映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。
円安が続きますね。どこまで進むのでしょうか。

菅原道真の少年時代を描いた漫画の第六巻が発売されました。

応天の門 6
灰原 薬

　町中で役人を殺した女装した男の捜索が続く中、昭姫が再会した相手・寧こそその犯人だった。昭姫も寧も唐の宮廷に仕えていたと知って、道真の唐への憧れが再燃するが…。

　前巻から続くエピソードの回収回。道真は家柄だけで特定の貴族が重んじられる日本を厭い、出自ではなく科挙で実力が判断される唐を理想の国家と見ていたが、寧の言葉から唐もまた腐敗の一途を辿っていることを知る。

　本巻ではもう二つエピソードがあり、一つは源融(嵯峨帝の息子)が執着する桜の樹に怪事が起こる話、もう一つはなぜ道真の師・忠臣が藤原基経に仕えるようになったかが分かる、道真の幼き日の話である。典雅な貴族・源融がどこかずれたキャラになっていて、道真が｢お気楽貴族かと思っていたら見かけとは違うのでは?｣と深読みしたちょうどその時に、思いっきり自己中な台詞を吐いてドン引きさせる場面がある。だがそんな彼ですら道真の才には気づいており、「政にも出世にも興味はない」という気持ちは一貫しているものの、今後彼の才に気づいた輩が政や出世に利用しようとする事は容易く予想できる。｢ここへ来てはならぬ｣と道真を応天門の内から遠ざけようとする父・是善は、前巻で伴中庸に道真が呼ばれた時に半ば諦めたような台詞を口にしており、そうなると道真の性格を知った上で彼の守護者たり得るのは業平しかいない。今後どこまで彼が守れるのか。それとも新たな庇護者が現れるのか。

　ところで、そんなコメディ回の端で、強大な権力を持つ良房のもと、一枚岩であるかに見えた藤原にほころびが見える。また、上記に挙げた源融の所業を嘆く兄として、源信が登場するが、彼もまた応天門の変の関係者だ。前巻の針を探す少女と共に、ちらちらとメインイベントの関係者達が顔を覗かせ、読者の期待を煽る。


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