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2019/10/03(木)00:20

ナチスドイツ戦犯の祖父と犠牲者となったユダヤ人の祖母を持つ男女が恋に落ちると…映画『ブルーム・オブ・イエスタデイ』

ドイツ映画&ドイツドラマ(47)

みなさん、こんばんは。そういえば以前から放送されていたのにやっぱり9月30日には定期の券売機やみどりの窓口に長い列ができていました。人間の気質って変わらないんでしょうね。 ナチスドイツの犯罪はずっと向き合っていかなければならない前世紀の闇ですね。 ​映画ブルーム・オブ・イエスタデイを見ました。 ブルーム・オブ・イエスタデイ DIE BLUMEN VON GESTERN/THE BLOOM OF YESTERDAY  ナチスドイツの戦犯を祖父に持つ研究者のトトと、祖母がナチスドイツの犠牲者のユダヤ人であるインターンのザジ。きっかけは違えど、共にホロコーストの研究に没頭する二人は、アウシュビッツ会議を企画することになる。反発し合っていた二人の距離は、少しずつ縮まっていく。そして、過去を検証する旅で意外な事実が発覚し……。  かたやSSの末裔の男性、片や犠牲者の末裔の女性。二人が恋に落ちたらまさにロミオとジュリエットばりの悲恋…になるはずなのに、シリアスなテイストではないことは、アウシュヴィッツ会議の主導権を巡って男二人が殴り合いをしている側で、主導している教授がひっそりと亡くなっていくという冒頭からも、明らかだ。悲劇は喜劇のすぐそばにある。  むしろ「ロミジュリばりの悲恋」になるはずと決めつける側に問題があるのかもしれない。例えどんな因縁を背負ったとしても、個人対個人として向き合い、好きなら結ばれればいい。ところが、トトもザジも、見た目通りのわかりやすいキャラクターをしていない。売名行為と名誉心から会議の主導権を握りたがっているかに見えたトトは、どうしてもこの問題に取り組みたい理由があり、何でもあけっぴろげで捉えどころがない(話す度にミドルネームが変わる)ザジも、突発的に自殺を図るような危うさがあった。過去の因縁から来る危うさを抱えた二人が、寄り添う事で救いを見出すことができる。そうであれば大団円のハッピーエンディングだったのに、あからさまなわかりやすさを監督は好まないようだ。かといって、断絶は断絶のままに残しておくのではない。こういう乗り越え方があったか!と思わず膝を打つ。そしてつくづく思う。女はやはり強い。 ​ブルーム・オブ・イエスタディ [ ラース・アイディンガー ]​​楽天ブックス​

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