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カテゴリ:美術館・博物館
フェルメール全作品一覧(真筆かどうかも含めて)37点です〜個人的に【きらりの改定版】有名な作品は・・・この子です。
ヨハネス・フェルメール Johannes Vermeer 『真珠の耳飾りの少女』1665年〜1666年 フェルメールは、架空のヒロインをモデルとし、 当時、海洋貿易で栄えたデルフトの街にもたらされた 斬新な異国情緒をたっぷり盛り込んだ 新しい時代の少女像を描きました ヨハネス・フェルメール Johannes Vermeer (1632-1675) 1632年10月31日?〜1675年12月15日?(43歳没) Jan van der Meer van Delft ヤン・ファン・メール・ファン・デルフト オランダ(ネーデルランド共和国)デルフトの画家。 バロック期を代表する画家のひとり。 フェルメールの現存作品は、32点〜37?点 (4点ほどがフェルメールの真筆か疑わしいが) とりあえず制作年代順に鑑賞してみましょう 【フェルメール作品一覧】 1作目.『マリアとマルタの家のキリスト』1654-55 Christus in het huis van Martha en Maria 『マリアとマルタの家のキリスト』1654年〜1655年 油彩 カンヴァス 160.0cmx142.0cm National Galleries of Scotland/United Kingdom(Scotland),Edinbugh 「エディンバラ・ナショナル・ギャラリー」所蔵。 東京・上野の森美術館「フェルメール展」外部展示ポスター(部分) 現存するフェルメール作品のうちで最大の大きさ。 画家として駆け出しのフェルメールが描いた ごく初期の作品で主題は新約聖書のルカ伝による。 姉のマルタ(中央上)は食事の支度をしているが 妹のマリア(左下)は手伝いもせず イエス(右側)の話を熱心に聞いている。 姉マルタが妹マリアが働かない不満を言うと イエスは・・・ 「必要なものは少ない。マリアは良いほうを選んだ」 と諭したと言うエピソードが描かれた。 2作目.『聖女プラクセデス』1656 Sint Praxdis.c,1655 『聖女プラクセデス』1656年頃 油彩 カンヴァス 101.6cmx82.6cm 個人蔵。(フェルメール作品であるか疑われる) F.フィケレッリ「聖女プラクセデス」を参考にしたと思われる。 フィケレッリの聖女は、両手でスポンジを持っているが、 フェルメールらしきこの作品では、十字架を持っているし 描法や色彩が微妙に違うが、ほぼコピーと思われる。 3作目.『ダイアナとニンフたち』1655-56 Diana en haar Nimfen 『ダイアナとニンフたち』1655年〜1656年頃 (ニンフに囲まれたダイアナ) 油彩 カンヴァス 98.5cmx105.0cm The Royal Picture Galley Mauritshuis/The Netherlands,Den Haag デン・ハーグ「マウリッツハイス美術館」所蔵。 フェルメールの初期の物語画の一つと言われるが、 同時期に描かれた『マリアとマルタの家のキリスト』とは 描法が大きく異なり、ヴェネツィア的である。 4作目.『取り持ち女』1656 De koppelaar Ster.1656 『取り持ち女』1656年 (娼婦) 油彩 カンヴァス 143.0cmx130.0cm Staatliche Kunstsammlungen Dresden/Germany,Dresden ドレスデン「アルテ・マイスター絵画館」所蔵。 フェルメールが宗教画から風俗画へと転向する過渡期の作品。 赤い服を着た男の右手から女にコインを手渡す それを受け取る黄色い服の女。 左側の男がフェルメールであると推測される その間に黒い姿の取り持ち女が描かれている。 5作目.『眠る女』1656-57 A Maid Asleep.ca.1656-57 『眠る女』1656年〜1657年頃 油彩 カンヴァス 87.6cmx76.5cm The Metropolitan Museum Art/U.S.A.New York ニューヨーク「メトロポリタン美術館」所蔵。 フェルメール 作品で最初の「風俗画」とされる作品。 のちの風俗画に比べると大きめの画面。 若い女性の単身を描いているが、 X線で見ると元々は、 奥の部屋に男性とドアーの前に犬が描かれていた。 6作目.『窓辺で手紙を読む女』1658-59 Brieflezend meisje bij het.1657-59 『窓辺で手紙を読む女』1657年〜1659年頃 (開いた窓のそばで手紙を読む若い女) 油彩 カンヴァス 83.0cmx64.5cm Staatliche Kunstsammlungen Dresden/Germany,Dresden ドレスデン「アルテ・マイスター絵画館」所蔵。 『眠る女』に比べすっきりとした空間を作り出したが、 最近修復され・・・右上に 「片手を上げるキューピッド」が現れ 女性が読む手紙は恋文であるとの暗示だが、 フェルメール自身が消したとすると・・・。 7作目.『士官と笑う女』1658-59 De Soldaat en het Lachende Meisje,1655-60 『士官と笑う女』 (士官と笑う娘)1655年〜1660年頃 油彩 カンヴァス 50.5cmx46cm The Frick Collection/U.S.A.New York ニューヨーク「フリック・コレクション」所蔵。 フェルメール的なモティーフが勢ぞろいした風俗画。 窓辺の人物、二人の男女の会話、 大きな地図、ライオンの頭のついた椅子。 反射光の処理、透視法を意識した構図。 8作目.『牛乳を注ぐ女』1658-59 Het melkmeisje,c.1957 『牛乳を注ぐ女』1657年〜1658年頃 油彩 カンヴァス 45.5cmx41.0cm (部分)東京・上野の森美術館外部展示ポスター撮影 Rijsmuseum/The Netherlands,Amsterdam オランダ「アムステルダム国立美術館」所蔵。 20代後半に描いた、 フェルメール初期の代表作。 どっしりとした女性が、 台所で一心に牛乳を器に注ぐ。 彼女はパンを牛乳で煮る準備をしている。 当時のオランダの庶民は、 硬くなったパンをパンプディング風にして食べた。 9作目.『紳士とワインを飲む女』1658-59 Het glas wijn,1658-1660 『紳士とワインを飲む女』1658年〜1660年頃 (ワイングラス) 油彩 カンヴァス 66.3cmx76.5cm Staatliche Museen Berlin/Germany,Berlin ドイツ「ベルリン国立絵画館」所蔵。 (部分)東京・上野の森美術館外部展示ポスター撮影 男女がワインを飲むという主題は、 当時の画家により盛んに描かれていた。 フェルメールの初期の作品で、 まだ試行錯誤している形跡があるが、 洗練された様式が出来上がりつつある作品。 10作目.『小路』1658-59 Het Straatjd 1558-1559 『小路』1558年〜1559年頃 (デルフトの小路) 油彩 カンヴァス 53.5cmx43.5cm Rijsmuseum/The Netherlands,Amsterdam オランダ「アムステルダム国立美術館」所蔵。 1696年『デルフトの数軒の家の眺め』として オークシションにかけられた作品と思われる。 フェルメールは都市風景画を新しいモティーフとして、 室内画から戸外に出ても明るい色彩で描いている。 場所は、デルフトのVlamingstraat 40-2番地。 11作目.『デルフトの眺望』1659-60 Gezicht op Delft,1660-61 『デルフトの眺望』1660年〜1661年頃 油彩 カンヴァス 96.5cmx115.7cm The Royal Picture Galley Mauritshuis/The Netherlands,Den Haag デン・ハーグ「マウリッツハイス美術館」所蔵 フェルメールの暮らしたデルフトの南側から 眺めた風景を描いた個人的に大好きな作品です。 画面を多く占めたオランダの空には、 上部に怪しい黒い雲に中央部分には日が差して 画面に奥行きとリズム感を与えている。 フェルメールはデルフトの街に少し脚色を加え 理想化した中世の街を描いている。 12作目.『2人の紳士と女』1659-60. Dame en twee heren.1659-1660 『ワイングラスを持つ娘』1659年〜1660年頃 (二人の紳士と女)(二人の紳士と婦人) 油彩 カンヴァス 77.5cmx66.7cm Herzog Anton Ulrich-Museum/Germany,Braunschweig. ブラウンシュヴァイク「アントン・ウルリッヒ公爵美術館」所蔵。 フェルメールの成熟期の初めに位置する、 フェルメール独自の空間へと変貌する過渡期の作品。 画面を横型から縦型に変え、 床の部分を切り取ったり、 フェルメールは透視法的に正確に構成された空間を、 いかに人の住まう空間にするかが課題であった。 13作目.『稽古の中断』1660-61 Onderbreking van de muziek.1660-61 『稽古の中断』1660年〜1661年頃 油彩 カンヴァス 39.3cmx44.4cm The Frick Collection/U.S.A.New York ニューヨーク「フリックコレクション」所蔵。 シタールの稽古を中断した二人の男女は、 後ろの壁にかかるキューピッドの絵、 机の上の楽器、ワインなどのモティーフから 二人は恋人同士であることを強調させている。 14作目.『音楽の稽古』1662 De muziekles.1662-1665 『音楽の稽古』1662年〜1665年頃 油彩 カンヴァス 74.6cmx64.1cm The State Rooms,Buckingham Palace/United Kingdom,london ロンドン「バッキンガム宮殿王室コレクション」所蔵。 フェルメールの成熟期の作品である。 窓からの光が部屋のモティーフを光と影で表現され、 室内は、ゆったりとした空間が切り取られ モティーフの相互の関係が見事に整っている。 15作目.『窓辺で水差しを持つ女』1662-65 Vrouw met waterkan.1664-1665 『水差しを持つ女』1664年〜1665年 (窓辺で水差しを持つ女) 油彩 カンヴァス 45.7cmx40.6cm The Metropolitan Museum Art/U.S.A.New York ニューヨーク「メトロポリタン美術館」所蔵。 清々しく白い頭巾をかぶった女性が穏やかで清楚である。 右上の地図で世俗の世界を示してはいるが、 洗面器に水差しを持ち身を清める女性。 洗面器と水差しは15世紀以来『受胎告知』、 純血のシンボルとして描かれた。 16作目.『青衣の女』1662-65 Brieflezende vrouw in het blauw.c.1665 せいいのおんな 『青衣の女』1665年頃 (手紙を読む青衣の女) 油彩 カンヴァス 46.6cmx39.1cm Rijsmuseum/The Netherlands,Amsterdam オランダ「アムステルダム国立美術館」所蔵。 手紙を読んでいる女性を描いているが よく似た構図の「真珠の首飾りの女」のように 光がさす方向に窓は描かれなかった。 一心に手紙に集中している様子。 使われた色彩は、青・白・黄色で実に大胆である。 フェルメールが自らの色彩の力、構成の力を 試しているかのような熱い意欲に満ちた作品。 17作目.『真珠の首飾り』1662-65 Vrouw met parel ketting.1662-65 『真珠の首飾りの女』1662年〜1665年頃 (真珠の首飾り) 油彩 カンヴァス 51.2cmx45.1cm (部分)東京・上野の森美術館外部展示ポスター撮影 Staatliche Museen Berlin/Germany,Berlin ドイツ「ベルリン国立絵画館」所蔵。 フェルメールの最高傑作の一つと讃えられる作品。 鏡を見ながら身繕いをする女は、 かすかに微笑んでうっとりしている。 窓から差し込む柔らかな光が見事に描かれ 黄色いサテン上衣と真珠に当たる輝きは、 光の魔術師ならではの技量が凝縮している。 18作目.『天秤を持つ女』1662-65 Perrlweegster.1662-65 『天秤を持つ女』1662年〜1665年頃 (真珠を量る女)(秤を持つ婦人) 油彩 カンヴァス 42.5cmx38.0cm National Gallery of Art/U.S.A.Washington,D.C. 「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」所蔵。 窓辺の光はカーテンに遮られ薄暗い、 女性は薄暗い部屋で天秤を見つめているが、 秤の中には金も真珠も入っていない。 女性の頭の辺りの画中画「最後の審判」は、 神に変わって大天使ミカエルが人の魂を量るが、 神の光に照らされた女性の日々の営みが 最後の審判と重なりあっている。 19作目.『リュートを調弦する女』1662-63 woman with a Lute near a Window.1662-63 『リュートを調弦する女』1662年〜1663年頃 (窓辺でギターを弾く女) 油彩 カンヴァス 51.4cmx45.7cm The Metropolitan Museum Art/U.S.A.New York ニューヨーク「メトロポリタン美術館」所蔵。 フェルメールは、楽器を多く登場させているが この作品で彼女はリュートを調弦している様子。 床にもヴィオラ・ダ・ガンバが置かれている。 当時は楽器を上手に弾くことは、 自分をアピールして恋の相手を見つける為であった。 20作目.『赤い帽子の女』1665 The Girl with the Red Hat oil on Panel,c.1665 『赤い帽子の女』1665年頃 『赤い帽子の娘』 油彩 板 22.8cmx18.0cm National Gallery of Art/U.S.A.Washington,D.C. アメリカ「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」所蔵。 赤い帽子の女・赤いボウスの娘との題であるが 女性か男性か?中性的に描かれているが 元々は、男性像が描かれていたらしい。 フェルメール作品で「板」のパネルに描かれた珍しい作品。 板に描かれたためにカンヴァスより 鼻、唇、イヤリング、衣装に光沢感が出ている。 21作目.『手紙を書く女』1665-66 Briefschrijverde vrouw.1665-1666 『手紙を書く女』1665年〜1666年 油彩 カンヴァス 45.0cmx39.9cm 東京・上野の森美術館「フェルメール展」にて(部分) National Gallery of Art/U.S.A.Washington,D.C. アメリカ「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」所蔵。 手紙を書く手を止めて、 こちらをじっと見つめてかすかに微笑む女。 満ち足りた表情から、彼女の幸福感が伝わる絵。 フェルメールは手紙を主題にした作品を6点描いたが 登場人物が鑑賞者に目を向けているのはこの作品だけ。 モデルは、不明。 22作目.『真珠の耳飾りの少女』1665-66 Meisje met palel.1665-66 『真珠の耳飾りの少女』1665年〜1666年頃 (青いターバンの娘) 油彩 カンヴァス 44.5cmx39.0cm The Royal Picture Galley Mauritshuis/The Netherlands,Den Haag デン・ハーグ「マウリッツハイス美術館」所蔵。 オランダのモナ・リザと呼ばれ・・・ 振り向きざまに肩越しにこちらを見る大きな瞳と大きな耳飾り フェルメール作品の中でもっとも人気が高い作品。 1881年のオークションで出された時には、 あまりにも汚れていてその価値に気づく者もなく たったの2ギルダー30セントで落札された。 23作目.『合奏』1665-66 Concert.1665-66 『合奏』1665年〜1666年頃 油彩 カンヴァス 69.2cmx62.0cm Isabella Stewart Gardner Museum/U.S.A.Boston ボストン「イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館」所蔵。 1990年に盗難にあい2022年5月現在も行方不明の作品。 ほぼ同じサイズの「音楽の稽古」と対作品と言われ 主題も類似している。 厚塗りは姿を消し、布の質感と光沢を視覚化する 後期の手法が始まっている。 24作目.『絵画芸術』1666-67 De schilderkunst.1666-67 『絵画芸術』1666年〜1667年頃 『絵画の寓意』(絵画のアレゴリー) 油彩 カンヴァス 120.0cmx100.0cm Kunsthistorisches Museum Wien/Austria,Vienna オーストリア「ウィーン美術史美術館」所蔵。 フェルメール作品の中で3番目に大きい寓意に満ちた作品。 トロンボーン、月桂樹の冠、書物、シャンデリア、 壁に掛かった地図などの小物に寓意が散りばめられている。 デルフトの「聖ルカ組合」に寄贈するために制作されたと 思われるがフェルメールが没するまで手元に置かれた それは義理の母の希望であったかも知れない。 25作目.『女と召使』1667-68 Dame en dienstbode. 『女と召使』1667年〜1668年頃 (女主人と女中)(婦人と召使) 油彩 カンヴァス 90.2cmx78.7cm The Frick Collection/U.S.A.New York ニューヨーク「フリック・コレクション」所蔵。 1660年代終わりからのフェルメールの特徴 召使いを描き入れている。 黄色の上衣、青のテーブルクロス、 インク壺、小箱などを描き互いに親近感を感じるが、 この作品の方が一段と簡略化され様式の変化を感じる。 26作目.『天文学者』1668 Astronoom.c.1668 『天文学者』1668年 油彩 カンヴァス 50.0cmx45.0cm Musée du Louvre/France,Paris パリ「ルーヴル美術館」所蔵。 『地理学者』とともに珍しく年記が入る作品。 男性単身像は『天文学者』と『地理学者』のみ。 このモティーフは古くから描かれていたものだが、 書斎での学者たちの伝統にならった情景である。 書斎の部屋は、やや暗く、机、書物、化学器具が置かれ、 学者がひとり、研究に没頭している。 ゆったりと、身体によく合った青い部屋着をきて、 椅子から立ち上がり、明るい色彩の天球儀に手を触れている。 天球儀の前には、天文観測議、コンパス、 天文学者が調べものをしていた本が開かれている。 後ろの戸棚の上には三つの円形のある平面天体図が掛かっている。 27作目.『地理学者』1669 Geograf.c.1669 『地理学者』1669年 油彩 カンヴァス 53.0cmx46.6cm Städel Museum/Germany,Frankfurt am Main フランクフルト「シュテーデル美術館」所蔵。 『地理学者』の部屋は、 天文学者の部屋よりも明るく照らされている。 彼の知識の世界が、天文学者の場合よりも、 まるでより理論的で、それほど神秘的ではないかのようである。 彼は、手にコンパスをもち、光のほうへ向かっているように見える。 人生においてとるべき進路を、 正しい手引きと注意深い計算によって、 地図に書き込む道具をもっていると確信して。 28作目.『少女』1668-69 Meisjeskopje. 『少女』1665年〜1677年頃 『若い女の肖像』 油彩 カンヴァス 44.5cmx40.0cm The Metropolitan Museum Art/U.S.A.New York ニューヨー「メトロポリタン美術館」所蔵。 顔は繊細な肉付けが施されている。 すなわち光と影のニュアンスが、精巧に現わせている。 輪郭や目鼻立ちはやわらかく形をとっている。 1660年代半ば以降の他の作品の場合と同じように、 はっきりした線で、形を決めていくことを避けていたからである。 色彩のニュアンスもまた明らかである。 衣装から反射する光が、少女の顎と額に、 青みを帯びた影を落としている。 29.『フルートを持つ女』1665-1670 Meisje met de fluit. 『フルートを持つ女』1665年〜1670年頃 油彩 板 20.0cmx17.8cm National Gallery of Art/U.S.A.Washington,D.C. ワシントンD.C.「ナショナル・ギャラリー」所蔵。 『赤い帽子の女』とこの作品2点のみが板に描かれている。 フェルメール周辺の画家の作品とされている。 30作目.『レースを編む女』1669-70 Kantklosster,c.1670 『レースを編む女』1670年頃 『レースを編む娘』 油彩 カンヴァス 23.9cmx20.5cm Musée du Louvre/France,Paris パリ「ルーヴル美術館」所蔵。 レース編みに集中する女性の姿が描かれた小さな作品。 うつむいて手元を見つめる右方向から柔らかな光がさす。 『牛乳を注ぐ女』のように補色を基調とした 青と黄色、赤と緑と色使いに目を奪われる。 31作目.『恋文』1669-71 Liebesbrief,1669-1671 『恋文』1669年〜1671年頃 油彩 カンヴァス 44.0cmx38.5cm Rijsmuseum/The Netherlands,Amsterdam オランダ「アムステルダム国立美術館」所蔵。 フェルメール作品で後期に当たる作品で、 実に多くのモティーフが描かれていて、 それぞれに意味を持たせて想像力を楽しませている。 画面手前に扉があり鑑賞者には、 隣の部屋をこっそり覗き見をしている気分にさせる。 この構図は、当時の他の画家も描いている。 32作目.『ヴァージナルの前に立つ女』1669-71 Staande Klavichordspeelster,1669-1671 『ヴァージナルの前に立つ女』1669年〜1671年頃 『ヴァージナルの前に立つ婦人』 油彩 カンヴァス 51.8cmx45.2cm The National Gallery/Unted Kingdom,London 「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」所蔵。 最盛期の繊細さと晩年の簡略化が程よく混在した作品。 女性の大きく膨らんだちょうちん袖は1670年代の流行。 画中画のキューピッドと女性のドレスは緻密に描かれているが 最盛期のような厚塗りや極端な反射光の表現は控えめである。 33作目.『手紙を書く女と召使』1670-72 Schrijvende vrouw met dienstbode,1670-1671 『手紙を書く婦人と召使い』 『手紙を書く女と召使』1670年頃 油彩 カンヴァス 72.2cmx59.5cm National Gallery of Ireiand/Ireland,Dublin ダブリン「アイルランド・国立美術館」所蔵。 (撮影:東京・上野の森美術館「フェルメール展」外部展示物。部分) 前のめりになり、 手紙をしたためることに夢中になっている女性の脇に、 少々あきれ顔で両腕を組み、 窓の外に目をやる使用人。 カーテンを透かし部屋に入り込む 穏やかな光とは対照的に、 何かただならない事情が 女性にはあるように見える。 画面手前の床に開封し放られた手紙は、 愛しい人からの よからぬ内容だったのかもしれない。 それは壁にかけられた絵 『モーゼの発見』が、 敵対する者の争いを鎮めるという 説話であることからも憶測できる。 34.『ヴァージナルの前の女』1670年〜1672年頃 A Young Woman Seated at the Virginals. 『ヴァージナルの前に座る女』1670年頃 油彩 カンヴァス 24.5cmx19.5cm ラスヴェガス・個人蔵。 19世紀初めからフェルメール作品か調査されていた。 もっとも最近になって、 フェルメール作品であることが判明した作品。 35作目.『ギターを弾く女』1673-74 The Guitar Player. 『ギターを弾く女』1672年。 油彩 カンヴァス 53.0cmx46.3cm Kenwood House/United Kingdom,London ロンドン「ケンウッド・ハウス」所蔵。 フェルメールの後期の作風の中で、 もっとも美しい作品の一つである。 鮮明に描かれた像と放射する色彩は、 作品に鮮やかな光輝性を与えている。 1670年代の作品においてフェルメールは、 もはや正確な材質感の描出に関心を示していない。 筆づかいは初期の作品では、材質感より、 色彩のパターンを強調していたが、 その頃よりいっそう自由になり表現が豊かになった。 顔も違った処置がとられている。 その表情は皮相的で自制を欠いている。 36作目.『信仰の寓意』1673-75 Allegorie op het geloof,1673-75 『信仰の寓意』1673年〜1675年頃 油彩 カンヴァス 114.3cmx88.9cm The Metropolitan Museum Art/U.S.A.New York ニューヨーク「メトロポリタン美術館」所蔵。 『絵画芸術』に続く本格的な寓意画である。 寓意画ではあるが、一般市民の家を描いているため 地球儀を足で踏む女性や、石の下敷きになった蛇は どう見ても場違いで不自然に感じる。 37作目.『ヴァージナルの前に座る女』1675 Zittende Klavichordspeelster,c.1675 『ヴァージナルの前に座る女性』1675年頃 油彩 カンヴァス 51.5cmx45.6cm The National Gallery/Unted Kingdom,London ロンドン「ナショナル・ギャラリー」所蔵。 フェルメール最晩年の作品において 物体の表現の材質感に対する関心は矛盾した効果をもたらす。 彼の筆づかいは材質感を表現する役割から解き放たれたかのように、 より抽象的になってきている。 画面全体の色彩は非常に鮮やかで、にごりのない色質である。 しかしながら表面的なパターンとそれから生ずる 形態の単純化に対する関心から人物は気の抜けたようになり、 表情が乏しくなってしまった。 この最後の作品は多くの点で当然、 画家としてのフェルメールの展開の頂点である。 (写真撮影:ほしのきらり) フェルメールにぽち お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.05.20 00:10:11
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