2018/01/11(木)00:02
何もかもが忘れられてゆく 自分も 家族も そしてこれまでの人生も~映画『アリスのままで』
みなさん、こんばんは。歳を取れば記憶力が衰えていくのは当たり前です。
でも病気で家族のことまで忘れてしまったら…。
映画の主人公はそんな状況に追い込まれてしまいました。
アリスのままで
Still Alice
出演
ジュリアン・ムーア アカデミー主演女優賞
クリステン・スチュワート アレック・ボールドウィン ケイト・ボズワース
監督
リチャード・グラツァー&ワッシュ・ウェストモアランド
夫にも3人の子どもたちにも恵まれ、充実した日々を送る50歳の大学教授、アリス。ところがある日、講演中に普通の単語が出てこなくなったり、ジョギング中に道に迷ってしまったりといった物忘れが頻繁に起こるようになる。やがて診断の結果、若年性アルツハイマー病と宣告されてしまう。しかも遺伝性で、子どもたちにも発症のリスクがあると分かる。子どもたちにも動揺が広がる中、病気は徐々に進行し、ついには大学も辞めざるを得なくなるアリスだったが…。
始まりは、ある言葉が浮かばないことだった。これくらいなら物忘れとして、よくあることと見過ごされる。しかし次に、突然走っていた場所がどこだかわからなくなる。奇しくも不思議の国を冒険した少女と同じ名前を持つアリスは、本来なら知っていたはずの日常が、全て未知の場所=不思議の国に早変わりする事態に見舞われる。
若年性アルツハイマーという病にかかった女性をとても美しく描いたのが韓国映画「私の頭の中の消しゴム」であるとすれば、こちらはかなり赤裸々である。トイレの場所を忘れて失禁したり、次第に身なりに構わなくなっていったアリスの髪がぼさぼさになっていったり、肌が荒れていったりと、各映画祭の主演女優賞を総なめにしたジュリアン・ムーアがノーメイクで演じる。
意識がしっかりしていても、年を取れば記憶があいまいになっていくが、その頃には他の事にも意識が緩慢になっていくからさほどショックは受けない。若年性であることが当人と家族に影響を与える。家族は彼女を中心とした生活を立て直さなければならないし、何よりも本人は、時折意識が戻る度に自分の病気の進行を自覚する知能を持っている。まだ意識がはっきりしていた頃のアリスが事前にメッセージを残していたので、てっきり「アリスのままで」いたい彼女がある決断をする流れになるかと思っていた。しかしそうはならなかった。
監督のリチャード・グラツァーはALSを患い話す事が出来なかったのでiPADを使って指示を出した。ジュリアン・ムーアとクリステン・スチュアートは彼のためにアイスバケツチャレンジを実行。ジュリアンは夫役によく共演しているアレック・ボールドウィンを推薦。それにしても若い頃は結構やせ形だったのに、顔もお腹も見事に横広がりになったものだアレック。他のボールドウィン兄弟も体型が変わったのだろうか。
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