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2018/02/04(日)00:13

西洋化に向かう明治のなかで 日本画育成に献身したプロデューサー 岡倉天心~映画『天心』

日本映画(350)

みなさん、こんばんは。岡倉天心という名前を聞いたことがありますか? 開国によって急に西洋文化が入って来て、日本は西洋礼賛に傾きましたが、その中で日本の美を追求した人がいます。 竹中さんが歴史上の人物を演じた映画天心を見ました。 天心 Tenshin 出演 竹中 直人 木下 ほうか 平山 浩行 渡辺 裕之 温水 洋一 中村 獅童  本田 博太郎 石黒 賢   明治初期。廃仏運動が起こり、仏寺や伝統美術が失われようとする中、日本独自の美を守るため、岡倉天心はアーネスト・フェノロサと手を組み奔走。その後、東京美術学校や日本美術院を創立した天心だったが、西洋画派と対立するなど、逆境に陥ってしまう。天心は茨城県五浦に六角堂を建立し移り住み、これまでにない日本画を作り上げるため、創作活動に打ち込んでいく。  明治から大正にかけて伝統美術の再興に尽力し、日本近代美術の父と称された岡倉天心の葛藤と創作活動を描く伝記ドラマ。  岡倉天心の映画初登場時は、まだ若者で、尊敬するフェロノサと狩野芳崖の間で、ありあまる熱意をどうして良いやらわからない様子に見えた。次に登場する時はパトロンの九鬼男爵の妻・波津子からの「ここから連れ出して」発言にあっさり乗るなど随分と世間のドロドロを知る大人になっていて驚き。まあ役者も本役の竹中さんに変わっている。一体何があったんだ天心。竹中さんの役者としての存在感で、熱血少年が熱意はそのままにそれなりに大人になったという設定を提示しているのみで説明はなし。史実では彼女との間に子供も生まれたそうだ。  天心にいつも一言言われる武山と観山に比べて、大観と春草は批評すらされない。売れない彼等は「ボヘミアンになればいいんだ」と天心がある場所で言っていたことを聞いた春草の妻がどんどん切羽詰まっていく様が切ない。やっと目が出たかと思えば病気によって夭折するという薄倖の天才の運命を辿る春草。同じスタートで4人に明らかな差が出ており、明らかに収入にも差が出ているはずなのに、表面的には嫉妬を出すことなく友情が続いた描写になっている。特に売れない同士の大観と春草は特に親しく、実際の逸話でも大観は春草を評価していたそうだ。 天心は外遊したり著書も書いたりしているからそれなりの収入もあるだろうが、彼の弟子達は売れるか売れないかわからず、画家という職業なのに皆妻帯しているのが意外だった。それとも当時の感覚では画家イコール自由人ではなく、家庭を持ち画業を極めるということが普通だったのか。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】天心 [ 竹中直人 ]楽天ブックス

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