2017/05/01(月)00:20
世界の終わりが来る時に 最後に会いたい人は?~映画「エンド・オブ・ザ・ワールド」
みなさん、こんばんは。
終末って考えたことありますか?突然訪れた時落ち着いた行動が取れるかわかりませんよね。
よくパニック状態にある人々を描いた映画はありますが、こちらは割合落ち着いた雰囲気で描かれています。
エンド・オブ・ザ・ワールド
Seek a Friend for the End of the World
出演
スティーヴ・カレル キーラ・ナイトレイ マーティン・シーン
地球に衝突する小惑星“マチルダ"の破壊作戦が失敗に終わり、人類の滅亡が避けられないと判ったその日、保険セールスマン、ドッジの妻は、何も告げずに去っていった。小惑星衝突まであと3週間。周囲の人間が酒やドラッグに溺れる中、普段と変わらぬ生活を送るドッジは、隣人の奔放な女性ペニーと初めて言葉を交わす。
イギリスにいる両親に二度と会えなくなってしまった、と嘆くペニーから、彼女のもとに誤配達された自分宛の手紙を渡されたドッジは、その中に、かつて心ならずも別れた最愛の人、オリヴィアからの手紙を見つける。
暴動が起きた夜、ドッジはペニーを救い出して街を脱出し、人生の最後に2人でオリヴィアを探す旅に出る……。
いわゆる世界終末もの。『アルマゲドン』ではブルース・ウィリスの決死の行動が人類を救ったがこちらでは小惑星はそのまま地球に落ちて来る。その時人はどう過ごすのか?
「やりたいことをやる」。その「やりたい事」にもいろいろ幅があって、ドラッグに手を出したり浮気をしたり、今までのタガが外れた行動を取る人々もいれば、ドッジのようにささやかな「高校時代の恋人に会いに行く」事を決意する人もいる。
パニック映画だととにかく人がわあわあ路上に出てきて殺し合ったり逃げまどったりする場面ばかりが映るのだが、こちらの映画では、そういった描写は暴動めいたシーン以外出てこない。海岸で家族と過ごしたり、銃を集めて体を鍛えたり、あまり日常と変わらぬ姿の人々が登場する。恐らく空には接近しつつある小惑星の姿があるだろうに、それらの映像は登場せず、人々もその存在がないかのように振る舞っている。終末を体験した事がないけれど、本当の終末はもしかしたらこの映画に近いのかな、近いのならいいな、と思える。
ドッジもペニーと一緒に旅をするうちに、自分の恋を応援してくれる彼女の方に心が傾き、遂に確執のあった父親を訪ねて彼女を家族の元に送り出そうとする。その気持ちを察したペニーは戻ってくる。二人とも最後にいたい相手を、本当のぎりぎりで見つけたのだ。
ラストの二人の会話がもう涙線を刺激するのなんの。
小惑星の接近は音と光で表現される控えめなものだけれど、確実に終末が近づいているこことを感じさせる。二人は並んで話し続ける。
「どこで育ったの?Where'd you grow up?」「サリー育ちよ。家族はそこ出身なの。結婚するまで母はジャーナリストだった。二人は決して喧嘩しなかった。少なくとも私達は喧嘩するところを見たことがないの。チャーリーとベニ―が弟。姉妹がいたんだけど生まれる前に亡くなったの。Well, I was born in Surrey. My whole family are from there. My mum was a journalist before she married my dad. They never fought. Or at least we never heard them fight. Charlie's the oldest, then Benny, then me. We had a sister but she died when she was born. I still think about her.」「彼女の名前は?What was her name? What was your sister's name? 」「パトリシア、パトリシア・ホープ・ロックハートPatricia. Patricia Hope Lockhart.」「もっと前に会っていればよかった。子供だった頃に。(中略)(お互いを知るには)時間が足りないわ。I wish I'd met you a long time ago. When we were kids. (中略)But it isn't enough time.」
もっと沢山話したい、でも時間がない、というもどかしさの中で、でも「あなたの事が好き!」ということだけはちゃんと伝わってるしお互いも分かってる。こんな幸せが最後に訪れる終末ならいい。
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