2018/01/27(土)18:37
戦場から帰って来た時 兄と夫は別人だった~映画「マイ・ブラザー」
みなさん、こんばんは。新聞やニュースで報道される集団的自衛権を嫌な思いで見ています。
スザンネ・ビア監督作品のリメイク作品マイ・ブラザーを見ました。
マイ・ブラザー
BROTHERS
出演
トビー・マグワイア ジェイク・ギレンホール ナタリー・ポートマン サム・シェパード
キャリー・マリガン メア・ウィニンガム
音楽
トーマス・ニューマン
監督
ジム・シェリダン
アフガニスタンで兵役に当たっている夫・サムの帰りを待つグレースの元に、サムの訃報が届く。絶望のふちにいるグレースと二人の娘を慰めてくれたのは、サムの弟、トミーだった。トミーは銀行強盗をするなど素行に問題があったが、サム亡き後父とも和解していた。そんなある日、まさかの帰還をしたサムだったが、まるで別人のように変ぼうしていて……。
デンマーク映画『ある愛の風景』を、トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマンらの共演でリメイク。本作では兄弟の父親もまた元海兵隊員で、ベトナムから戻った彼が後遺症に苦しみ、家族に負担をかけた。最初の妻との離婚もそれが理由であるように示唆されている。アメリカが世界の警察を自任する限り、この家族のような体験はそこここにあるだろう。オリジナルでは一つの家族の物語としてのイメージが強かったが、本作は家族の向こうにアメリカという国が見える。
トビー・マグワイアがかなり減量した姿で登場。変わり果てたキッチンを自分を拒絶する家庭の象徴のように感じて粉々にするシーンはオリジナルと同じ。「戻ってくるために俺が何をしたか知ってるのか?You know what I *did* to get back to you? You know what I did? 」家族の元に戻るためにやむをえず同僚を殺してしまったサム。しかしそんな想いをして戻ってきた家族は、行く前とどこか違っていた。娘役の演技がうまい。こわばった顔の父親に対して必死の形相で頷くが、彼が去った後じわっと涙をにじませる。愛している父親が変わってしまったことを怖がりながらも哀しむ実の娘のような演技が出来ていた。
ジェイク・ギレンホールの目は台詞よりも多く言葉を語る。ジェイク・ギレンホールはこの映画の撮影中に『ブロークバック・マウンテン』で共演したヒース・レッジャ―の訃報に接し、2日間セットを離れていた。
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