2018/02/27(火)23:05
DNAで犯人がわかる未来社会 ところが犯人に指定したのは開発者だった!~映画「プラチナデータ」
映画プラチナデータを見ました。
プラチナデータ
Platinum Data
出演
二宮 和也 豊川 悦司 生瀬 勝久 和田 聡宏 萩原 聖人 小木 茂光 鈴木 保奈美 杏 水原 希子
監督
大友 啓史
政府が極秘に収集した国民の遺伝子情報“プラチナデータ”を基に犯罪捜査が行われ、検挙率は驚異の100パーセントで、冤罪は皆無となった近未来の日本。警察庁の科学捜査機関に所属する科学者の神楽龍平は、DNA捜査システム関係者の連続殺人事件を担当することに。しかし、同システムは神楽自身を容疑者として示し、思考を繰り広げた結果彼は逃亡するが……。
さまざまな作品が映画化されている東野圭吾の小説を、『ハゲタカ』『るろうに剣心』の大友啓史監督が映画化したサスペンス。DNAデータを基に犯罪捜査が行われる近未来を舞台に、自らが携わるDNA解析捜査で連続殺人事件の容疑者となってしまった科学者の逃亡劇を描く。
トム・クルーズの映画『マイノリティ・レポート』は殺人被害者と加害者を事前に割り出すことで犯罪を未然に防ぐ未来社会を描いていた。本作は事件自体は起こるのだが、現場に残されたDNAと管理された個人情報を照合することで、捜査の必要なく犯人を割り出せる。彼等の性格までプロファイリングされているというのだから、刑事要らずだ。
ところが、解析の結果浮かび上がってきた犯人とは開発者・神楽本人。そこで初めて神楽はこのシステムの異常性に気付く。それまではシステムを完璧と信じていたのに、わが身に降りかかることで疑いが生じる辺りは『マイノリティ…』と同じ展開。
DNAが当てにならない事件だと分かった時点で観客はトヨエツ演じる昔ながらの刑事に期待する。彼はデータよりも「神楽が犯人ではない」という勘を信じて、定石通り捜査陣とは別の行動を取るようになる。途中“科学者は二重人格だった”という事実が明かされ、もしや…?と惑わせながら、容疑者と刑事は次第に事件の真相に近づいていく。
街に張り巡らされた監視カメラが犯人を割り出し、国会はマイナンバー法成立に向けて動く。DNAで個人情報を一元管理する映画で描かれる社会はもう絵空事ではない。だが、そのデータがある一部の者によっていかようにも動かせる性質を併せ持った時、力のない一般市民は、例え自分に覚えがなくてもデータが指し示すというだけで自分の知らない所で犯罪者にされてしまう。こんな世の中が来るとは恐ろしい。
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