【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

コメント新着

お気に入りブログ

スター・ウォーズ エ… New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

中山平温泉と石巻(宮… ちーこ♪3510さん

忙しいのでササっと… 天野北斗さん

4月☆ fujiうさぎ=^・^=さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
November 19, 2019
XML
みなさん、こんばんは。今日は、イギリス在住で「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー 」で本屋大賞第2回ノンフィクション本大賞を受賞したブレイディみかこさんの作品を紹介します。

女たちのテロル
ブレイディみかこ
岩波書店

金子文子の事を最初に知ったのは映画「金子文子と朴烈」。関東大震災で朝鮮人を巡る流言飛語が飛び交い、不穏分子として捕らえられた文子は朴烈と共に圧倒的不利な裁判を戦い抜く。

 彼女は無籍者として育ち、実の祖母や叔母には女中替りにこき使われた。13歳の彼女を突き動かしたのは復讐心だった。

「けれど、けれど、世の中にはまだ愛すべきものが無数にある。美しいものが無数にある。私の住む世界も祖母や叔母の家ばかりとは限らない。世界は広い。」
「そう思うと私はもう、「死んではならぬ」とさえ考えるようになった。そうだ、私と同じように苦しめられている人々と一緒に苦しめている人々に復讐をしてやらねばならぬ。そうだ、死んではならない。」

 だが、復讐心を抱き続けながら生きるのは厳しい。やり切るのは、よほど大きな相手でないと。彼女たちが相手にしたのは国であり、社会だった。

 映画「未来を花束にして」では完全な脇役だったエミリー・ディヴィソン。映画では名優メリル・ストリープがサフラジェット(参政権を女性にも与えるよう主張する活動)のリーダー、エメリン・パンクハーストを演じており、皆を平等に鼓舞していた。しかしマッド・エミリーという二つ名までもらったエミリーは、史実ではその行動があまりにも過激すぎるとして、エメリンとその娘から忌避されていた。ポストに爆弾を投げ込んだりした過激なサフラジェットの彼女は、国王の馬の前に身を投げる。この映像はYouTubeで今でも見られるそうだ。恐ろしくて見られないが、少しも迷いがなくすたすたと歩いていたらしい。皮肉な事に、死んで初めて彼女はサフラジェット活動の役に立つ。彼女の葬儀は壮大なイベントとして、世にサフラジェット達の活動を広く知らしめた。

 もう一人はアイルランド独立運動の一つ、イースター蜂起で活躍したスナイパー、マーガレット・スキニダー。三人のうち彼女だけが病死という(三人の中では)穏やかな最期を迎える。一方で、これだけ「死んではならぬ」と繰り返していた金子文子が自殺という結果も納得がいかない。

 本編は百年前に生きた三人の女性達の生涯を交互に綴る。章タイトルはついていない。前の章の最後の言葉が、次の章で繰り返され、三人に共通の要素があったことを窺わせる。テロルという名称は物騒で、確かに過激な行動もここには書かれている。しかし、“以前よりはましになった”が“♯MeToo”や“職場でのハイヒール”など、未だに女性だけが不自由を感じたり理不尽を味わわされている機会は枚挙にいとまがない。


女たちのテロル [ ブレイディ みかこ ]​​楽天ブックス







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  November 19, 2019 12:00:25 AM
コメント(0) | コメントを書く
[日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.