映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。ワールドカップも残すところあと二試合になりましたね。
それにしてもクロアチアとフランスが決勝に勝ち残るとは。今大会はいろいろと番狂わせがありましたね。

さて、今回ご紹介するのは菅原道真の若き日を描いた漫画です。


応天の門 9
灰原 薬


何のために学ぶのか行き詰まった道真は業平に連れられて鷹狩りにやって来る。そこで出会った青海尼は奇跡を起こして人々に崇められていた。一方藤原常行が業平に相談を持ち掛けてくる。

　「その才が曇らぬよう成すべきことをなさいませ」
　「今のお前はただの文章生の若僧だ　「今は」　でもどうすればいのかは解っているだろう？」
　「あなたには才がありそして正しい」

事あるごとに様々な人から言葉を投げかけられていた道真は、同じ数だけ政には関わりたくないと言い続けてきた。しかし、今の世の中を嘆く―自分のしていること―は、単なる批判に過ぎないこともわかっている。そんな彼の前に現れたのは持って生まれた才を生かして何が悪いと言い放つ、いっそ潔い人物だった。但し、手段はともあれ善行であっても、いち個人の行為の影響範囲は限定的である。ならば効果を更に広めるには…と考えて、行き当たったのが帯にもある
「才あるものに力がなければ何もできない」
という現実。これは、学者肌の道真が、後に天皇の外戚となり権力の中枢に食い込んだ理由になる。依然として父親は魑魅魍魎の宮中に息子を入れたくない。それでも、タイトルの応天門の変の中心人物が揃う宴で、道真は遂に阿衡事件で因縁の対決をする相手と出会ってしまう。道真が最も忌み嫌うタイプでありながら、道真がない「力」を持っている人物と道真は、応天門の変に向かってどんな関係を紡いでゆくのか？

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