「きらりの旅日記」

2021/11/24(水)00:10

ロートレック 「シルペリック」のボレロを踊るマルセル・ランデール 1895年冬 ワシントン・ナショナル・ギャラリー 女優:マルセル・ランデール

美術館・博物館(1927)

​​​​​​​​​​​トゥールーズ=ロートレックは、美しい女優ランデールが舞台でボレロを踊る姿を描きました〜 ​​「シルペリック」のボレロを踊るマルセル・ランデール​​  HENRI DE TOULOUSE-LAUTREC French,1864-1901 Marcelle Lender,1895-1896 Dancing the Bolero in "Chilperic" 『「シルペリック」のボレロを踊るマルセール・ランデール』 1895年冬  oil on canvas  1.45mx1.50m 「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」所蔵。 アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック ​Henri de Toulouse-Lautrec​ 1864年11月24日〜1901年9月9日(36歳没) フランスの画家。 ポスト印象派、世紀末美術、アール・ヌーヴォー。 (ポスター)広告芸術の革新! ​​「近代」ポスターの真の創始者。 劇場を主題にしたリトグラフ・石版画。 舞台の装飾、芝居のパンフレットのデザイン。 版画、メニュー、挿絵。 美しい姿勢と美しい衣装と優雅さで有名な 若い女優​「マルセル・ランデール」​が、 初めてロートレックの目にとまったのは、 ​1893年の終わり、​ 彼女がヴァリエテ劇場において、 ファンタジア「マダム・サタン」に 俳優:ブラッスールと共演したときのことであった。 このときロートレックは、 彼女を3枚の石版画におさめた。 しかし 1895年2月には、 同じ劇場におけるエルヴェ作の オペレッタ​「シルベリック」​の再上演で 驚くべき成功をおさめた。 彼女の演技(それには二つのすばらしい踊り、 ファンダンゴとボレロが含まれていた)にとらわれて ロートレックは20数回も彼女をみにいった。 そのたびに多くの粗がきのスケッチ (イヴェット ・ギルベールでやったような)を作り、 これらによって、 この年に彼女の8枚の石版画の肖像画を作りあげた。 これらの一つはランデールが踊っている後ろ姿である。 「僕はランデールの後ろ姿を  みるだけでいいからそこにいくのだ。  君はこれ以上美しいものを  みることはできないだろうからよく見給え」 とロートレックがいったと伝えられる。 ロートレックの絵は・・・ シルベック王が王座につき廷臣たちに囲まれて 后ガルスヴィンタ(ランデールの役)が ボレロを踊っているのを見守っているさまを描いている。 この絵は、ほとんど同じ時期の ​​ 『ムーラン街のサロン』のように、 大きさと構想の点で、 ロートレックにとっては例外的なものであり、 長時間をかけて慎重に考えぬいて作られたもので、 多くのスケッチがこの劇場でかかれた。 他の大きな構図ではロートレックは、 これほどの絵画的造詣を採り入れようとはしなかった。 けれども制作過程において彼の絵は、 現実感の多くを失った。 と同時にステージだけがこの絵に組み入れられ、 ロートレックは慎重に 舞台美術の人工的な要素を駆使している。 この絵では他のどれよりも奥行の感じが欠けている。 床板の線による遠近法を創り出そうとする試みもみられない。 眼は青色の小姓たちの足よりも向こうには入り込んでゆかない。 他の登場人物と書割りは、 踊り子のリズミカルな動きを得て それらをさらに強調するために たんに簡潔で静的な枠組みを作り出すように案出されたものである。 再びロートレックは、 下方からの反射光を用いた。 その結果として顔はみな仮面のようにみえ、 それらの一つ一つの表現的な特徴が描き出されている。   (参考文献:BSSギャラリー世界の巨匠LAUTRECより) この大作(1.45mx1.50m)は・・・ ロートレックがこの女優に長い間魅惑され続けた成果であり、 彼女が出演する劇場に毎日のように通い、 彼女自身が気詰まりに感じるほどの熱心さで、 夥しいデッサンやリトグラフを制作した末のものであった。 ある時は、 ロートレックはレストランで彼女に向かい合って座り、 黙ったままでじっと彼女に視線を捉え、 その表情を観察したりしたほどである 「シルペリック」は、 スペインの祖となる女王ガレスヴィントの統治した メロヴィング朝の叙事詩をパロディ化し、 ボレロに振り付けたオペレッタに過ぎない。 しかしロートレックはこの芝居のなかに、 彼が一人の女性と演劇的表現のうちに求めている すべてのものを見出したのである。 優雅、繊細、極限にいたる技巧、 見せ場を創るために肉体を完全に制御することなどである。 彼の絵画には、 フォーヴィスムの先駆のような生の色彩が使われ、 舞姫の肉体がつくるグロテスクな 半円形の渦巻きを中心に構成されている。 ​マルセル・ランデール​自身はこれが気に入らず、 友人のポール・ルクレールに譲られたが、 ロートレックの劇場への愛情を示すと同時に、 彼の絵画の転機を画する重要な作品となったことは間違いない。 絵具は前より厚塗りになり、 デッサンは暗示的なところが少なくなっている。 (参考文献:岩波・世界の巨匠ロートレックより) (写真撮影:ほしのきらり) ​​ ​​ロートレックにぽち​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

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