2014/04/12(土)08:42
あれ、こんなに女性の権利を謳う作品だったっけ?~映画「ゼロの焦点」-楽天エンタメナビ
松本清張生誕100年を記念して制作された映画を見ました。原作を読んだ時はこんなに女性を前面に出した作品って感じはしなかったのですが。
(C)2009 「ゼロの焦点」製作委員会映画「ゼロの焦点」この作品情報を楽天エンタメナビで見る
ゼロの焦点
原作
松本清張
脚本&監督
犬童 一心
出演
広末 涼子 木村 多江 中谷 美紀 市毛 良枝 黒田 福美 左 時枝 西島 秀俊 杉本 哲太
鹿賀 丈史 本田 博太郎 小木 茂光
結婚式から7日後、仕事の引き継ぎのため金沢に向かった鵜原憲一は帰ってこなかった。夫の消息を追い金沢へと旅立った妻の禎子は、憲一のかつての得意先で、社長夫人の室田佐知子と受付嬢の田沼久子に出会う。一方、憲一の失踪と時を同じくして連続殺人事件が起きるが、事件の被害者はすべて憲一にかかわりのある人物だった……。
2009年に生誕100周年を迎える社会派ミステリーの巨匠、松本清張の同名傑作小説を映画化。本作は殺人事件が発生して刑事が登場するが、彼等が探偵役ではない。探偵役はあくまで推理力に優れているわけでもなく、どこにでもいる世間知らずの女性・禎子だ。彼女が出会って間もない夫は一体どんな人だったかを知りたいという思いだけで、見知らぬ場所、見知らぬ人に会い、自分が知らなかった闇にどんどん引きこまれていく過程を追っている。原作を生かしているため、禎子が犯行の手口をこうだろうと想像するだけだが、映画では犯人の告白というきちんとした裏付けをつけている。
この映画は3大女優の共演が前面に出ているが、男優陣も頑張っている。西島秀俊は出番が少ないが、わずかな出会いで禎子が惹きつけられる優しさを漂わせ、何かを含んでいるらしき様子を垣間見せる。予告編で散々流されたキスシーンでたくましく鍛えられた上半身がちらっと見える。
女優達の共演はどうしても比べられてしまうし、広末涼子は分が悪い。唯一何の屈託もなく感情のままに犯人を追いつめられる禎子は、何も知らない当初はともかく、最後には犯人と拮抗しうるような迫力を持っていなければならない。だが、どんなに怒ったり傷ついたり厳しい台詞を投げても、犯人役のインパクトに負けている。犯人がその外見でも表しているように傷だらけになり自壊していったことで、ようやく勧善懲悪が成る。もう一人の女性は、薄倖そうなヒロインを演じさせたらピカ一と言われる女優が演じており、彼女と犯人との対比はよく効いている。
犯人は自分の保身のために犯罪を重ねたわけだが、監督は単に個人の罪を追求するのみで終わらせていない。辛い過去を持つ犯人が、戦後から10年経って女性が幸せになれる時代を獲得するために懸命に活動していた健気さを強調して彼女への情状酌量を促している。
【楽天ブックスなら送料無料】ゼロの焦点【Blu-ray】 [ 広末涼子 ]楽天ブックス
専用支柱とプランターの便利なセット。狭いスペースを有効活用して野菜を育てる。【ガーデニン...
価格:3,168円(税込、送料別)