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「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

ほしのきらり。

カテゴリ

2021.09.25
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カテゴリ:美術館・博物館
​​​​​​​​​​ルソーにとって最後の「アンデパンダン展」に出品したのは大作『夢』1点だけです。私が気になるのはヤドヴィガの事ですスマイル

Pari Montmartre


​アンリ・ルソー​
Henri Rousseau

​1844年5月21日〜1910年9月2日(66歳没)

19世紀末〜20世紀初頭に自由な画法で制作。

フランス『素朴派』の代表的な画家。

パリ市の税関吏(ぜいかんり)​​
​を務め、

退職後に本格的に画家となる。


La Reve

​『夢』1910年​

204.5cmx298.5cm

ニューヨーク「近代美術館」所蔵。​​
(絵に見入って写真を2度も撮り忘れてしまいました!)

1910年、第26回「アンデパンダン展」出品。

パレット『夢』パレット

​​ヤドヴィガは​​、

気持ちのよい眠りの中に

静かに眠り込み

考え深げな蛇使いが奏でる

ミュゼットの音を聞いていた

その間月は映していた

花々や、

緑がかった木々の上に

笛の陽気な調べに

耳を傾ける茶色の蛇たちを

1910年、第26回アンデパンダン展出品時に添えた銘文


実際作品には、

説明が必要じゃないかと思いませんか?

人々は、

自分たちが見ているものを

常に理解しているとは限りませんから。

​「コメディア」紙のインタビューより​




1910年、
第26回「アンデパンダン展」に出品され、

いくつかの雑誌の展覧会に賞賛された。

ルソー作品の中では

『飢えたライオン』に次ぐ大作であるグッド

ルソーは・・・

この年の9月に死去しており、

これが最後の展覧会出展作品となった。


​​『夢の女、女の夢』​​

親愛なるデュポンさん


私はなぜ[《夢》の中に]

寝椅子を描いたのかを

あなたに説明するために

すぐに返事の手紙を書いています。


寝椅子で眠っている女は、

森の中に運ばれていて、

音楽を聞いている夢を見ているのです。


これが寝椅子が絵の中に描かれている理由です。

あなたの観賞力に感謝します。


もし私が私の素朴さを忘れていないとすれば、

それは、

リヨン美術学校の校長のクレマン氏と同様、

高騰美術学校の前の教授であったジェローム氏が

いつもそれを維持するようにと

言ってくださったおかげです。


将来、

あなたはもはやこのことに驚かないでしょう。

私はまた、

今世紀に属さないと言われたこともあります。


私が徹底的な努力の末に獲得した画法を

今変えることは不可能であるということは、

容易に想像できると思います。


あなたが私についての記事を書かれる前に私は

この短いお礼の手紙を書き終えます。

 あなたのご多幸をお祈りします。

そして心からの握手をお受け取りくださいますよう

お願いいたします。

 H・ルソー


P.S. もし私をお訪ねになりたければ、

 昼は2時から5時30分まで、

 朝は9時から11時までアトリエにおります。

1910年4月1日付、

美術評論家アンドレ・デュポン宛手紙
​​​​​​​​​​​​​​
(参考資料:八坂書房、アンリ・ルソーより)上向き矢印


この絵において・・・

私たちは、これまで遠望していた

熱帯の木暗い原始林のさなかに引き込まれる。


草木の繁茂は、一層深く、複雑で、

強烈な生気を帯びて、

私たちに迫ってくる。


花々は、ひときわ大輪となり、

傍若無人の乱舞を踊りはじめる。


横笛を吹く黒人の男が、

中央に、亡霊のように現れる。

彼の笛の音に誘われて、

森の動物たちが集まってくる。


二頭のライオン、

草の中をはってゆく大蛇、

枝にとまって、

鮮やかなシルエットを見せる鳥たち、

おなじみの猿ども、

そしてルソーの絵に

はじめて姿を見せる象・・・。


この絵で人目をひくのは、

赤いソファーの上に横たわる裸婦である。

彼女は何者なのか?

なんのためにここにいるのか?

この絵に付したルソーの詩が、すべてを説明する。


心地よく眠りこんだヤドヴイカは

美しい夢の中で

考え深げな蛇使いの吹く

笛の音をきいた

月が花々や緑の木々を

照らすあいだ

鹿子色の蛇たちも

その陽気な音色に耳を傾ける


つまり、

すべては、

​ヤドヴィガの夢の中の風景なのである音符


そして、夢みるヤドヴィガを、

今度はルソーが夢みる。


夢は二重なのだ。

それは、二重鍵のように、

この風景を現実からへだてる。


いや、夢の二重鍵によって、

この風景は、

誰もが見出すことのできない、

彼一人の現実、

日常の現実より一層

真の現実となる。


​ヤドヴィガ・・・​

このスラヴ風の名前を持つ不思議な女性は、

ルソーの一生のあちこちに姿をのぞかせながら、

私たちの追究をあざ笑うかのように、

伝説の霧の中へと姿を消してしまう。


アポリネールもウーデも、

ヤドヴィガを・・・

ルソーが結婚する前の初恋の女性とした。


しかし、ルソーは、

アルセーヌ・アレクサンドルに向かって、

​ヤドヴィガとは・・・?​

「かつて若い頃、

 税関の役人だった頃知った

 ポーランドの若い女性だ」

と答えている。

ルソーは、最初の妻クレマンスと結婚してから

税関に入ったのだから、

ルソーの言葉通りなら、

ヤドヴィガが初恋の女性であるわけがない!!


一方、

あれほど熱愛していたクレマンスの生前に、

ルソーが他の女に心を移したとは、

彼の性格からみても考えられない。


すると、

ルソーがヤドヴィガを知ったのは?

クレマンスの死んだ1888年から、

税関を退職する1893年までの間ということになる。


1888年は、ルソー44歳である。

44歳を「若い」と言えるだろうか?


それにこの時期、ルソーは、

マリー・フーシェとも知って、恐らくは求婚しているし、

やがてジョセフィーヌとも恋仲となる。


ルソーは、ヤドヴィガについて、

​「私は彼女をとても愛したのです」​

と打ち明けているが、

最晩年まで面影がいきいきと持続する

このような女性との恋が、

他の女たちのあいだを縫って、

こんな怱卒のあいだに生まれて消えたとは、

いささか不自然である。


ここで私たちは、

最初の迷路に入り込むのだショック


ピカソが骨董屋で掘り出し、

ルソーの夕をひらくきつかけとなった肖像画の中の女も、

ヤドヴィガと呼ばれた。

アルセーヌ・アレクサンドルは、

ルソーの夕についての一文の中で、

「ポーランドの小学校教師ヤドヴィガの大きな肖像」

と明記し、

サルモンもこの肖像画について語るとき。

いつもヤドヴィガの名をあげる。


​『夢』​がまだ描かれていない時、

どうしてこの絵の中の女がヤドヴィガであり、

しかも彼女がポーランドの小学校教師だと分かったのか?

ルソー自身がそう明言したか、


「夢」で有名になったヤドヴィガの名が、

のちにこの肖像画の女性に結びつけられたか?

どちらかである。


ルソーがオリヴィエに対し、

​「この絵は、私が税関に勤めていた頃描いたものです」​

と明言しているところから、

前者の可能性の方が大きい。


​ところで、肖像画の中の杖がわりに木の枝を

逆さについている上向き矢印

髪を短くした、

無愛想で男っぽい女と


「夢」の中の、

おさげの髪を長く垂らした、

幼い媚態を残している裸婦とは、

少しも似ていない!!

別人とは断定できないにしても、

同じ女だとは思われない。

ここでも迷路が私たちを待ち構えているしょんぼり
(参考資料:新潮選書、アンリ・ルソー楽園の謎より)

​​​​​​​​​​​

​「夢」を かきあげた年、​

​​ルソー​​​​は​ 足の怪我がもとで 

病気にかかり 66歳で

この世を 去りました。

そのお墓は ルソーの生まれた故郷

ラヴァルの丘にある 公園に 

つくられました

ルソーのお墓には、その死をおしんだ

アポリネール の詩がきざまれています。


 やさしいルソー

 聞こえますか ぼくたちの 声が

 やさしいルソー

 通してくれますか 天国の門を


 ぼくたちはきみに とどけましょう

 筆と 絵の具と キャンヴァスを

 天国の光の中で きみが

 星たちの顔を えがけるように

(参考資料:博雅堂出版「おはなし名画シリーズ」アンリ・ルソーより)
(写真撮影:ほしのきらり)



星ルソーに​​
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最終更新日  2021.09.25 00:10:10
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