「バイラー・コレクション」所蔵。 『ブルー・ヌードII 』1952年 切り紙絵 116,2cmx88.9cm パリ「国立近代美術館」所蔵。 『ブルー・ヌードIII 』1952年 切り紙絵 112.0cmx73.5cm パリ「国立近代美術館」所蔵。 『ブルー・ヌードIV』1952年 切り紙絵 103.0cmx74.0cm ニース「マティス美術館」所蔵。 4点からなる本作は・・・ ヴァリエーションをなしているが、 《ブルー・ヌードIV》が最初に制作され始め、 かつ最後に制作され最後に仕上げられたと考えられている。 《ブルー・ヌードIV》には、試行錯誤の跡をとどめる 制作のプロセスを記録した写真が残されており 画面には、木炭の下描きの跡が多く残り、 細かい切り紙で形態を修正した跡も顕著である。 他の3点は、これと異なり 素早いリズムで仕上げられたと伝えられる。 制作に伴うデッサンも知られている。 片腰を立て、片腕を上げて座る裸婦のポーズは、 彫刻作品にも見出せる。 マティスは、切り紙絵を 彫刻ににおける直彫りにも たとえいるが、 青い紙の隙間をいわば輪郭線としたヌードは、 その平面的な色彩の形態を通して 身体のヴォリュームを喚起する。 『ブルー・ヌードIV』1952年 4点に番号がつけられたのは・・・ 1961年のニューヨークの展覧会においてであるが、 今日《IV》が最初に開始されたと考えられている。 長い持続的な制作の時間の中で修正を繰り返した《IV》と 素早く制作された《I》〜《III》の制作のリズムの違いは、 デッサン集『テーマとヴァリエーション』を想起させる。 しかし《IV》の制作が全てのヴァリエーションが 終わった後も続けられたことを考えると、 その制作における時間や持続のあり方は、 より複合的で錯綜した様相を示している。 《IV》の制作プロセスの写真では 《III》に近い 後ろののけぞったポーズから次第に前かがみのポーズへ さらに下げていた右腕を頭の上に挙げ、 右足を、膝を立てた右足に絡めて手前におるポーズへと 展開するプロセスが伺える。 《II》は・・・ 切り紙絵《インコとシレーヌ》に一時組み込まれていた。 本作は、主題も含め、これまでの絵画、彫刻、 デッサンの要素を切り紙絵で実現しようとしている。 (参考資料:東京美術もっと知りたいマティスより) (写真撮影:ほしのきらり。) マティスにぽち お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.05.14 00:10:09
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