映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。いや暑いですね～。
なんですか先週は雪が降ったのにこの天候！

『バイプレイヤーズ』ご覧になっていましたか？
先ごろ亡くなった大杉蓮さんが出演されていた映画を紹介します。


ニンゲン合格
License To Live

出演
西島　秀俊　役所　広司　哀川　翔　鈴木　ヒロミツ　大杉　漣　豊原　功輔　麻生　久美子　りりィ

監督＆脚本
黒沢　清


　14歳で交通事故に遭い、病院で10年間昏睡状態だった吉井豊。目覚めた彼のもとに父親の友人・藤森が10年分の雑誌やビデオを持って見舞いにきた。交通事故の加害者もやって来た。が、肝心の家族は誰一人来ない。両親は離婚し、一家はバラバラになっていたのだ。。やがてそんな彼のもとに、今は宗教活動をしている父親の真一郎や、米国に行っていた妹の千鶴ら、彼の家族が次第に再集結し、新たな関係を築いていく。

　14歳から10年間眠っていて目覚めたらいきなり外形は24才になっていた。大人になる過程を経ていないので中身が外側においついていない。当然ギャグになってしまう。大きな大人がじだんだ踏んだり、おおよそ大人らしくない行動を取り、言葉遣いもどこか子供っぽい。こんな難役を演じたのは当時20代の西島秀俊。心なしかほっぺたがぽっちゃりしている。今なら役所広司演じる少年を引き取る役を演じていてもおかしくない年齢だが、この当時は若い。役所さんはまだぎらぎらしている感じ。日に2～3人の客しか来ない釣り堀開いて｢もうかってないだろ、それ｣と言わんばかりの暮らしをしているから、てっきり生気のない大人しい男かと思った。しかし、豊の父親が訪ねてきて｢息子を頼む｣と言った時には突然形相を変えて父親と釣り堀で取っ組み合う。

　タイトル（ニンゲン合格）はもちろん『人間失格』のもじりで、誰一人まともに社会生活を送れている人はいない。外側だけ大人になった豊がロールモデルにしたい大人が誰一人いないということだ。むしろ｢かつて夢見た牧場を開いて家族を一つにしたい｣と思っている豊が一番まともである。そんな彼の元に家族達が結集してさあこれでハッピーエンドだ！と思いきや、あのラストには驚いた。


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