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June 11, 2015
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みなさん、こんばんは。さっきから何度やっても楽天エンタメの映画が選べません。皆さんの所で同じ現象が起こっているのでしょうか?

さてこちらはチェスタトンのディストピア小説です。

新ナポレオン奇譚
The Napoleon of Nottingham
ギルバート・キース・チェスタトン

 G・K・チェスタトンは1904年に80年後の世界を書いているので、単純に考えれば未来小説と考えられる。より現代に近い世界が描かれるかと思いきや
「この物語の幕があいたとき、すなわち今から八十年後、ロンドンは、ほとんど現在とそっくりそのままのロンドンである」
という断り書きによりその線はなくなる。そしてあろうことか、国王オーベロン・クウィンが「古き中世都市の誇りを復活」させると発表したため、ここから更に全てのものが逆行していく。「自由市憲章」が発表され、宇宙船や衛星の代わりに街を辻馬車が走り、市ごとに城壁が築かれ、槍や剣を持った衛兵が配備される。それもこれも「ユーモアこそは人類に残っている唯一の聖域」と言ってはばからないオーベロン・クウィンの打ちだした、冗談半分の政策のせいだ。なぜこの男が国のトップに選ばれたかというと、
「健全な永続する民主主義とは、万民がすべて同等に愚かであるという事実にもとづいてこそうち建てられる」
 つまり、「皆が賢いから」ではなく「皆が愚かだから」誰がやっても同じでしょ、という論理で、籤引きで国のトップを選んだからだ。「いや、民衆は過去より遥かに賢くなっている」と反論したくなるが「ではその成熟した人々の世界で戦争が起こっていないのか」と問われれば言葉に詰まる。また一方で、本当に成熟した皆が賢い民主主義国家であれば、実際誰が選ばれても良いはずで、この論理自体は別に破綻していない。にも関わらずこういう事もありますよ、という展開はもちろん皮肉であるが。

 オーベロンには誰もまともに取り合わないが、憲章に大真面目な賛同を示すアダム・ウェインが現れる。ノッティング・ヒル市長である彼は、政府の立てる大規模な道路敷設計画に真っ向から反対し、事態は戦争に突入する。狂った世界を笑いで肯定しようとする男と、彼の冗談半分の論理に心酔した男がお互いトップだったために、大勢の血が流される。そして互いの旗の下に戦わされる民衆には、戦う理由が全くわかっていない。「これは架空の話でコメディだから」と笑い飛ばして終わりたくなるが、存外現実の戦争もさほど変わらない経路を辿っているのかもしれない。愚かな為政者と熱血革命家の構図は今まで何度となく繰り返されており、腐敗した現体制を倒して政権を取った側が、新たな敵と見做されるまでの過程もまた、歴史で幾度も目にしている。「これは全て作家の妄想の産物である」と言いきってしまうには、ユーモアにくるまれた予見性が邪魔をする、恐るべきデビュー作。
 




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最終更新日  June 11, 2015 12:16:44 AM
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