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2019/10/27(日)00:00

あの頃日本は熱かった~小説「ハイスクール1968」

日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル(71)

みなさん、こんばんは。台風でもないのに、千葉の被害がひどかった模様ですね。 今活躍している年代の青春時代はどんな時代だったか、覗いてみませんか? ハイスクール1968 四方田犬彦 新潮社  日本の若者が最も熱かった1968年に、高校時代を送った氏の自伝。昭和生まれといっても、ビートルズも、三島由紀夫も、毛沢東も、映像資料や書籍で知る事の方が多い世代から見れば、本書の内容は、同世代の出来事というより、歴史の一部みたいな感覚の方が強い。同じ時代を舞台にしていても、村上龍の自伝的小説『69』に登場する明るく楽しい高校生の方が、より身近に感じられる。  距離感が違う理由は、文章から受ける印象だ。まるで日本全体が熱病にかかったかのような時代なのに、それを伝える文章は非常に冷静で、堅い。「随分大人びた高校生だな」と感じるが、人によっては、その「大人びた印象」が、「スカしている/偉そう」というマイナスイメージに繋がりかねない。本書が「当時高校生だった自分の視点」ではなく、「高校生だった自分を含めて、時代を俯瞰している大人の自分の視点」で描かれているからだ。本書が『批評的自伝』と呼ばれる所以だろう。時代のエネルギーをダイレクトに感じたい人は、文章から感じる距離感ゆえに、物足りなさを感じるかもしれない。 ​【中古】 ハイスクール1968 /四方田犬彦(著者) 【中古】afb​​ブックオフオンライン楽天市場店​

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