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みなさん、こんばんは。アニメ映画ブレンダンとケルズの秘密を見ました。

ブレンダンとケルズの秘密
THE SECRET OF KELLS

アヌシー国際アニメーション映画祭観客賞
ソウル国際マンガ・アニメーション映画祭グランプリ

声
ブレンダン・グリーソン

　スコットランドの島から高名な修道士エイダンが、「聖なる書」を携えてやって来る。エイダンは、少年の修道士であるブレンダンにインクの原料となる植物の実を採ってきてほしいと依頼。ブレンダンは、妖精の少女アシュリンの協力もあり、危険な森で何とか実を採取する。するとエイダンは、ブレンダンに本の続きを書くように頼み……。

　映画はアシュリンのナレーションから始まる。「 私は鮭、鹿、狼の目を通して多くの時代を生きてきた。北欧のバイキングが金を求め、アイルランドを侵略し、全てを破壊するのも、また見てきた。私は暗黒に苦しむ人々も見てきた。けれど私は多くの弱弱しい場所で生き残ってきた美しさもまた目にしてきた。私は本を見た。その本は暗闇を光に変えたI have lived through many ages, through the eyes of salmon, deer, and wolf. I have seen the Northmen invading Ireland, destroying all in search of gold. I've seen suffering in the darkness. Yet I have seen beauty thrive in the most fragile of places. I have seen the book. The book that turned darkness into light.」

　さあその本は何？というイントロの後に出てくるのがタイトルのケルト装飾写本「ケルズの書」。スコットランドの島からバイキングの襲撃を逃れてアイルランドのケルズ修道院に移され、9世紀に完成したと伝えられている。遠近法を排した中世絵画のような構図は、ディズニーのCGアニメを見慣れている目には「ひと昔前のアニメ？」という厳しい感想を抱く視聴者もいるだろう。

　主人公は好奇心旺盛な少年修道士。両親はおらずブルーレイの資料では両親がバイキングの侵略に遭い死んだことが示唆されているとか。厳しい叔父が修道院長ケルアッハとして集団の皆を指揮している。戦闘要員は一人もおらず、砦を作っているのも修道士達だ。かたや襲ってくるバイキングは戦闘が日常のプロフェッショナル。勝負は明らかだ。実際バイキングの襲来によってキリスト教世界の中心地であったアイルランドの衰退に繋がっていく。しかしアシュリンの冒頭の言葉にもあるように、弱き者のなかにもしぶとく生き残っていく存在があり、その一つがケルズの書に見られる文化である。現在もアイルランドの国宝として見ることができる。

第82回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネート。


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