2020/05/18(月)00:00
絵に書いたような団欒~短編集「団欒」
みなさん、こんばんは。若い力士が新型コロナで亡くなりましたね。
さて今日は短編集を紹介します。
乃南アサ短編集
団欒
新潮社
一旦ドアを閉じれば、そこは家庭。温かな雰囲気、馴染んだ家具。
そして愛する家族達が待っている。たまに窓の外を通る人はきっとこう言う。
「まあ、何て絵に書いたような一家団欒でしょう!」
ところが、一見一家団欒に見える家庭には、ほんの少し、異常と言う名のほころびが。そのほころびに蟲が住みつき、団欒絵図を侵食する。中の者が気付いた時にはもう遅く、全体がもろくなり、ぱらぱらと表面が剥がれ落ち、やがて…ぱたり、と音がする。歩みは遅いが確実に忍び寄る恐怖、崩壊を巧みに描いた短編集。
妻の両親と同居し、玉の輿婚と羨ましがられた男。でも家族の「何でもツーカー」の間柄に不審を抱いてゆくようになり…長篇「暗鬼」にも通じる「ママは何でも知っている」他家に帰れば、子供のように語りあえる生活を楽しんでいた夫婦。だが、近所の子供を預かることにより、妻にある変化が現れる「僕のトんちゃん」他「ルール」「出前家族」「団欒」収録。
団欒(新潮文庫)【電子書籍】[ 乃南アサ ]楽天Kobo電子書籍ストア