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2017/08/13(日)18:14

デンマーク、イングランド、アイルランドで奏でられる旋律~小説『音楽と沈黙 1』

海外の作家が書いた歴史小説(32)

みなさん、こんばんは。首都圏は静かです。お盆をゆっくり過ごされていますか? 世界陸上、日本が銅メダルですが、それよりもウサイン・ボルトのアクシデントにびっくりしました。コメンテーターは「人生って帳尻が合うようにできている」と言っていましたが、ボルトはそう思っていないと思うなぁ。 さて、今日と明日は歴史小説を紹介します。実在の王も出てきますよ。 音楽と沈黙 1 Music and Silence ローズ・トレメイン 国書刊行会 1629年、美貌のイギリス人リュート奏者ピーター・クレアがデンマーク王クレスチャン4世の宮廷楽団に招かれ、コペンハーゲンのローセンボー城に到着する。一方、王の妻キアステンは王への不満をつのらせ愛人との官能の日々を送っている。やがてピーターはキアステンの侍女エミリアと恋に落ちる。しかし二人には数多の試練が待っていた。  同氏の著作『道化と王』同様、出版元は異なるのに、なぜか主人公達の表情は見えず、体の一部だけが見える表紙にしている。  タイトルも妙だ。音楽=Musicと沈黙=Silence。音を出すものと、音のない状態、真逆である。しかし両者は城の中で共存する。音楽を好む王は、謁見室の真下にある暗いワイン貯蔵室に宮廷楽団を待機させていた。本来なら音も演奏家達の姿も愉しめばよいはずだ。しかし王は、音楽は聞きたいが、演奏家達の姿は見たくない。唯一の例外がリュート奏者ピーター・クレアだった。彼だけは姿を見たいと望む。ピーターがかつての親友ブロアにそっくりだからだ。    必ずしも時系列順に物語が進むわけではないので、最初は戸惑うかもしれない。実在の人物と史実、フィクションがミックスされ「誰かが誰かに片思い」している。つまり、てんでばらばらに旋律がかき鳴らされている状態にある。下巻では複数の国に亘り奏でられたメロディが一つにまとまるのか。そして史実とのすり合わせはどの程度為されるのか。    2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】音楽と沈黙 1 [ ローズ・トレメイン ]楽天ブックス

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