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2020/07/03(金)00:05

父恋うほどに愛されぬ次男 やりたい放題でも父に溺愛される長男 政治の駒に使われる長女 そして遂にチェーザレ覚醒~ドラマ『ボルジア 欲望の系譜』

ドイツ映画&ドイツドラマ(46)

みなさん、こんばんは。東京の感染者一気に100人越えですよ。アラートものだと思うのですが…。 ボルジア家をテーマに描かれれたもう一つのドラマを紹介します。昨日までのとは全然違いますね。ヨーロッパなので重厚というか。 ボルジア 欲望の系譜 Season1 Borgia:Faith and Fear 監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル 製作総指揮 トム・フォンタナ バリ―・レビンソン 脚本 トム・フォンタナ 同じボルジア家を描いた『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』 はS1E1であっという間に新教皇誕生までいってしまうが 本作は4話かけて教皇誕生になるため教皇不在の期間暴徒が押しかけたり不穏なローマの様子が登場する。あと綺麗な画面の前者に比べ後者はボカシの割合が圧倒的に多い。 主な登場人物 ロドリーゴ・ボルジア ジョン・ドーマン のちの教皇アレクサンデル6世。ニール・ジョーダン版よりおっさん度が増しておりヌード率も高い。チェーザレらの母ヴァノッツァは別の男性と結婚しているため若い愛人ジュリアとやりたい放題。期待の長男を亡くし次男ホアンと三男チェーザレを競わせる。ダメダメな長男を偏愛しすぎるとヴァノッツァにも言われるが、本人は国王よりも教皇の方が地位が上だと思っておりむしろチェーザレを認めている。教会の改革にも熱心で長年イタリアに住んでいるのにまだカタロニア人(余所者)呼ばわりされることに心を痛めている。ホアンの死に憔悴し「彼は私の右目だった」と嘆く。 チェーザレ・ボルジア マーク・ライダー ロドリーゴの次男。「自分は何者なんだろう」と悩むチェーザレ像は初めてで新鮮。学友のジュリア―ノは枢機卿になり兄はミッションを成功させていくのに自分はまだ何も成し遂げてないとふがいなさに背中に鞭を振るうMっ気と絶望して教会に放火して自殺を図るなどSっ気が混じっている複雑なキャラクター。父が望んでいる聖職者よりも軍人・国王になりたいと願っており実はそちらの方が向いていると評価する第三者もいる。何かとホアンと張り合うが父親の評価は常にホアンの方が高い事に傷つく。人質に追いやられ過酷な経験をしたことで何か吹っ切れる。更にホアンの衝撃の告白を知り、父の与える緋色の衣ではなく真っ黒な衣装で父の前で殺人を犯す。Season2では髭を生やし肖像画で描かれている姿に近づく。 ホアン・ボルジア スタンリー・ウェーバー 戦略も政策もダメダメの長男だがなぜか父親に溺愛される。父親に似てヌード率高し。いい女と見ると放っておかず人妻と言えど遠慮せず。教皇軍司令官に任命されるが人望も能力もなく優秀な弟に嫉妬心を抱く。妻にDVを振るうなど序の口で最大の犯罪を抱えていたことがわかる。S1最終話は彼を殺した容疑者探しがメインになる。 ルクレツィア・ボルジア イゾルデ・デシャウク ホアンとチェーザレは知っていたが、ルクレツィアは伯父と呼んでいるロドリーゴが実父と後で知る。自己評価が非常に低く「醜い私は結婚できるの?」と思い悩むが、第三者からみればあどけなく美しい女性であり、更に教皇の娘なので何もしなくてもモテモテ。しかし最初の夫ジョヴァンニは性的不能、次の恋人アルフォンゾ・デステは戦場で性病にかかるなど男運は悪い。修道院に救いを求めるが自分本位を指摘されて去る。最期の恋人はチェーザレに刺殺される。ロドリーゴの若い愛人ジュリアを嫌っていたが彼女の思惑を知らず友人関係になる。最初は宝石につられて叔父(実は父)の言う事を何でもきく子供だったが経験を経て強くなっていく。最初はホアンを慕っていたが次第に彼の恐ろしさに気づくとチェーザレと親しくなる。S1最終話では「噂になってるんだから本当にしよう」とチェーザレから誘われるという衝撃のシーンが。本シーズンでは描かれないが後のシーズンではチェーザレの遺品が彼女に託される事から愛情があったと思われる。 ジュリア・ファルネーゼ マスタ・ガスティーニ れっきとした夫もいて健康体だが義母も承知の確信犯でロドリーゴの愛人となる。何とロドリーゴの子供を妊娠までする。生まれたのは娘ラウラ。ニール・ジョーダン版よりかなりふてぶてしく、ルクレツィアに言うことを聞かせるよう度々ロドリーゴに頼んだり、兄アレッサンドロの枢機卿就任をおねだり。表向きはルクレツィアの友人であるふりをして、こっそり侍女にスパイさせるなど強か。自分の欲望を叶えるためには何でもする。S1最終話では敬虔な暮らしに入ることを宣言した教皇によってローマを去るよう言われる。 アレッサンドロ・ファルネーゼ Diarmuid Noyes ジュリアの兄。ジュリアの引きで出世街道をかけのぼる。妹よりも純真。のちの教皇パウルス3世。チェーザレとは、共にピサの神学校で学んでいる友人同士。悩み多きチェーザレの良き理解者だったが彼の息子を密かに母親に渡していたことを知られ決別宣言される。 アドリアーナ・デ・ミラ アンドレア・サヴァッキ ジュリアの義母でありながらロドリゴとの仲を黙認。顔が怖い。ルクレツィアの監視役として厳しくしつけるがヴァノッツァとジュリアの恨みを買い、ジュリアを傷つけた息子を逃がした事がばれて追放処分に。 ヴァノッツァ・カッタネイ アセンプタ・セルナ チェーザレたちの母。癌が発覚してロドリーゴと別れた設定。別に夫を持っているからかニール・ジョーダン版のようにロドリーゴに嫉妬しない。E2で病気になり体中にとんでもないものを塗りたくられる。実話なのか?ルクレツィアに辛く当たるアドリアーナと敵対し追い出すためにジュリアと手を組む。しかし彼女が自分と娘以外を教皇から遠ざけようとしていると知り再び敵対する。 ジェーム Nicolás Belmonte トルコの王子。兄バヤゼットとの後継争いに敗北し、ヨーロッパに逃れる。教皇に聖槍を献上し、ボルジア家に庇護される。『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』ではあっさり殺されるが本編ではホアンの相談相手になったり長らく厚遇されていた。しかし第9話でフランス軍に引き渡され途中で病没。10話で退場。急に具合が悪くなったことから毒殺の噂も。 ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ 枢機卿。ロドリーゴと常に対立している宿敵。コンクラーベ(教皇選)でロドリーゴと争う。 『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』のように各諸侯やフランス王を訪ねる描写はなくフランス軍ローマ入場までは彼の動向は会話でのみ語られる。太い眉が特徴。 アスカーニオ・スフォルツァ 枢機卿。ミラノの有力者ルドヴィコ・スフォルツァの弟。コンクラーベ(教皇選)でロドリーゴと争う。甥のジュリア―ノをルクレツィアと結婚させることを教皇選挙で票を渡す取引条件にする。 ジョヴァンニ・デ・メディチ 枢機卿。フィレンツェの有力者ロレンツォ・デ・メディチの息子。コンクラーベ(教皇選)では中立を保つ。チェーザレの学友。体形はまるちゃんで人が良い。のちの教皇レオ10世。 フランチェスコ・ガセット アート・マリク 教皇の側近。チェーザレからはCockroach=ゴキブリ呼ばわりされているが、教皇や一家の事を考えて踏み込んだ進言もする。ホアンの駄目さ加減もチェーザレの優秀さも知っている。 フランス王シャルル8世 ローマ入場でやっと登場。『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』より若い年齢設定。右手をたえずぶらぶらさせている。中風?信仰心のあつい王妃アンヌにベタ惚れで彼女のために教皇を認める。 インノケンティウス8世 ウド・キアー  物語開始当初の教皇。対立する枢機卿ローヴェレとボルジアのどちらを重用していたという事はなく程よくバランスを保っていた。庶子の息子がいる。彼の死をもって熾烈な教皇選が始まる。息絶え絶えの彼の目の前でボルジア枢機卿とローヴェレ枢機卿が城の鍵を巡って争ったり、「彼を死なせてはならん!」というので女性の乳を飲まされたり少年の血を飲まされたり体に悪いことをされて悪化したのでは? 第1話 1492年 1492 枢機卿ロドリーゴ・ボルジアは、後継者の長男が殺されたという知らせを受ける。一族の将来を案じた彼は、元愛人ヴァノッツァとの間の息子ホアンとチェーザレに、宿敵オルシーニ家とコロンナ家を懐柔するよう指示するが。 「 1492年3月。イタリア半島はフランスとトルコの侵略によって脅かされていた。イタリア自体は10の国家に分裂。教皇イノセント8世が中央の教皇領を治めていた。首都ローマも3つの勢力にわかれていた。オルシーニ家コロンナ家とボルジア家。March, 1492. The peninsula of Italy is threatened by invasion from France, and the Muslim Turks. Italy itself is divided into 10 waring kingdoms. At the center are the Papal States, ruled by Pope Innocent the VIII. Rome, its capital, is also divided into waring fractions: the Orsini, the Colonna, and the Borgia.」 期待の長男が亡くなり、長女ルクレツィアは初潮を迎え、三男チェーザレはふがいない自分を鞭打ち、次男ホアンは密通がバレ殴られる。子供達全てが血を流す初回。ルネサンス版エデンの東のようなボルジア兄弟。そんなに頼られても世俗のことは私何もできんわ、と言いたげなキリスト像。 ナポリを待ちながらのロドリーゴ・ボルジア「40年前ニコラス教皇は新たな大聖堂の建設を望んだが果たさず死んだ。もし私が教皇だったら...Forty years ago Pope Nicolas, despairing at the disrepair of Saint Peters, had hoped to build a spectacular basilica. He died before he had the chance. I were Pope...」 フランチェスコ 「スペイン人は教皇になれないNo Spaniard will ever again be Pope.」 「時々、フランチェスコ、君が正直すぎると思う時がある。Sometimes, Francesc, I wish you were not always so honest.」 この後、裸の枢機卿達が画面を横切るんですよ。何じゃ?って感じでした。ボカシの連続です(笑)。 チェーザレをバレンシアの司教に推薦するロドリーゴにジュリア―ノ・デ・メディチが援護射撃。「年齢と性格は関係ないです A man's age should not define his character.」いい奴だ。 ロドリーゴ・ボルジアがやんちゃした息子達を叱責する 「何故私は残れたのか 副官房として ローマ人の野蛮さを真似たりしなかったからだ 二人はトモが必要な時に敵を作った 男を殴る前にその一族の背景を探れ コロンナが復讐する 我々の行動が招いた結果だ コロンナをなだめるには彼等を昇格させるしかない 教皇を説得することになる 追放と撲滅を恐れ我々は失敗を犯した」 司教に任命されるチェーザレ。一方ホアンはガンディア公に。 でもチェーザレはご不満のご様子 「私は18才 人生半ばだが何もしてない」 「これからできる」 「私は改革者じゃない」 「まず自分自身を変えるの 夜を昼に変えるの」 「イタリアを黄金時代に ローマを世界に君臨させる 市民の生活改善 我が名カエサルのように 母上の心はかなり偏ってる 父は副官房ロドリーゴ・ボルジア 私達4人はボルジア枢機卿の子」 「真実かどうか関係ない ピサに戻って」 好きな子がいることを打ち明けたチェーザレに母ヴァノッツァ・カッタネイ 「Each of us over the course of our lives must learn to control our passions, whether it be love, jealousy or power. Ironically, that is where we gain our strengths.それぞれに情熱を抑えることを学ぶの。愛、嫉妬、権力に関係なく 情熱を抑えることで人は強くなる。」 「10年の時が過ぎロドリーゴは去った そして私は癌になった でも10年後の今美しい別荘と広い土地を持った ブドウ園と農園も 幸福の代用品も 世界を支配するわ 問題は幸せに思うか」 ロドリーゴがルクレツィアに賄賂で言う事を聞かせたと知って怒るジュリア。 「じき争乱が起こる 教皇の死は近い ミサにも武器を携えておけSome day you'll face more than a bar brawl. The Pope, riddled with fever, inches toward death. Keep your weapons ready, even at mass.」 第2話 5つの死 Ondata di calore  ローマに蔓延している熱病に冒された法王(教皇)。枢機卿たちは最悪の事態に備え、法王選挙(コンクラーヴェ)の準備を始める。それは同時に、他家との熾烈な権力闘争の再開を意味するのだった。そんな中チェーザレは、懐柔するはずだった宿敵コロンナ家と争いを起こしてしまう。 「1492年7月。ローマと教皇庁を治めるのはインノケンティウス8世。教皇の相談役は枢機卿団。彼等はローマを支配する一族の息子たち。皆憎み合う。July, 1492. Rome and the Papal States are ruled by one authority.He is advised by the College of Cardinals, comprised of a vicious man, sons, of thrones, ruling families. They all hate each other.」 取っ組み合いが始まる。 「一番の実力者はロドリゴ・ボルジア 伝説を作ろうとする男 伝説には妨害がつきまとう 彼を支えるのは愛人ジュリア そして家族 ホアン チェーザレ ルクレツィア 彼の信頼は正解か ロドリーゴが後世に刻もうと決意した名は ボルジア」 そしてOPに。  怪しげな女性の元にいくチェーザレ 「私はすぐ死ぬのか?予感がする」そこでタイトルの5つの死を告げられる。ジョヴァンニ・デ・メディチの新枢機卿就任祝いが行われていた。 インノケンティウス教皇「神はあらゆる悪から必ず汝らを救って下さる 汝らの魂を護って下さるThe Lord shall preserve thee from all evil. He shall preserve their soul.」 伝言する男「神は守ってくれるGod will protect us!」 「神よ あなたの前に立つ多くの教皇が永遠の平穏の中で安らぐ場所に そして我々自身の運命について知るWe stand before you, Lord, here where so many Pontiffs rest in eternal peace, aware more than ever of our own mortality.」 「我々は皆死ぬWe are all going to die! We are all going to die!」 そこへ王子登場。ロンギヌスの槍を教皇に捧げる。 ロレンツォ・デ・メディチの訃報が届きロドリゴやチェーザレはジョヴァンニを慰める。 浮かぬ顔をしているチェーザレにアレッサンドロが気づく。 チェーザレ「どこにいても2つの要素が葛藤している。獣と天使。大抵獣が勝つ。Where ever I am, two elements are always struggling within me. Beast versus Archangel. More often than not, the beast wins.」 アレッサンドロ・ファルネーゼ「 獣には魂がないだろA beast has no soul. You do.」 「僕の魂は空だ 懺悔をMy soul is empty.Alessandro, I have a confession to make.」 「 僕にか?僕は司教じゃないぞTo me? Have you forgotten, unlike you I am not yet a priest.」 「飲んだくれは秘密を守るNo but you're a drunkard and therefore keep my confidence.」 「忘れるからか 話せよMore likely I will simply forget, so speak freely.」 「僕は嫉妬の熱で破滅する。兄、友のジョヴァンニ、二人の人生は動いてるが私は違うI'm consumed by the fever of envy. My brother, our friend the Medici, their lives are in motion. Mine is a stagnant.」 「君も司教に」 「不満だ ホアンが羨ましい」 「地位か?愛情か?」 「Both両方だ。他にも。他の何か」 「デシオ教授は言った。衝動に駆られると嫉妬は罪になる。What does Professor Decio teach? Unlike lust but much like gluttony, envy becomes a sin only if you act upon the impulse.」 チェーザレ「ホアンは成功する。嫉妬は当然だ。But how can I not be envious? Juan will achieve greatness in this life?」 「君は違う道で成功しろ。別な天分を持ってるだろSo will you. By a different route. Cesare, contemplate the other side of your instincts.病人や弱い者を癒す。感情を抑えられれば穏やかで崇高な存在に 望みに関係なくやっぱり君は司教だよ 魂が空なら満たせばいい 罪を犯した相手に償え」 ジェム王子暗殺計画をかぎつけたホアンは、チェーザレから動きがあれば知らせるよう言われていたにも関わらず、チェーザレが生母の看病に行ったのを幸い自分一人の手柄にする。 兄を置いて逃げたことを未だ気に病むロドリゴ。 チェーザレ モノローグ 「 5番目の最期の死 違う 死は続く 略奪が行われる 満足できずに暴徒となり枢機卿の館も襲うだろう すぐに来る」「初めから本当だった 命の価値は金の価値よりはるかに低いAs has been true since the beginning, the value of a human life is worth far less than its weight in gold.」  亡くなっていよいよボルジアが離れるとき、意味ありげにローヴェレと視線を交わす。 フランチェスコがやって来る「出発をWe must depart.」 熱病が流行しロレンツォ・デ・メディチも教皇も亡くなる。「これから5つの死がある」と言われたチェーザレは弟が亡くなったため魔女と噂の女性を殺しあとで聖痕よろしく掌に釘をうちつける。前回の鞭打ちよりエスカレートする自傷傾向でSなのかMなのかわからん性格。 『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』S1E3で暗殺されるジェム王子からロンギヌスの槍を貰ったのに疫病に斃れていろんなものを飲まされる教皇。枢機卿達がさささーっと部屋から去ったり教皇が寝てる部屋でロドリゴとローヴェレが殴り合いしたり騒がしい臨終のとき。 それにしてもこの時代豚のフンを体中に塗ったり、教皇に母乳や少年の血を飲ませたり、トンデモ治療がかえって病原菌媒介してそうで怖い。 「友人のジョヴァンニ・メディチ(後のミケランジェロの天敵教皇レオ10世)は枢機卿になってるのに俺はまだ何者にもなってない!」と悩みまくる自信のないチェーザレ像は珍しい。序盤はさながらピサ大学青春グラフィティで「エデンの東」みたいだった。 第3話 神との契約 A Sacred Vow 世界の調停役として権力を放つバチカンに、法王(教皇)交代の時が近づいていた。法王選挙(コンクラーヴェ)のため、ロドリーゴは身辺整理を始める。病床のルクレツィアは修道院へ、愛人ジュリアは夫の元へと送られた。チェーザレはピサの神学校へと戻るが、愛人の妊娠が気がかりで…。 「1492年8月 ホアンは英雄 しかし不道徳 ルクレツィアは婚約 困惑する チェーザレはバレンシア大司教に 恋をする ロドリーゴは尊敬を集め憎まれる インノケンティウス8世が死去」 一夜明けて外は暴徒達の死体。眺めるアレッサンドロとチェーザレ。 「賢く動けば神が授けてくれる」情勢を見極めて今度は教皇になれるかもしれないと望みを抱くロドリゴ。ピサでは ジェム王子はシスティナ礼拝堂にかくまわれて枢機卿達の話を漏れ聞くことに。ロドリーゴが見送りに来ないことにいら立つチェーザレ。 デッラ・ローヴェレ枢機卿「ゲラルディは100才近いぞGherardo is nearly a 100.」 ボルジア枢機卿「食欲は50才だWho eats as if two men of 50.」 「呼吸に不安があるAnd is afraid of his own wind.」 「 君は何が不安だ?Of what wind are you afraid, Giuliano?」 「別に ポルタを修道院から連れてきたら同意する」 妊娠している愛人フィアメットの所から戻ってきたチェーザレ「私が生まれた時ロドリーゴは神と契約した 私を聖職に捧げる 私は罪も欲望もなく汚れない生活を送る それと引き換えに彼は教皇になる 契約を破った 彼が知りなくても神は知り 復讐する 父だけでなく家族にも」  太陽が三つ出るという現象が起こり民衆は何かのお告げだと思い込む。 ボルジア枢機卿 枢機卿たちに向って「時代は変わる 我々教会の護り人は邪心を棄てねばならない」「外のオオカミが恐ろしい復讐として我々をむさぼり食うだろうWolves from outside will one day soon devour our flock and us with a terrible vengeance.」 枢機卿たち「彼は精霊を見たRodrigo has found the Holy Spirit.」 ジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿「精霊が彼を見たOr maybe the Spirit has found *him*.」 ピッコロミニ枢機卿「いずれにせよ精霊は我々の間にいた In either case, it has been a while since the Spirit was last among us.」 デッラ・ローヴェレ枢機卿「演説の作者を探せFind out who wrote the speech...」 ピサの授業にてチェーザレ「罪悪感は何のためにある?Guilt was created for what reason? For man to enslave himself?」 アレッサンドロ・ファルネーゼ「支配層は罪悪感がないと無秩序になると恐れる 命令がきかない 罪悪感は我々に意思や魂の放棄を強いるNo. Without the sensation of guilt, the hierarchy are afraid the individual would run free and there would be no order. Without order, there is no power. Guilt forces each of us to surrender our will, our souls to those who should not possess them.」 チェーザレ 「ボルジアなどの権力者は支配者に値しないのか?So are you saying that the men who are in power do not deserve to rule? His Eminence, Cardinal Borgia?」 「違うNo.」 「王や枢機卿は正しいか?罪悪感のない世界とは?Then do you believe the kings and the cardinals are correct? That without guilt there would be hell on earth?」 「天国になる 望むように生き愛する人を愛する 君が人生において罪悪感を抱くとしたら誰と関係が変わる?神かロドリーゴかWithout guilt, there would be *heaven* on earth. Man could be who he wants to be, love who he loves. Cesare, if you could excise guilt from your life, here and now, with whom would your relationship be changed? God? Or Rodrigo Borgia?」 応えられないチェーザレ。 依然熱が下がらないルクレツィアのもとにヴァノッツァがやって来る。ルクレツィアの病状を聞いて気が気でないロドリゴ。サンタンジェロに拒否されるロドリーゴ。 コスタ枢機卿に接近するロドリーゴ。 ホアン・デ・コスタ「ローマには壁がありその周囲にも壁がある 壁は金をつかみ取る手だThere is a wall around Rome. And there is another wall around the wall, made of hands. Hands grabbing for coins.」 ロドリゴ枢機卿「貧者の手は空っぽだが掌は小さいThe poor have empty hands, my dear Costa, but their palms are small. but their palms are small.」 「だが短刀や棒なら掴める 教会の改革をしないと我々は殺されるNot so small that they cannot pick up knives and clubs, which will happen if we do not reform the church. We shall be murdered in our beds.」 「同感だ 私が教皇に選ばれたら新しい教会を形作るI agree. That is why, if chosen, I will, like a potter at his wheel, mold a new church.」 「 君は大きな手でいつも手の届かぬ物も選ぶ 君は教皇には選ばれないYes. With your big hands. Always reaching beyond your grasp. You have no chance of being elected.」 「ボルジアは運任せにしない I am a Borgia. I leave nothing to chance.」 「熱すぎる」 「一日中ここに缶詰だ」 「教会の堕落は皆が認めるところだが教皇制このものが堕落している」 デッラ・ローヴェレ枢機卿「風を縛る以上に教皇を縛ることはできないYou cannot bind the Supreme Pontiff of the universal church any more than you can the wind.」 「まずは枢機卿の数を制限することだ 地位を金で買う者が多すぎる」 ボルジア「全員が変わるべきだと思ってる 後は法律の問題だ」 コスタ「私は正式に司教になった コロンナとは違う」 ロドリーゴ枢機卿「神の助けに指針を書く」 第一回の投票で決まらなかった。 ボルジア枢機卿 「イタリア人は酷い」 ホアン・デ・コスタ「もう私は選ばれたいとは思わん 皆に広めてくれ 」 「我々は同じゴールを目指す協力者だMy dear Costa, why do you not see that I'm your ally? I believe in the same goals as you.」 「私の提案に棄権したIn voting for my rules, you abstained.」 「中立でいるIn order to remain neutral.」 ホアン・デ・コスタ「君は官僚の極みだYes, you are the ultimate bureaucrat.」 「30年以上も教皇庁にいるとは」 ボルジア枢機卿 「私が選ばれたら教会を変える」 男子出産の報せを聞いて飛んでいくチェーザレ。 「名前を付けた チェーザレよ あなたが近くにいるみたい」 ルクレツィアを聖女ペトロネラに触れさせる治療が行われる。 手紙によって過去の行状が明らかになるロドリーゴ枢機卿だが言いがかりだとつっぱねる。 午後の選挙も不成立。 ドン・ガスパロがルクレツィアの所に忍んでくる。 ローヴェレが優勢と聞いて悩み出すチェーザレ。 「究極の犠牲だ すぐ行動に移す 私ではなくあなたの意思で」 フランス王から金を貰った枢機卿のリストをリークするロドリゴ枢機卿。 殴り合いが始まってジュリア―ノが大声を出す。 スフォルツァ枢機卿 「言葉だけでなく行動で真実を語るMore than our words, our actions should speak the truth.」 ロドリゴ枢機卿「同点のローヴェレを最下位に落とすのが私の復讐だ」 子供をフィオメッタのもとから連れ出すチェーザレ。何と崖の上に置く。 チェーザレ「殺されたいか!契約に背くわけにはいかないThere is a man and there is his word, and the two must be the same!」 父ロドリゴが教皇になる誓いを立てた時に「息子を一生清らかなままにする」と約束したからといってアブラハムの如く生まれたばかりの子供を崖に置きにいくチェーザレ。聖職者になるのを嫌がっていたわりには神に対する恐れが今のところボルジア家中一番強い。 第4話 新教皇誕生 Wisdom of the Holy Spirit 法王選挙(コンクラーヴェ)は長期化の様相を呈し、枢機卿たちに疲労の色が見え始めていた。次期法王(教皇)になるための投票で、未だ劣勢のロドリーゴも焦りを募らせていた。そこで彼は票を集めるために、ある策略を巡らすのだった。一方、修道院にいるルクレツィアの病状はさらに悪化し…。 赤ちゃんがいないことに気づいたフィオメッタは「怖い夢を見たの 赤ちゃんは?」と言い果ては殴ってチェーザレを問い詰める 「神の元にいる」 ルクレツィアはうわごとを言ってばかり「剣を携え大天使ミカエルが来た」 投票ごとに燃やされる投票用紙。まだ教皇は決まらない。 ボルジア枢機卿「 君を教皇特使に Iwill grant you my title as Legate.」 ホアン・デ・コスタ「金に加えて領地か 思い切ったなYou will offer land in addition to coin? That is a bold step.」 「領地は十分ある I have more acreage than Sforza.」 「だがなぜペルージャまで手放す But Perugia? Why choose to give away such a title, such income?」 「教皇は“神のしもべのしもべ” 勝るものはないThe Pope is the servant of the servants of God. Title enough for any man.」 「確信に満ちた言葉だI think you're starting to believe your own words, my friend.」 「ロドリゴ 聴いたか?民衆はいらついてる 我々の食事は一日一食になる」 ロドリゴ「忘れられない食事にする」 鏡に光を反射させて合図を送るロドリーゴ。 「だれがこの用意を?」 「ボルジアだ 3日続いた時の用意を」 食事に紙をしのばせるロドリーゴ。 枢機卿を個々に訪問するロドリーゴ ジョヴァンニ・コロンナ「信頼を求めるのかTrust placed in trust?」 「不変の信頼」 「私はチェーザレを護るのか」 「チェーザレは守るに足りない」 「甥に怪我をさせた 罰を与えたい」 スフォルツァ枢機卿「例えば甥のオルシーノ 妻ジュリアは」 ロドリゴ「目を奪われる花だ」 「その花を摘むな」 「寝る前に楽しい冗談を聞かせてもらった」 「司教区はいらん チキンはゲラルディに 偽善は口に合わないKeep your greasy diocese. Give the chicken to Gherardo. I like mine without the taste of hypocrisy.」 屋根にのぼるルクレツィアをヴァノッツァは止めようとする。 「皇帝ネロから守るの」 「感謝の祈りを」 「誰なの?私の母はがラリアで死んだ 私の父は奇跡を起こす」 イライラするジェム王子。 「絶望したと思うが改革への情熱故だ 君は私への中傷をささやき有力者たちから援助を請う」 「私は自分に入れてない 教皇の座は思うがまま」 「カラファでもスフォルツァでも戦争になる」 「もし精霊が適任だと認めれば私は教皇を受ける」 ピサの大学にて アレッサンドロ「罪の意識を感じないならばもう人ではない それは亀だ 自らの罪を受け入れ行いに責任を持つ その時我々は神に近づくIf a person ceased to feel guilt, he would no longer be a person. When we accept our sins, responsibility for our actions, that is when we approach the Divine.」 チェーザレ「 彼の意見に疑問があります Are your words worth the air they fill?」 チェーザレ 「正当な理由があればいいと?良い行いなら罪にならない?どんな時に罪を感じる?Is it possible to commit a sin for the right reason? And does that then make the action good, a sin no longer? In those circumstances, at what point would one feel guilt?」 フランチェスコ「忌まわしく残酷な罪の場合だI will tell you, when the sin is abhorrent, unnatural.」 「残酷か 父親が息子を殺す?Unnatural? Say for a father to kill his son?」 「Yes.」 「神が遣わしたイエスは処刑された 神は残酷だAs God the Father did, sending Jesus to us, knowing He'd be crucified. God is unnatural.」 「紙への冒涜だYou blaspheme!」 騒ぐ学生たち。 フィリッポ「今夜聖職への第一歩だ 司祭が頭頂部の髪を切る 神への服従の象徴だ 自らの価値を考え一日を過ごすことTonight, you are to take the first step on your path to the priesthood. Tonsure. His Excellency, the Bishop, will cut the hair on the top of your head, symbolizing your obedience to God. Spend the rest of the day reflecting on your worthiness.」 アレッサンドロ「君に価値は?Are you worthy, Cesare?」 チェーザレ「君たちは? Are any of us?」 ジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿「昨夜私はご馳走を逃したと聞いた」 ロドリゴ「チキンは嫌いだと聞いたので」 「あなたは死んだ父の言ってた邪悪な枢機卿だった 聖職売買は罪だ」 「何を聞いた」 「耳をふさいでも口の動きは見えるI am trying not to listen to you, but I can still see your mouth move.大理石をはう虫のような唇 あなたの言葉は信じない」 「若いな コンクラーベを終わらせるべきだ」 「どれだけ子供を産んだ 余所者め」 ロドリゴ「君は若いのではない 子供だ。I was wrong. You are not young. You are a child.」 ボルジア枢機卿が10票獲得する。 ナポリが攻めてくる。 「なぜスフォルツァだ?ミラノは君の敵だ」 「君は隠れユダヤだと聞いた 偽りの改宗をした」 「スフォルツァが流した噂だ」 悪魔祓いに懐疑的なヴァノッツァ。 「あなたに一つお願いがあるの 悪魔祓い師が来る前に私は発ちたい」 「聖職禄をほぼ捨てた 巻ければスペインに逃げ帰ることになる」「どうやって?賄賂か?」「殺すことになる 精神的な死だ 彼と二人だけで話がしたい 手伝ってくれ」 サヴェッリが一計を案じて皆を集めている隙にロドリゴはスフォルツァ枢機卿と会う。 ローヴェレ「これは素人芝居だ」 スフォルツァ枢機卿「サヴェッリが幻視をSavelli is witnessing the Holy Ghost.」 ロドリゴ「天井の影だろう 精霊ではないShadows on a ceiling, or a ghost. But not holy.」 スフォルツァ枢機卿「君は金の扱いがうまい ユダヤ人並みYou are good at moving money. Like a Spanish Jew.」 ロドリゴ「ミラノ並みとHmm. Or a Milanese banker.」 サヴェッリ「彼が君を裏切った人間だと精霊は告げている」殴るデッラ・ローヴェレ枢機卿。 「君は私に交渉術と裏切りの歓びを与えてくれた」 「現実を知れ 君は教皇になれない だが教皇を作ることはできる」 スフォルツァ枢機卿「4人の頑固者に取り入ったなYou shuffled four mules loaded with coin out of the Vatican treasury.」 ロドリゴ「前もってAs a precaution.」 「バチカンの宝でLet us rob the bank to save it?」 「 盗んでない 私にはここを満たせるほどの宝があるI do not need to steal. I have enough gold, silver and rare gems to fill the Sistine to its rafters.」 「どの部屋か見たいねShall we see who can fill which room with what?」 「私にはミラノの方言は難しい 友好的に話してるがPerhaps I have not mastered the Milanese dialect as well as I thought. I speak not out of pride, but in friendship As Vice Chancellor, you can become rich. Richer than you are, ri 副官房として優雅に暮らせる 想像以上の豊かな暮らしだcher than you know.」 「だが君が教皇だと問題がある 私の方言がわかるな?Yes, but there is a problem with that. You would be Pope. Do you understand my dialect now?」 ヴァノッツァとルクレツィアは悪魔祓い師の来る前に逃げ出す。 フランチェスコ「彼は非道だHe has done the unspeakable.」 アレッサンドロ・ファルネーゼ「彼は友人だ 我々も誤った行いには責任があるHe is our friend. And we've both, in our short lives, committed our share of misguided acts.」 「チェーザレは善い行いだと信じてるBut we did so knowing they were wrong. He believes he has done good.」 アレッサンドロ「いつまで座ってる」 チェーザレ「報せを待つ 罪は美徳を生んだか 我が子の死は無駄か」 「衝動的に行動して自分を責め続けるのか 神もフィアメッタも君を許す 愛を持って罪を悔い報いを」 「夜が明ける 悔いて許しを求め山へ 死んでたら手厚く葬る」 「一人では辛いぞ」 「イスラム教徒がローマを支配?」 スフォルツァ枢機卿を脅すロドリゴ 「老犬は外に何を知ってる?」 「甥のジャン・ガレアッツォのデマだ」 「説得力ある嘘は真実より悪い 庶民は貴族の悪評を好む 罪は彼等に平等感を与える Common men always choose to believe the worst about the noble class. Our transgressions give the poor a sense of cosmic equality.私もユダヤ人と言われたら地位を失う この文書でスフォルツァは滅びる あっという間にだ サヴェッリの幻視が終わる 私を動かす精霊は去っていく」 「副官房になる 君の宮殿を ルクレツィアを私の従兄のジョヴァンニの妻に」 スフォルツァ枢機卿の望みを全て叶えるロドリゴ。 投票の結果1票足りない。誰かが白紙で出している。 ロドリゴ 「なぜ白紙で出したYou were expected to vote for me.」 マフェオ「君がトイレでスフォルツァと協定を結ぶのを聞いたYou and Sforza, your pact, excreted in the toilet. A vote for you puts my soul in danger.」 「選挙が長引けば死ぬぞ 臨終の儀式なしで地獄に行くんだ」 「ロドリーゴ 嫌だ 私は腹ペコなんだ」 食べ物を差し出すロドリゴ。 見ていたスフォルツァ枢機卿「教皇の座は二つのマジパンで手に入れられる」 そしてボルジア枢機卿が14票獲得し教皇に。 「神の御意思だ」 「我々は全員狼に飲み込まれる」 「私は教皇だ キリストの代理者」我に返って 「謝罪する これこそ渇望していた 私は精霊の英知を信じます」 「ローヴェレ 君は首席枢機卿だ 務めを」 二度断って三度目に受諾するロドリゴ。アレクサンデルを選ぶロドリゴ。 「アレキサンダー大王と並ぶつもりか」 白い煙が上がる。 「寝取られ息子の母親に口出しさせない」ヴァノッツァはアドリアーナに汚水を浴びせる。 スフォルツァ枢機卿「ボルジアは教皇 支配者は私」 いまいましげに見た後足と指輪に口づけするデッラ・ローヴェレ枢機卿。 外界との壁が取り払われる。我先に飛び出す枢機卿たち。 山に駆け付けるチェーザレ。 「あの子がいない 遺体がない 天使が息子を救ってくれた あなたこそ神だ しもべに良いことを約束された」 「ボルジアが勝った」 鐘がなる。眠っていたルクレツィアが目覚める。 「すごい光景を見た 分かったの 人生の目的 神は私に奉仕を望まれた 尼僧になる」 「二度と言わないで 叔父上には決して 教皇に」 驚く表情のルクレツィア。 ヨハン「明日部屋の改装の打ち合わせをTomorrow I will schedule a meeting to discuss redecorating these chambers.」 アレクサンデル「私は新たに建設するNo. I will build new apartments.」 ヨハン「" 我々" は建設する“We” will build new apartments.」 「我々?You and I?」 「あなたは" 我々" ですNo. You are "We" now.」 「そうか 私は" 我々"  私は人類の代表だYes. I am "We." I speak for the souls of mankind.」 崖に行って赤ちゃんがいないことを知ったチェーザレは恋人の元へ。しかし恋人は他の男を既に招き入れていた。 チェーザレ「フィオメッタ!フィオメッタ!赤ん坊は生きてる!Fiametta! Fiametta, our child! He is alive. I give you my word, I will...」絶句するチェーザレ。 『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』 S1E1で描かれた如く料理に「賄賂を贈るから私に入れて」文書を忍ばせるロドリゴ。『ボルジア家 』 より尺を取ってコンクラーベが描かれており一日一食の兵糧攻めで枢機卿達がへたる場面も挿入。コンクラーベは根競べであった。 第5話 婚姻の絆 The Bonds of Matrimony 非道な策略により見事法王選挙(コンクラーヴェ)で法王(教皇)に選出されたロドリーゴは、カトリック教会の再建と改革を掲げ強硬手段に出る。ホアンが出世し、ルクレツィアに結婚話が持ち上がる中、父ロドリーゴに最も尽くしていることを自負するチェーザレは、焦りを募らせていた。 戴冠式が行われる。 「ローマと世界を統治する汝をローマ教皇職に任命する」冠を被せられるアレクサンデル スポレートに足止めされるチェーザレとアレッサンドロ。 「私をローマへ?」 「我々は無期限でここに滞在します」落胆するチェーザレ。 「ロドリーゴのために全て手放した 傍らにいて当然だ なのに世間から隠れ山間の谷に住めだと?」 「ローマからわずか140キロだ」 「兄がローマに呼ばれても私はピサにも行けない」 息子を辛抱強く探そうとするチェーザレ。 「いいか 生きているはずがない 真実を受け入れて息子を神の手に委ねろ」 「息子は見つかり私の腕の中で再び動くだろう」 大聖堂を取り壊しローマカトリック教会の改革に燃える新教皇。 すっかり回復したルクレツィアはヴァノッツァの家にいた 「あなたが見た幻覚は話さないで あなたの胸に秘めて 尼僧なれというお告げが確かなのか様子を見ましょう 教皇を落胆させなうように」 「お祈りしてくる 人々のために」 「教会の改革を進めるべきだ 変わった証を見せろ」 しかしジュリアが忍んでくる。 「ローマをフィレンツェに並ぶ学問と芸術の都に」 ジュリアの誘惑についに屈する教皇 「我々は法秩序を強化する そして週に一度我々が直接人々から苦情を聞く」 「“我々”?そうよ一人では成し遂げられない あなたはただの男 そばに信頼できる者を置いて 私の兄が枢機卿だったら忠実に仕える」 「神よ ああ神よ」 アレッサンドロ「チェーザレ ローマに呼ばれた」 「私が呼ばれてないのに?おめでとう 心から祝福するよ」 「これで我が一族が貧乏から解放されるといいが」 「ファルネーゼ枢機卿 貧しい神学生に助言を よどんだ気分はどう晴らす?」 「卑しい神学生ではない バレンシア大司教だ 良い行いをしろ」 「その間君はローマの密偵として働いてくれ」 「ばれたら私は殺される」 「手紙は暗号で」 スフォルツァ枢機卿の副官房就任を告げる教皇。 「教皇になるのを助けたのにあの口調だ」 「大聖堂を壊すための税金など払わん 一族と話し合う」 「繊細な陶器を売る店にうなる雄牛を放された それが今のローマ 従兄と合流する」 偽の教皇赦免状を書いた二人の手は公開処刑で切られてしまう。 教皇「チェーザレの様子は?」 アレッサンドロ・ファルネーゼ「会いたいと」 「誰に忠誠を」 「聖下です」 「二人同時に忠誠を誓えるか?」 「理屈では」 ジュリア「できないわ 兄さん」 「ここで聞くことはスポレートには話すな 来なさい 抱擁を 教皇ではなく家族として」 背中越しにジュリアとほほ笑む教皇 ルクレツィアが教皇を訪ねてくる。 「ルクレツィア教皇様に失礼よ」 「頬はピンク色健康も戻った お前の新しい部屋を 最高の芸術家を雇った」 「私を聖女に?素敵 分かって下さると思った」 ピントリッキオの絵のモデルになるルクレツィア。 「聖カタリナになれて嬉しい」 ジュリアが訪ねてくる。 「私はあなたの母親でも後見人でもない 私に隠し事をする必要はない」 「私の運命を決める幻を見たの でもドン・ガスパロと婚約中」 「幸せな人ね 若さも富も何でも持っている」 「私の望みはわずかなこと 瞑想の生活なの」 「私の言う通りにして ロドリーゴに望みを言いなさい」 コンクラーベの間の治安について不満をぶちまける教皇 「収入源を危険にさらせない」 教皇軍司令官ヴィルジニオ・オルシーニを解雇する教皇。 「ボルジアの時代が来た」 公開処刑が行われる。股裂きである。むごい。 アレッサンドロ・ファルネーゼも見ている。 「悪党を撃退して今や教皇軍は最も強力な部隊 だが指揮はヴィルジニオ・オルシーニ」 スフォルツァ枢機卿「フランチェスケットが前教皇の土地を売却しようと ヴィルジニオ・オルシーニ」 「この取引を仕組んだのはローヴェレ枢機卿か」 「オルシーニはナポリ側についた 教皇になるため無理な約束をした」 「ボルジアとの絆でナポリとローヴェレからミラノを護る」 「ジョヴァンニが来たら婚約を」 「待てない」 枢機卿は代理で教皇と枢機卿で結婚式を挙げてしまう。 ホアンも戻ってくる。 「ルクレツィアは回復しお前は戻る」 「ファルディナンド王の姪の心を射止めた」 ホアンが総司令官に任命されて驚くヴィルジニオ・オルシーニ。 「軍を指揮する?勿論です 夢でした」 「未経験を求めるのですか?ローマの警護を素人任せに?」 「誰でも最初は素人だ」 出ていこうとするヴィルジニオ・オルシーニ。 「話はまだ終わってない フランチェスケットから前教皇の領地を買ったな」 「これが名誉を傷つける理由か」 「私の前から消えろ」 じっと見ているアレッサンドロ・ファルネーゼ。 ジュリア「お兄様は不安を隠せない人ね」 「自分の将来が 教皇に好かれるなら何でもするが より忠誠に値する人物とは誰なのか 私が信頼する者か ひれ伏す肩書の者か」 「彼に忠誠を尽くしてると思われてるうちは安心 私もロドリーゴに秘密がある」 「父親にも息子にも話すな」 「ええ もちろん それでこそファルネーゼよ」 「ガンディア公が新しい役職に 妹君はペーザロ伯と婚約」 息子の遺体を見せられるチェーザレ。 アドリアーナからジョヴァンニ・スフォルツァとの結婚を聞かされたルクレツィアは自分の倍の年齢と聞いて驚く。 「聖女ペトロネラ すぐに私の前に現れて」 一方チェーザレも教会に 「あなたは神を軽んじる兄を祝福する 私は自分を捧げてる 天国のあなたに加わるより私は地獄で焼かれる」 祈る二人がクロスカットで映る。 やがてチェーザレは油をかけ教会が燃え始める。 本作のホアンは母ヴァノッツァの連れ合いをばかにせず一緒に飲む。 ヴァノッツァ「マルコアントニオ・コロンナが教皇を退位させると ローヴェレとオルシーニとナポリ王が共謀してると」 取り合わないホアンを呆れたように見つめるヴァノッツァ。 「神に感謝します チェーザレの存在を」 泣き続けるルクレツィアをジュリアが慰める 「結婚は望むものを全て奪う?私は違うわ」 「ふりをするの 彼を歓迎して 聖女ペトロネラはあなたの決意を試している」 お見合いするジョヴァンニとルクレツィア。こちらのジョヴァンニはイケメンで性格もよさそう。 ジョヴァンニ・スフォルツァ「苦悩と孤独は日々薄れる 悲しむ時もあるが体は元気だI may be altered by my sadness, but not crippled.また愛せる この結婚は私の未来を変える 頼まれても断れない 愛し合えるのを待っています 必死に働き幸せにする あなたが許せば」 「明日は妹君の結婚式 兄上は総司令官になったが下士官にも嫌われ」 「総司令官の器ではない」 「母上からの手紙によれば教皇に対する陰謀がある これは待ち続けた神の兆しです」 結婚式当日のルクレツィア 「かわいいではなく美しく見られたい だめだわ 空しい なぜ結婚式を急ぐの?」 アドリアーナ「教皇の望みよ」 ルクレツィア「私はとても混乱してる 昼は尼僧 夜はジョヴァンニの妻として過ごしたい」 ジュリア「両方はだめよ」 「神を選ぶ」 ジュリアは教皇に自分の気持ちを打ち明けるようルクレツィアに促すが結局何も言わなかった。 祝宴にジュリアがやって来る。 ルクレツィア「ママの出席も認めて欲しかった」 「あなたは作家や詩人の創造意欲をかきたてます」 銃をぶっ放すチェーザレ。 「決心した ローマへ発つ」 下品な劇が上演されるのはもう一つのドラマ「ボルジア家」と一緒。 アレッサンドロ・ファルネーゼ「神との交わりで辛いのは友人が賛成しない行動を私に望まれる時だThe hardest part of becoming intimate with God is realizing he sometimes He wants me to act in ways of which my friends would never approve.」 教皇「ルクレツィア 探したよ 夜も遅い 帰る まだ若い 今夜女になる必要はない 夫は待ってくれる そうだろう?」 ルクレツィアを連れていく教皇。 ジョヴァンニ・スフォルツァ「どう思う?君は戦略の達人だ なぜ正式に結婚をしない?You are the master strategist. Why is His Holiness not letting us consummate our marriage?」 スフォルツァ枢機卿「結ばれなければいつでも結婚を解消できる 両家の同盟を解消する場合を考えてか あるいは教皇が彼女と寝たいのかAs long as your bed is empty, he is able at any moment to dissolve the bond between you. He is waiting. In case a union with our house no longer suits his needs.That or the Pope wants to fuck Lucrezia.」 「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 」S1E4ではスフォルツァ家との婚姻を望んだのは教皇なのに本作では投票の交換条件として持ち出されロドリゴがあっさり承諾。結婚無効にするのはもったいないくらい相手が結構イケメンだ。 息子の遺体(実は嘘)を見て絶望し自殺したくなる気持ちはわかるがどうして教会を道連れにするんだチェーザレ。教会に放火したりどMだったり本編のチェーザレはいろいろやばい。しかし更にやばいのが兄のホアンでろくな描写もないのに司令官失格になっている。 第6話 正統な血 Legitimacy 法王(教皇)となり一族安泰のために策略を練るロドリーゴ。宿敵ローヴェレ枢機卿の陰謀を察知した彼は、諸国との絆を深めるためにホアンをスペイン王室と、ホフレをナポリ王室と婚姻させる。しかし、見せかけの結婚を強いられたルクレツィアは、ロドリーゴに反感を抱くようになっていた。 ディ・ヴィトルヴォ スペイン大使「聖下 枢機卿の皆さん お聞きを 新世界です クリストファー・コロンブスがカトリック両王の資金援助を受け広大な新大陸を発見しました 金銀真珠が豊富で野蛮な者が多く居住しています スペインの統治が正当だと教皇の承認を願います Your ears do not deceive you, Holy Father, respected Eminences. A new world! The visionary navigator and explorer, Cristoforo Colombo, financed by their most Catholic Majesties, King Ferdinand and Queen Isabella, has discovered a new, immeasurable landmass rich with gold, silver, pearls. Populated by feral natives. King Ferdinand hopes Your Holiness will confer papal legitimacy upon Spain's claims to sovereignty. コスタ枢機卿 ポルトガルは二度も厭世を拒否したNeed I remind Cardinal Da Costa that Portugal rejected the proposed expedition not once, but twice?」 ジョルド・ド・コスタ「コロンブスはしがないチーズ売りだAs did your masters. Cristoforo Colombo is nothing but a cheese dealer.」 スフォルツァ枢機卿「ハロ大使 ヨーロッパの総ての君主が同意見だAmbassador De Haro, there is not only the King of Portugal to consider, but all the monarchs of Europe.」 教皇「そうだ スペインに好意を示して何の利益がある 周囲の反感を買うYes. If we, with our Spanish blood, favor the cause of Spain, what do we gain except wide spread hostility?.」 「統治の正当性を認めてホアンとマリア・エンリケス・デ・ルナの結婚を 彼女は王の姪 一族の夜明け 何か問題が?」 「“正当”は嫌いな言葉だ 女王は非嫡出子との結婚に反対 スペインとポルトガル公平にすべきだ 少なくとも表向きは」 密かにローマにもどってきていたチェーザレはアレッサンドロ・ファルネーゼに見つかる。 アレッサンドロ「許可なく来たら危険だぞ」 「私は一度死んだ 私の息子が 自殺を図った 私は死に再び生まれた」 「息子の死は悼むが命と信仰の復活は祝う」 チェーザレが教皇の部屋に入ってくる。 「お前が来るのは着く前から知っていた」 「教皇の地位が危険です」 「知っている どの枢機卿が最初のユダか 教皇の退位を企み何人集まったか」 チェーザレ・ボルジア「助けたいLet me help you, Father.」 教皇「教皇に何を言う 感情は危険だと訴えないが他にも危険がある 従わない者が一族にいる 卑劣な枢機卿には耐える だが無礼な甥は我慢ならん*We* are the Holy Father, Bishop. And even if our gut instincts did not warn us of the danger, you know what else convinces us that we're in trouble? A member of our own family refuses to obey. Backstabbing cardinals we can abide, but disrespectful nephews we cannot.」 「 私はただ…I am sorry, I was only trying to To help, yes.」 「助けたい? 助けは無用だ 忠誠を尽くせBut we do not want your help. We want your loyalty.」 母親の屋敷に行くよう命じる教皇 「待て 待つことを覚えるんだ 選挙まで37年待ったように お前にできるか」 ホアンに対して「すぐスペインに発ち結婚しろ イザベラ女王は品行に厳しい」 チェーザレ「父の真実を話してくれ」 ヴァノッツァ・カッタネイ「あなたはロドリーゴの息子 愛しているから最善を願ってるWhether or not you are Rodrigo's son, he loves you and wants what is best for you.」 「教皇にとって私はオリーヴの種ほどの価値だStop! I am worth about as much to His Holiness as these pits are to olive oil.」 「何かあったの」 「自分の行い」 「何をしたの」 「だめだ」 アレッサンドロ「フェランテ王の動機は家族よりマントヴァ シエナなど4都市の同盟です」 「シャルル8世は王位を狙う 28年前殿下の一族に奪われた 復讐です」 教皇「神は誰がナポリの支配者に相応しいとみるか 父上の結婚の申し出はシャルル8世にナポリ王位の継承権を認めないことの交換条件だな」 「彼女は非嫡出子」 「チェーザレも同じでは?」 「密会したな オスティアで教会の敵と」 「ローヴェレとイタリアの将来を話しました 父に友好の証を」 「ずっと友好的だが サンチャとの結婚を考えよう」 アレッサンドロ「あなたはナポリを味方にしたい チェーザレのためでも」 「だめだ 彼は神との誓いがある キリストを崇める 生まれは疑わしく妊娠した母親はヨセフが妻にしなければ死んでいた 十字架の彼は傷つき敗れた なぜ教会は“復活”のイエスを飾らない?なぜ彼の苦しみは復活よりも理解しやすいのか」 夜の街でマルコアントニオと行き会うチェーザレ 「答えろ 4本指で自慰できるか 叔父がしてくれるのか」 息子のために教皇を呼び出すヴァノッツァ・カッタネイ「私は娘を救ったわ “聖下”と呼ぶ?私ではなく子供たちに必要なの 少なくともチェーザレとホフレには 二人に貧乏くじを引かせるの?」 「チェーザレなら考えてる 枢機卿にする 会議で発表する 他言してないが好機が来たら枢機卿に任命する」 「残酷な人Oh, you are cruel.」 教皇「時代を担ってるWe are a man of the times.彼に言うな」 「誓うわ ホフレは?結婚を強いたのはあなただった 追い出したのも あなたは誰より私を理解してる 私は恋しい 名前の呼び方が何より恋しいわ」 「ホフレも考える その代価は高いぞ ルクレツィアと会うな」 「アドリアーナね」 「関係ない 同意するか」 頷くヴァノッツァ。 「二人だけの時真実を話して あの子は父親のためなら命を捧げる」 サンチャの婿にホフレを提案する教皇。 「ボルジアの一族は早熟だ 特にセックスは 彼女は若くいられる」 スペインのホアンから手紙が来てデニアとグラナダの領地が保留とされる。 「枢機卿や王に等しいボルジアという名を消そうとすることだ」 フランチェスコ「断りましょうか Shall I decline?」 教皇「反対だ 夕食を共にする ワインは真実とチャンスを呼ぶTo the contrary. Make our meeting a dinner. In wine there is truth. In much wine, opportunity.ローヴェレの裏切りの一つ一つを暴いて見せつけてやる 全てを 教皇としてではなくボルジア家として」 ジュリア・ファルネーゼを家に招くヴァノッツァ ジュリア「好奇心は協力だと思うCuriosity is a powerful sensation, is it not?」 ヴァノッツァ・カッタネイ「噂話をするために呼んだわけじゃないLet us be honest, you were not invited so we could gossip like giddy sisters.」 「私たちは互いにボルジアと結ばれてる そしてアドリアーナが共通の問題点」 「あなたは何が問題?」 「彼女の扱いが間違ってる あの子が強い女になるには成熟するのが必要なのに」 「彼を首席枢機卿に戻そう スフォルツァと彼は同等の扱いだ」 アレッサンドロとジュリアは何者かに襲われジュリアは顔に傷を負う。 教皇「見せなさいLa Bella, let us see.」 ジュリア・ファルネーゼ「以前のようには愛せないのねYou would never love me the same again, if at all.」 「そうだ 同じでない もっと愛すYou are right. Not the same. Even more.」 スフォルツァ枢機卿に「副官房はもっと慎重に振る舞え ミラノがジュリアを襲わせたと聞いた 知性とは愚かさのことだ 姪とジョヴァンニが結婚 我々は家族だ」 デッラ・ローヴェレ枢機卿が戻って来る。 「海辺はどうだ」 「身体にあってる」 旅立つホアンを見送るチェーザレとルクレツィア、ヴァノッツァたち。 ルクレツィア「11歳なのに 私たちは全員叔父様の財産なの?」 ヴァノッツァ「考えてから口に出して あなたが逃げたことに叔父様はお怒りよ」 フランチェスコ「閣下Your Excellency.」 チェーザレ「ゴキブリ こんな街はずれまで?教皇のお使いは疲れるなCockroach, here on the outskirts of town? Running His Holiness' errands all over Rome must be exhausting.」 教皇「枢機卿に任命された時君たちも反対されたのを忘れたか」 「2名を除こう それ以外の者は満場一致で」 「満場一致は求めてない 自らの意思で選ぶ力を持つ」 ポルタが亡くなる。 「賄賂 ペテン 私はどんな手を使えばいい ポルタ 逝かないでくれ」 「言葉は消えた あるがままに」 1493年1月チェーザレとアレッサンドロが枢機卿に任命される。 その席で教皇はホアン、チェーザレ、ルクレツィア、ホアンが嫡子であると宣言する。 教皇「主にある兄弟姉妹よ ボルジア枢機卿を愛する (Spiritual son)霊的な息子として チェーザレを(My Own Son)息子として愛す なぜなら彼の血は私の血 彼の兄弟 ホアンとホフレ 妹ルクレツィア 彼らと同様に 全員が私の嫡子だと宣言する 父の愛と共に」 地下でひそかにセックスするルクレツィアとジョヴァンニ。 「一緒に来い」 「ダビデ王はウリヤ王の妻の間にソロモンをもうけた」 教皇「どの行事よりも興奮していたねI would have thought you'd be less agitated given the day's other events.」 ジュリア・ファルネーゼ「兄の事が嬉しくてI am very happy for my brother, yes.」 「では父だという私の宣言を支持してくれるかI can make your brother a cardinal, but you cannot support my claim to paternity.」 「宣言が今日で最後でないなら I can, as long as today's announcement is not your last.」 「もう私の子供がいないことは確かめてあるBelieve me. I have done what I can to make certain there are no more little Borgias running about.」 「 外にはね ここは?Out there, maybe. But in here?」 「 まさかNo.」 「 いるの 本当よ できたのYes. Yes. Yes. Yes, yes, yes, yes.」 キスしまくるジュリア。茫然とする教皇。 「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 」とは異なり全ての子供を嫡子宣言するなどある程度筋を通し改革の旗手たらんとした教皇が抵抗勢力と戦う話になっていて、え、正義の味方?と思ったらあっさり愛人を迎え入れている。欲には勝てず。 第7話 策略 Maneuvers 1493年3月。諸国との関係を安定させ勢力圏の拡大を謀るロドリーゴ。彼はローマを離れた宿敵ローヴェレがフランスに渡ると考え、ホアンに軍を率いてオスティアの要塞を攻めるよう命令する。一方、ロドリーゴに政略結婚を強いられてきたルクレツィアは、念願だった真の結婚を許されるのだが…。 ナポリ王逝去の報せが。フランスのシャルル8世はナポリの統治権を狙いアルフォンゾ王子は戴冠式を望む。 デッラ・ローヴェレ枢機卿がつっかかる。 「だろうな 4人も子を持てば 娘はミラノ 息子はスペイン もう一人の息子もナポリ王室と婚姻 さらに一人は教皇領を求めるだろう 興味があるのはもはや司教区ではない 帝国の支配だろ」 チェーザレ「神の意志より野心を優先する世俗の王のようだと教皇を責めるのか」 教皇「新人は元気旺盛だな 教皇自らが裁定を下す」 枢機卿「どのみちシャルルは進軍する 選べる道は教皇に従わせるか それとも敵になるかだ」 ローヴェレを逮捕しようと進言するチェーザレだが教皇は頷かない。 チェーザレ「貴方の命が危険なのは同じです 常時警護をつけてWe must surround you with Papal Guards at all times.」 教皇「怯える人生は神の無い人生だTo live in fear is to live without God.」  3か月ひどい食事とセックスレスの日々を送るルクレツィア。ジョヴァンニは誰とも口をきいてはいけないと言われる。たまらなくなったルクレツィアは教皇に訴えると息巻くが教皇には思惑があった。首飾りをかざすがもうひっかからないルクレツィア。  国王の姪でホアンの妻のマリア・エンリケス・デ・ルナ姫が一人で教皇に会いに来る。ホアンの居所は知らないと言いチェーザレが連れに行く。 教皇「力を振りかざすな」 フランチェスコ「ホアンは教皇軍から大量の脱退者を出した」 アレッサンドロのいる要塞を訪問してホアンの愚痴を言うチェーザレ。 泣いているルクレツィアを見つけるスフォルツァ枢機卿。寝るのを禁じられていると打ち明けられても困った顔。 「司祭として私は信じている。教会の考えでは結婚sの式典は夫と妻と神との神聖な結びつき。他にはいないAs a priest, I believe that in the eyes of Mother Church, the sacrament of marriage is a divine union between a man, his wife, the Lord, and no one else.」 ルクレツィア「でもジョヴァンニが境遇をそんな風に思わなかったら?罰を恐れ情熱をなくしたBut what if Giovanni does not see the circumstances that way? Fear, retribution has clouded his ardor.」 「結婚を護るために女がするのは夫が聞きたい言葉を言うことそれが真実でも嘘でもThen you must do what all women do to save their marriages. You must tell your husband what he wants to hear.Whether it be the truth, or not.」 兄が要塞を立て直すのに金がいるとジュリアが色仕掛けで迫るがうんと言わず怒って出ていくジュリア。 教皇「女は男を打ちのめす神の道具だ」 教皇はホアンにオスティア攻撃を命じる。 アレッサンドロに戦略を語るチェーザレ。 アレッサンドロ・ファルネーゼ「君は戦略に長けてるYou are that well versed in the strategy of war?」 チェーザレ「キリストではなく皇帝を学んだから苦しんだ キリストさえ“皇帝のものは皇帝に 神のものは神に”と しかし戦場に神の場所はない。I suffered at school, not because I did not study, but because I studied Ceaser instead of Christ. For even Jesus said, give unto Ceaser what is Ceaser's, and to God what is God's. But there is no place for God on the battlefield.」 ローヴェレがフランスに出航。 スフォルツァ枢機卿「忠誠というなら自身の誓いはどうだ 同盟の解消だ 信じられない」 教皇「教皇に何を言う」 「一族を愛してる 君と同じだ ルクレツィアとジョヴァンニを真の夫婦に とにかく私はフランス語がわかる スペイン語と同様に」 やっと同衾を許されるルクレツィアとジョヴァンニ。しかしまさかの不発!ここはコメディ。 「私は前の奥さんより魅力的でないの?」  アルボルノツの要塞修復を教皇に提言するチェーザレ。ルクレツィアにフェラーラ公の息子アルフォンゾ・デステが声をかける。  教皇のもとに貧しい女が現れ夫がファルネーゼの襲撃を請け負ったのに金を貰っていないと衝撃の告白を。オルシーノ・オルシーニが黒幕だと告白。 オルシーノ・オルシーニ「母上 私はもうだめだ」 「逃がしてくれる (ルクレツィアに)誰にも言わないで」 新長官になったホアンにブラチャーノの要塞を攻めるよう命じる教皇。フランチェスコは無謀だと諫める。 教皇「功利と復讐の両方が手に入る貴重な機会だThis is one of those rare moments when expediency and vengeance go comfortably in hand.」ホアンに攻撃を命じる教皇。ところが副官の諫めも聞かずホアンは力攻めを強行する。  要塞を視察した教皇は満足げ。チェーザレに「オルビエートを統治しろ」と言いアレッサンドロを怒らせてしまう。 チェーザレ「我々は対等だ」 アレッサンドロ「心ないことを言うな」 副官は死にホアンは単独で逃亡する。 教皇「オルシーノは?」 ホアン「逃げてる」 ホアンをぶって「お前は司令官も息子も失格だ」 チェーザレに向って「ホアンに家長を継がせたい 行け メディチとグリマー二に連絡を取り支援に行かせろ サンタンジェロ城に堀をめぐらせろ まずオルシーニの攻撃に備える そして宴会を開く」 アルフォンゾ・デステ「結婚生活はどう?教皇の願いをかなえて満足?」 ルクレツィアに言い寄る男は皆美男だな。 ホアン「父は私をのろま扱いだ チェーザレと並んでやる」 宴会の席でアルフォンゾ・デステとジョヴァンニが喧嘩になる。 ジュリア「あなたの窮地に何人が忠誠を示す?」兄に統治させようとするジュリア。 ホアンが妻の妊娠を告げ宴会はいいムードに。統治をおろされてチェーザレは不満そうだ。 教皇「ローヴェレは私の死と地位を望む」 チェーザレ「自分の手を汚さずフランスに殺させる」 「私はずっと余所者のままだ 言葉も歴史も学びイタリア人以上に懇意にした 無法地帯に秩序をもたらした 子供に食べ物を与えた だが今も嫌われるカタロニア人だ」 「しかし父上には人々に偏見が誤りだと諭す機会がある」 「どこでも余所者は嫌われる 羨みはしない なぜか お前だ お前とホアンとルクレツィアとホフレは私の4つの王国だ 4つの最高の宝 4人の本当の味方 お前を評価している 分かるか?私が選んだ司祭への道を嫌うが 私はホアンをひいきしてはいない 司祭にするのは彼より高みに行かせたいから」 法皇冠を被るよう言う教皇。 「いつの日かお前は教皇の座を継ぐ 私はアルフォンゾ殿下の主張を支持する ナポリに行け 私の代理で冠を授けろ バレンシア大司教だ お前が儀式を行えば私が彼を承認したことになる」 「なぜシャルル8世を選ばないのですか」 「検討すると言ったのは時間稼ぎだ 彼の戴冠は正しい行いだ」 「行ってきます 戴冠式とホアンの婚礼に 仲良くやってくれ」   アドリアーナは自分の立場を切々とルクレツィアに訴える 「今なすべきことは息子を救うことなの」 「私の従妹 私の知っていることは聴かないし話さない 夫やアルフォンゾ 他の男の人と一緒にいても口は出さないで」 「ごめんなさい 言ったでしょ 神の言葉を話す聖下に仕えてる」 にっこり笑うルクレツィア。 教皇とジュリアのセックスの最中に動じず入って来るルクレツィア。 「オルシーノとアドリアーナの情報よ」 ローマから送られるアドリアーナ。「死んだ方がまし」 チェーザレ「お前が王子か」 ホアン「お前は教皇のごとく結婚式を仕切った」 誰もいなくなった廊下で王冠を被り恍惚とするチェーザレ。 送られていくアドリアーナを見送るルクレツィア。その隣にアルフォンゾ・デステ。 オルシーノの元へホアンの刺客が向かう。 「ボルジアが地獄で暮らせと」 教皇「わが息子」褒められて嬉しそうなホアン。 ジュリア ・ファルネーゼ「私達から彼は消えたOrsino's gone - out of our life.」 教皇「そうだなYes.」 「嬉しくない? You're not pleased...」 「教皇の名のもと人が死に家族は散り散りに 邪魔する者は消えていく だが今我々の扉まで流れた血が広がる この報復という行為 こうした殺人は全てを変えるIn our name men have died in battle. Families have been torn asunder. Those who stood in our way have been silenced. But now the spilled blood has spread under our very own door. This one act of retribution is... murder. Changes everything.」   枢機卿になりたてでデッラ・ローヴェレ枢機卿に歯向かったり教皇に警護を、と意気盛んな新任ボルジア枢機卿。武人としての才能の片鱗が認められるが友人アレッサンドロの嫉妬を買う。「恐ろしい世界とはlive without God神のいない世界だ」と警護の申し出を断る教皇。  実質的な結婚を望んでいたのにいざ実行すると期待外れのルクレツィアの夫。夫以外の男性との付き合いを実現させたいルクレツィア、兄を有利な立場に置こうとするジュリア。息子を護ろうとするアドリアーナ。女たちの策略のうちいくつかは功を奏しいくつかは破れる。  イタリア人よりもイタリア人らしくと勤めても余所者として迫害された過去を最も信頼できる息子に明かし優れた息子の方に教皇を継がせたいと三重冠をチェーザレに被せるも後に誰もいない廊下で王冠を被った時の方が嬉しそうなチェーザレ。 『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 』の教皇様は嬉々として復讐に励むが本編の教皇は「報復という行為 こうした殺人は全てを変えるThis one act of retribution is... murder. Changes everything.」と復讐の連鎖が広がることを恐れむしろ報復に懐疑的。 第8話 終末への序幕 Prelude to an Apocalypse 1493年4月。法王(教皇)庁の華やかさとは裏腹にローマの情勢は惨憺たるものになっていた。フランスのシャルル8世の大軍がイタリアの目前へと迫り、有力者は次々とフランス側の味方につくことに。窮地に立たされたロドリーゴはシャルル8世のローマ入りに備え、ホアンに命令し兵を揃えさせるが。 ホアン「ローマは私が守る 誰があなたに忠誠を誓う?失敗から学びました」 教皇はホアンにローマを護ることを許す。ああまた…みたいな顔をするチェーザレ。 チェーザレ「兄と同じように祈りながら戦えます」 教皇「二人とも失ったらどうする」 ジュリアはルクレツィアの侍女にスパイを命じる。 「欲しがるものを与えればいい 感情のままに父や兄に歯向かうように仕向けて」 ルクレツィアは侍女に好意を示す。「聞いてもいい?心の奥にある闇のような秘密をあなたに打ち明けられるのかしら?」 オルシーノ枢機卿「強い軍隊が頼りだ 共に戦うからには指揮官は本物の兵士にしてくれ わがままで無鉄砲な息子は断る」 教皇「ホアンに良識ある行動を取らせろ だが助言だけだ 争うな」 傭兵隊長は全て辞めてしまう。 「長官のために戦えないと 誰が教皇だろうが俺達には関係ない」ホアンは去った二人を仮面の男に追わせる。 チェーザレが仮面の男を見ている「アガピト 兄に仕えてる仮面の男について知ってるか?」 「仮面に至るまで誰も知らない 噂話だけです」 「家族の問題に介入させたくない」 アルフォンゾ・デステも去るとルクレツィアに告げる。 ルクレツィア「これは愚かな権力闘争よ あなたが戦場に出るというの?あなたが戦場に出ると思うと心配でたまらない あなたの勇気を分けて」 ホアン「卑劣で臆病な枢機卿が私を責めるのか」 ホアンは教皇に「もっと使える軍に立て直す 針や糸ではなく武器を使える兵士を」 「私は戦わない 助言だけです」 「兄弟は協力すべきだ」 ルクレツィアは教皇に直談判 「離婚したい 空しい日々はいや」 教皇「夫に夫婦関係を求めずに離婚だと?熱烈さと無礼は紙一重だ」 「ジョヴァンニをペーザロに返して」 「スフォルツァ家は必要だ」 「ミラノがフランスについても?」 「私に外交の講義をするつもりか?それとも私を手玉に取る気か?だが私の方が長けてるDo not dare to lecture me on diplomacy, little girl. Or seek to confuse me with manipulation. I am the master of both. 離婚は許さん」 負けた村の民が教皇の所にやってきて窮状を訴える。 「ラパロの惨事が世に伝わるから私を生かした」 ドイツの傭兵に演説するがやはりホアンには人望がない。金貨をざらざら…と落として兵士の士気をたちまち上げてしまうチェーザレ。やはり武将の器なのだ。 ルクレツィアは愚痴をこぼす「半人前の男と暮らして愛している男は遠くにいる」 マリア「私たちのような家柄の女に愛は贅沢」 「私に幸運が訪れない限りジョヴァンニは死なない」 教皇「フランスは教皇の特使を退けるのか ローヴェレより悪い」 「教皇は神の代理人だ」大使を威嚇する。 「スペイン王にはフランスの侵略で姪のマリアが危険だ」 ジェム王子に戦略を説明するチェーザレ。 ジェム王子「コロンナ家が破門されるとか」 「素晴らしいが破門は象徴的なものだ 効果はあるのか?」 ジュリア・ファルネーゼ「彼女が夫の死を願った?侍女として彼女の願いをかなえてあげなさい」 ためらう侍女に「務めを拒めばでぃえら…出る手増え碁生きの船に荷物扱いで載せる If you do not find yourself up to the tasks, then by morning you will find yourself in the cargo hold of a ship bound for Tierra del Fuego.」 マリア「仰せの通りに致しますLady, I will do as you command.」 「 いいわ ヒ素を知ってる?アーモンド臭がするのGood. Now, um, have you ever heard of arsenic. Smells like almonds.」 宴会で酔っ払うホアン。いまいましげに見ているチェーザレ。 ルクレツィアを薬屋に連れていくルクレツィア。何を買うか知ったルクレツィアは「正気なの?」驚くが結局クスリを受け取る。 「いただくわ」 アレッサンドロを教皇の名で呼び出して謝罪するチェーザレ。 「ピエロ・デ・メディチは留まる ロレンツォの息子だから」 一人でローマにやって来るジョヴァンニ・デ・メディチ 「父の像は壊された」受け入れる教皇。 チェーザレ「祈りを唱えてる場合じゃない 私は教皇軍を立て直したが戦うのはホアンだ」 ジョヴァンニ・デ・メディチ「君は兵でなく枢機卿だ 教皇の名のもとに我々は戦う 信仰は力だYou're a Cardinal, not a soldier. Remember, we fight in the name of our Lord. Faith is a powerful...」 チェーザレ 「信仰?我々が虐殺されたら信仰など無益だ 信仰は勝者が得る報酬だFaith? What good is faith if we are massacred? Faith is a benefit bequeathed to the conqueror.」 「神への冒涜だ」 「信仰は強力な武器だ」 ジェム「二度とイスタンブールに戻れないなら私は毒を飲む」 そこへ教皇がやってきてチェーザレに残酷な命を下す。 「戦いを仕掛けるのですか?」 「違う コロンナとの和平には代償が必要だ お前の自由」 「憎きコロンナの奴隷に?いやです 行きません」 「教皇として命じる だが父としては背いて欲しい」 アレッサンドロがチェーザレを抱きしめる 「ローマは待ってる 美しい女性のように君を待つ」教皇をじっと見つめるチェーザレ。 「仰せの通りに」 「お前の犠牲のおかげで平和が戻って来る」 ルクレツィアとヴァノッツァが教皇のもとへ ルクレツィア「コロンナの拷問を受け死ぬかもしれないのよ!」 「ロドリーゴ 状況は察してる でもあの子は私達の息子 歩く前からあなたの法衣を握った 愛してるのはホアンとジュリア 失敗するとわかっていてもホアンを長官にした あなたの伯父のやり方と同じ」 「既にチェーザレは発った 命は保証される」 「嘘つきと人殺しよ」 「ローマに危機が迫っている 嵐の中でも倒れたりしないがお前たちが頼りだ 既に二人なくしてる チェーザレの命は私の命より大切だ だが彼はボルジアとして自ら行った 最善の策だとわかってくれた」 「私たちの人生をもてあそんでる チェーザレを案じても魂は死んでいるHow you enjoy playing games with our lives. Your heart may care about Cesare, but your soul is dead.」 ルクレツィアをひっぱたく教皇「魂はローマに 街を救うためなら娘だって差し出すMy soul is Rome, and we will make any sacrifice, even our daughter, to save this city!」 たまらず出ていくルクレツィア。 振り返るヴァノッツァ。 「殴るつもりは」 「私がチェーザレを取り戻す ようやく無能な夫が役に立つ」 ジョヴァンニに頼むルクレツィア「あなたの従兄が仕組んだの 飛鳥―ニオに交渉して兄を救って」 着くなり目の前で愛馬を殺され裸にされ牢に入れられるチェーザレ。そして心も体もずたずたに。 「私は何をした?」 「必要なことを」 ジュリアにも逃げるよう言う教皇。  失敗したと知っていよいよクスリを使って夫を毒殺しようとするルクレツィア。 じっと夫を見つめている瞳は冷酷だ。 ルクレツィアがジョヴァンニに「この命さえも捧げよう 君が望むなら本望だ」「ローマと私のために命をDie for Rome, and you die for me.」  ジュリアもフランス軍の捕虜になる。 怒り出す教皇「これはゲームか?よかろう」 スフォルツァ枢機卿「色欲が冷静な判断を狂わせる」 かわりにフランス大使を監禁する教皇。 「ホアン 期待に応えろ」 ドイツの傭兵たちはチェーザレが人質に取られたと聞いてホアンを見限る。 「父に何と言おう」 街を歩くジェム王子は逃げ惑う人達を見る。 解放されたジュリアがやって来る。 「将軍に女王なみの歓待を受けた」 「コロンナとボルジアを結ぶ?無理だ」 ご満悦のマルコアントニオ。 「今でも時々指があるような感覚になる」 カタロニアの犬呼ばわりしてチェーザレに乱暴するマルコアントニオ。なんて回だ。 『ボルジア家愛と欲望の教皇一族』と異なり戦闘シーンがないのでフランス軍の動きは会話でのみ伝えられる。部下掌握能力も戦略も人望がなく無能な兄より上なのに人質として差し出されるチェーザレの受難回。  表面はいい友達の振りをしながらルクレツィアの動向を探り父や兄と不和にさせようと企んだりスパイを侍女として送り込む悪女ジュリア・ファルネーゼ。彼女の策略に載せられて一度は夫を毒殺しようと企むルクレツィアだがジュリア―ノの善人っぷりが自身を救う。 第9話 ローマ侵略 The Invasion of Rome 1943年5月。フランス軍によるローマの陥落は時間の問題だった。そんな中、愛人ジュリアが子供を出産しロドリーゴは歓喜する。一方、取引により宿敵マルコアントニオ・コロンナに囚われたチェーザレは地獄のような日々を送っていた。無事に帰還した彼にロドリーゴは、ある重要な任務を告げる。 『ボルジア家愛と欲望の教皇一族』とは異なり本作の教皇聖下はバチカンを出てサンタンジェロ城に避難。 アレッサンドロ・ファルネーゼ「もはや戦いは無法状態 霊廟として建てられたサンタンジェロが避難所 フランスが来れば墓場になるかも 数日か数時間かYes, but the rules of war no longer rule. Hadrian built Castel Sant'Angelo as a mausoleum, not a shelter for Roman refugees. When the French army arrives, I fear this fort will be used as a tomb once more. Within days, hours even.」 教皇「勇気を出せStay brave, Eminence.」 「ナポリ軍は勇気ある兵でしたが今はローマ北部で屍に 王は退位させられたWith all due respect, Holiness, the army of Naples was filled with brave men, who now lie putrefying on the fields north of Rome. And their king has abdicated, fled to Gaeta.」 ジュリアは出産の真っ最中。 「聖下 枢機卿団は分裂しています チェーザレは囚われメディチは隠れ コロンナ オルシーニたちはフランスに ローヴェレは教皇の座を狙う」 カラファ枢機卿「ダニエル書のように壁の言葉を読み取らねば」 「我々は君の国を守ろうとしているのに」 オルシーニ枢機卿「では聞く ローマ長官はどこだ ドイツ人が脱走したら消えた まるで泡だWhere is the Prefect of Rome? No one has seen Juan Borgia since the Germans deserted. He is like a bubble. Bloated, then Pop. Gone.」 「手厳しいな 息子の行方は知らん」 女の子が生まれる。 「心配ない シャルル8世と折り合う」 「聖下は何を差し出すつもりだ 攻撃の必要がなければ話し合うはず」 「話しあう?ラパロの住民はシャルルに虐殺された」 「ラパロはローマとは違う 彼が王位を要求してナポリに向かう時ローマの通過を許可する 代わりにチェーザレの早急な解放を求める」 その時教皇に女児出産の報せが。「娘は長生きする 他国に支配されないローマで」 「少し年上なだけなのに望みを全て叶えてる 私の願望はかなわないのに 愛する男は戦争に行き私は愛のない結婚を強いられる」 マリア「不正な結婚より辛いわね」 「不正?」 「不在ね 不在の結婚」 扉が開く。マルコアントニオ・コロンナ「お前のせいで戦況が動いた 枢機卿でなく農民の服だ風呂の時間もない 悪いなThe vagaries of war have swung in your favor. Your cardinal's robes were destroyed. Here are peasant's clothes. Now, there's no time for you to bathe. Triple apologies.」 チェーザレ「また会う あと一度だけWe shall meet once more. But only once.」 不敵に笑うチェーザレ。ちょっとぞっとするマルコアントニオ。 チェーザレが解放されたと聞いた教皇 「簡単すぎる 私は木馬にトロイの門を開けたプリアモス王になった気分だ」 ローマにもどってきたチェーザレ。出産直後のジュリアに迫って「痛い!」と怒られる教皇。あんたって人は。「すまない 私は…」手についた血を一瞬見る教皇。 ローマに大砲が運び入れられる。 チェーザレを見つけた式部官ブルカルド「危険です 家族のいるサンタンジェロ城に 私は妻と子供のいる家に行く」 街の女とセックスしたあと泣き出す教皇。 「好きなだけ泣いて でも金は払って」 シャルル8世と並んでローヴェレ枢機卿がローマに入る。 援軍が来ないと知って怒り出す教皇「ローマはフランスに占領され君はつまらん話を持ち込む」 アレッサンドロ・ファルネーゼのいる要塞に向かうチェーザレ。 チェーザレ「近くで見ろ 本当に見てるか これで父の元に戻れるか」 アレッサンドロ「王子の肖像画のように変身する」 シャルル8世の軍の司令官イヴ・ダルグレがやって来る。 「前と変わらず母性が花咲いている 彼女をもてなせて光栄でした シャルル8世はサン・マルコ宮殿に聖下と同行を」 「ここで迎えると言ったはずだ こちらの指示は聞いたな」 彼が去って 「彼はお前に夢中だな 幾番捕虜でいた」 「嫉妬に無駄な力を使わないで 女の心は未来をのぞき見ている フランスがあなたを追放したら私とラウラは?」 「追放はない」 チェーザレを見て驚くルクレツィア。 「ホアンは?」 教皇「秘密の任務だ」 「簡単に私は城へ入れた それが心配です」 「城の防御は任せる コロンナの待遇はどうだった 枢機卿にふさわしいか?」 「想像できますか 食事は一日一度だけ 砂糖がけのラザニア」 「命令は簡単だ 勤務中は酒を飲むな」その夜兵士を殴るチェーザレ。 ヴァノッツァもブリソネ司教の息子ジャンに襲われる。 「あんたは教皇の女だった 試させろよ」 「墓が次々と彫られていく お前は王に兵を制止するように求めろ」 「この任務は猊下に重すぎます」 ルクレツィアを呼び出す教皇「お前の願いを聞き入れジョヴァンニとの離婚を決めた」 アレッサンドロ・ファルネーゼ「離婚するには次のどちらかの理由が必要だ 夫の性的不能 妻の不貞」 「夫は性的不能者よ 私は浮気してない すごく嬉しいわ ありがとう」 ヴァノッツァがルクレツィアの所にやって来る。そこへチェーザレが。 チェーザレ「フランスから逃れて…」 チェーザレに「辛い時人は安心を求めるの」 「男が怖いのは当然です でも私はあなたの子供 あなたがしてくれたように私にも慰めさせて 苦しみが分かる」 そこら中に斃れたり殴られたりしている兵士。 ジョヴァンニがルクレツィアの所へ「愛しい人」 顔をそむけるルクレツィア。 「これは?」 「無効の宣告」 「婚姻が無効に?同意しないと聖下に伝えてくれ」 アレッサンドロ「では正式に審問を行う 性的不能だ」 「あなたの問題よ あなたは失敗した 愛にも戦争にも男としても ボルジアにも私の心にも居場所はない」 右手をぶらぶらさせてるシャルル8世 「私がローマ教皇を求めたら非嫡出子の息子が来た おまけに隠れユダヤ教徒 ボルジア枢機卿 噂とは違う印象だ なぜ教皇が自ら来ない」 「通りは剣と血で溢れています 教皇は神に選ばれた統治者にローマに敬意を払って欲しいと 暴力行為の停止を要求します」 「要求する?He demands?」 笑い出すシャルル。 「アレクサンデル6世の退位の会議を求める」 口々に叫び出す枢機卿。 チェ―ザレ「救世主は堕落したパリサイ人に同じように非難された」 ローヴェレ枢機卿「関係ない 王冠はいばらの冠ではありません ロドリーゴはキリストを学ばない」 「ローヴェレ あなたも 陛下はイングランドと協定をかわされました ヘンリー7世は何というか 神が全ての人々を委ねた人をアンヌ王妃は何て言われるか」 「私の妻か 敬虔な信者だ “私はブルターニュ女公 チューダー朝とも結婚できた 最高の女王があなたに命ずる 王ではなく何よりも聖下の尊厳を守りなさい 守らなければ二度とベッドを共にしない”妻を喜ばせたくてたまらない 狂おしいほどに イタリアを救うつもりはなかったが 気が変わった 神のものは神に 追加の条件があある 一つ聖下自身が私を訪ねること 2つサンタンジェロ城は私の管理下に置く 3つジェム王子は今から私の捕虜だ」 教皇「この城を渡せば城はローヴェレに与えられ私は川に浮かぶ 退位ではなく死だWe cannot give up this fortress. Charles would hand Sant'Angelo over to della Rovere and soon my body would be floating in the Tiber, decomposed instead of deposed.」 チェーザレ「拒んでも奪われる フランスの大砲は破壊力がある」 フランチェスコ「王の一番の狙いはジェムです」 教皇「戦争中だ 守れないこともある あの下種が私の寝床に 向こうから来い いいな」 フランチェスコ「目と鼻の先にいればどちらかが折れないと」 チェーザレが妥協案を提案。 シャルル8世「カタロニア人の足に口づけなどできん」 「これで全てが同等です あとは王が誘う」 シャルルが話しかける「ブリソネを司教職に 彼は熱望している」 ジョヴァンニとルクレツィアの結婚無効の話し合いも泥沼化。 ジョヴァンニ・スフォルツァ「もう一度試させてくれ 金はいいが性的不能は国中の笑い者だAllow me to try once more. The ducats are not what matter, but rather my reputation. Impotence! The whole of Italy will ridicule me.」 ルクレツィア「密通を試せるわWe could try to fornicate again.」 「 Yes?えっ?」 アレッサンドロ「忠告を聞いてくれ 今は自分を守る時だ」 「最初の妻はお産で死んだんだ!」 チェーザレ「病気を装うことで彼への嫌悪を示した」 教皇「牛耳るのではなく牛耳る」 ブリソネを司教に任じる教皇。 息子ジャンを捕らえたチェーザレ 「母親はいるか 理由はわかるな」彼を刺すチェーザレ。 こそこそと鎧を抱えて戻ってきたホアン。 「戻った報せはなかった」 「お互い様だろ」 「私は強力なドイツ軍部隊を作った」 「ごろつきだ」 「だがお前が無能で彼らを失った」 「私は家族を守るため自由を捧げた お前は逃げ出し酒を飲み震えてた」 「くたばれ 一族の物笑いのくせに 来いよ 真のボルジアは私だ」 「今夜人を殺した まだ血の匂いが」 教皇が止めに入る。 「争う時ではない ホアン来なさい」 ひっぱたこうとするが止める。 「息子を亡くしたかと思った」抱きしめる教皇 フランチェスコ「父親の愛は素晴らしい」 アルフォンゾに出す手紙をスパイとも知らず侍女に代筆させ送るよう命じるルクレツィア。 手紙はジュリアのもとへ。 なかなか出てこないシャルル8世「道に迷ったか ローヴェレ枢機卿がいても?」 教皇「あなたにはキリスト教王の称号を与えよう」 「我々の選んだ者が行く」 「あなたが同行できないなら信頼できる者を チェーザレ」 「同行します」 人質でなく教皇特使としてチェーザレを行かせると名言する教皇。 ルクレツィア、ヴァノッツァ、アレッサンドロにチェーザレを行かせないよう教皇を説得してくれと頼まれたジュリアだがやったことは逆だった。 ジェム「あなたは私だけでなく自分の息子も裏切った」 「来た時からわかってた 私は幽霊のような存在 だがチェーザレは違う 息子を敵に渡すくらいなら1000回でも死ぬ」 教皇「息子はどこに?」 「チェーザレを息子とは思わないのか」 「永遠に私の息子だ」 「息子?父上はルクレツィアとラウラの二人の娘と暮らしてる 弟がマリノから帰って3人に」 「何だって?本当か」 ホアンに殴りかかるチェーザレ 「やわらかい女の髪だ 初めて気づいたよ 興奮してるな わかるぞ」 「骨を折った」 「当然だ 立ちなさい 弟の不幸を誰にも話すな いいな」 「父上 私はあらゆる力で戦いました」 「お前の父として教皇としてその時が来たら復讐してやる」 教皇「心が痛む」 ジュリア「悩まないで 正しい行いなの」 「どうだ 私は教皇を味方につけた 特使 私のそばに」 ホアン「お詫びします 昨夜の行いです」 スペイン大使に怒る教皇「フェルディナンドよりシャルルの方が権力がある シスネロスが自信喪失している?腐らせておけ 意欲のない人間を?なぜそこまで?そんな話は前代未聞だ」 教皇「諸君 我々は集い旅立っていく ファルネーゼ 今日シエナに発て コロンナはフェラーラ オルシーニはベネツィア リーリオ・サンソーニはフィレンツェ イタリアを救うために再び団結すべきだと首長や商人や聖職者に話せ スペイン王も加わる 神聖ローマ皇帝も 我々は神聖同盟を結成しフランスを倒しローヴェレを屈服させる コンスタンティヌス1世 カール5世 ロンギヌスの槍は保有者に勝利を与えるWe have come together, my brothers, only to part. Farnese, you will leave today for Siena. Colonna, for Ferrara. Orsini, for Venice. Riario-Sansoni, to Florence. You will convince the dukes and doges, the merchants and the clergy in each city, that we must, once again, come together to save Italy. The King of Spain will join us. So, we are certain, will the Emperor. We shall forge a Holy League which will decimate the French and bring della Rovere to his knees.As with Constantine, Justinian and Charlemagne, the Lance of Longinus bestows victory upon its keeper.」 ヨハン「 教皇万歳!All hail Pope Alexander!」 解放され農民の服を与えられたチェーザレが自分に乱暴したマルコアントニオに「また会う あと一度だけ」とにやっと笑いながら言う場面に戦慄。何かを吹っ切った酷薄なマキャベリストチェーザレ誕生。出産直後の愛人に手を出して叱られ街の女のもとで泣く教皇。 フランス王の所に教皇が出向くのかその逆かという政治的な駆け引きが繰り広げられる一方でルクレツィアのジョヴァンニ・スフォルツァとの離婚に向けた下世話な話し合いが並行して語られる。「ボルジアにも私の心にも居場所はない」と言われ不憫なジョヴァンニ。 人質に差し出されるジェム王子が教皇にした質問「息子が可愛くないのか」から暴かれるチェーザレの過酷な人質生活。ジョヴァンニ・スフォルツァとチェーザレ・ボルジア二人が男としてのプライドをずたずたにされる回。教皇がロンギヌスの槍で反撃の狼煙をあげる 第10話 奇跡 Miracles 1493年6月。駆け引きの末、ローマを撤退したフランスのシャルル8世は、事実上の捕虜としたチェーザレとジェームを連れてナポリに向かった。しかしその道中、チェーザレは野営テントを爆発させ逃亡する。その頃ローマでは、ホアンの妻マリアが夫の浮気と暴力により追いつめられていた。 雨のフランス軍陣営。 ジェムとチェーザレはチェスをしている。 ジェム王子「君の負けだ トルコ人はチェスの達人だYou're in peril, Cesare. We Turks are masters of chess.」 チェーザレ「奇蹟の達人だろYou mean masters of the sneak attack.」 「いつになったらナポリに着くHow much longer 'til we move on, 'til we reach Naples?」 「この雨だ 時間がかかるWith this weather? Quite a while.」 「故郷と違い湿ってる 寒いIstanbul is never so damp. The chill...」 侍従「シャルル8世King Charles.」 ジェム王子「なぜ陛下自らがおいでに?Majesty, to what do we owe the honor?」 フランス王シャルル8世「私が自分で知らせに来るべきだと思った 手紙を渡す 王子 君の息子が死んだ お悔みを言うI come bearing a dispatch, which I feel compelled to deliver in person. Shahzadeh, your son is dead. My condolences.」 ジェム「私の息子  私の兄が殺したMy son, murdered by my brother.兄は私の息子の首を切った わずか2歳だったのにMy son Murdered by my brother. Bajazet cut off my boy's head. Oguzhan was only two years old.」 チェーザレ「神アッラーは君の息子を慈しんでいたのを知るGod, Allah, he will see that your son is nurtured and treasured.」 ジェム王子「子供を殺す奴は人でなしだA man who kills a child is no man!」 泣き出す。 ラウラの代父にと呼ばれたマクシミリアン皇帝の甥フェルディナンド王子。まだ子供だ。 フランチェスコ「王子!教えた通りやりなさい!」 教皇「大きな声で話さないと聞こえないぞ」 フェルディナンド王子「軍隊はアルプスにいてもうすぐ着く 本当ですそう言ってました 今すぐ帰りたい」 ホアン「マジパンは好きかな?」子供には優しいホアン。 教皇「支援はなくても彼の動きにベネチアは動揺する 味方にならないならゴンドラでなくドイツの船で溢れる」 離婚以来初めてアルフォンゾから手紙が来て浮かれるルクレツィア。 マリア「踊る気分じゃない」 「なぜだめなの?」 「これ見て」 マリアの体にはあちこちにあざが 「お兄様の仕業よ 私の夫 私は残虐な怪物と下劣な街に囚われてる」 「服を着て 手を貸して」 「私の事をホアンが殴るから流産するんじゃないかと心配で」 フランス王の陣営。やはり長雨。咳こむようになったジェム ジェム「兄と戦うのは何のためだ 肩書か 王権か 父の死後も私は必死に示そうとした 統治するのは私で父のお気に入りの兄ではない 答えてくれ 私の野心は正しかったか」 スープを吐き出すジェム「何を飲ませるつもりなんだ」 「咳にきくスープです」 呑ませようとするチェーザレ 「二人で逃げ出すだけの体力をつけておけ」 ホアン「私を遅刻させたいのか」 マリア「ごめんなさい 早く歩けないの」 二人の様子を見ているルクレツィア。 ジュリア「ルクレツィアの計画がうまくいくように動けばいいの 彼女が何にでも口出しすればいい ホアンが妹の仕業と知ったら激怒するでしょう あなたが彼女を吊るしてはだめ」 ラウラの洗礼式の間フェルディナンドはずっと泣きっぱなし。 教皇「叔父の元へ返せ 泣き声を聞き続けるくらいなら退位する」 ますます風邪がひどくなるジェム「フランスの医者はやぶだ」 こっそりとマリアを逃がすルクレツィア 「私の行いは正しい?」 遂に血を吐くジェム 「アッラーだ アッラーが呼んでる」 チェーザレ「息子の復讐をしろ」 「息子が見える」 隙に乗じてチェーザレは脱出。その報せは教皇にも。 フランチェスコ「シャルルに馬を送ったのは脱出用ですか」 教皇「スペインが迎え撃ってくれれば」 イヴ・ダルグレがやってきてチェーザレ逃亡を告げる。 教皇「つまりローヴェレが戴冠式を行った」 「約束を守ったのにあなたは破った」 「我々が?」 「スペインをけしかけた 息子を引き渡すか苦痛を味わうか」 「誰もがボルジア枢機卿は健康だったと知っている 行方不明の彼を見つけたら元気な状態で彼を生かしておけ」 「必ず見つけてあなたのジュリアと同じように歓待する 彼女には楽しませてもらった また楽しみが増える」 顔色が変わる教皇。 教皇「自由欲しさに寝たな 私に触るな 選択肢は二つだ すぐに永久に出ていくか自らの罪を糺せ」 ジュリア「あなたもラウラも必要なの ロドリーゴ何でもするから」 「私の前から消えろ」 ロザリナはヤーケス郷と婚約中。そこへホアンが入って来る。 「何の用?」 「妻を知らないか?」 「知らないわ」 「お兄様を見るたび怖くなる」 「前は尊敬してた」 フランチェスコ「ダルグレがひどい不幸に見舞われたそうです 彼の部屋に何者かが侵入し睾丸を切断した」 教皇「素晴らしい女だ」 教皇の部屋に置かれていたものは…。「“全て正された ジュリア”」 吐きそうになる教皇。 オルビエートにやってくるチェーザレ。アレッサンドロと抱き合う。 ルクレツィアの部屋にホアンがいた。 「私の部屋で何をしてるの?」 「お前のアルフォンゾの甘い文章を読んでる やつは私たちの敵だ」 「家族の問題を話し合おう 座って 丁寧に頼んでる 座って チェーザレと遊んだ こんな風に どうした?子供の遊びだぞ デステが家族を裏切れと?妻を帰したな」 「違う」 「お供から聞いた」 「私よりあの男を信じるの?」 「妻にペニスをなめさせてたのにかわりにお前がなめろ 教皇はなめさせたか」 「正気じゃない」 「お前は変態だと噂だ 元夫のジョヴァンニだよ 向き合ってやるのか 後ろからか」 「みんな信じてるの?あなたはどう?ジョヴァンニは私の名誉を傷つける 私達一族を傷つけ自分の欠陥を隠す あなたと同じね 変態ぶりは知ってるわ マリア・エンリケスが国に帰ればk真実は王に知れる 教皇はどうするかしら ボルジアにスペインの王位を その夢をあなたが台無しにした スペインはフランスに対する戦争からも撤退する」 去るホアン。 教皇「奇遇だな 3万のベネチア兵が共に戦うと スペインの軍隊がフランスを攻撃する そしてミラノまで味方に 公爵はフランスの敗北を確信し勝つ側につくわけだJust as 30,000 Venetian soldiers move in concert with King Ferdinand's army to attack the French by land and sea, you suddenly arrive to announce Milan's change of allegiance. The French must be finished, for Lord knows the Sforza only join the side which holds victory in its grasp.」 スフォルツァ枢機卿「 我々はあなたと同じですHow are we any different than you, Holiness?」 「ミラノを神聖同盟に歓迎する」 アレッサンドロ「妹のコネで枢機卿の地位を得たからだ 私は醒めた目で見るが君は批判と捉える」 チェーザレ「いつも君は正しいよ」 ホアンとルクレツィアが残され教皇はオルビエートへ 「弱いと残って強いと逃げるの?」 「何でも“はい”と言え」 「お前の言葉が響いた お前の愛を得るため努力する」 ローヴェレ枢機卿「陛下にひざまずかないのか」 シャルル8世「愛らしいな 父親はどこだ」 ルクレツィア「知りません」 「ここにいないならどこだ 教皇はどこにいる」 「知りません」 「女だって男と同じように推測する」 ホアン「間違ってたら?」 「お葬式で泣くわ 喜びか悲しみかわからないけど」 教会にいるロザリナに笑いかけるホアン。ペルージャで死んだ赤子を生き返らせる修道女を見る教皇。 しかし未来を問われると修道女は怯える。 夜ロザリナがホアンの部屋へ。二人はいいムードに。 ロザリナ・デッラ・ミランドラ「父に勘当された もう私は終わりよMy father has disowned me. I am dead, Lucrezia. I am dead.」 ルクレツィア「いいえ 死ぬまで終わりではないNo, you stupid fool. You're not dead until you are dead.」 「 どうしようWell, what should I do?.」 「ヤーケス郷に単なる噂でまだ嘘だと言うの Tell Lord Jaches that this is rumor, tavern gossip. That you are still a virgin..」 「ボルジア家は皆同じ嘘つきの集団You Borgia are all the same, a cabal of liars!.」 「真実に苦しむの?Then suffer with your truth!」 「 ロザリナ?Rosalina?」 「 死ぬまで終われない"You are not dead until you are dead."」 ロザリナは窓から身を投げる。 「 Oh!」 茫然とするルクレツィア。 勝利を知って快哉を叫ぶ教皇。かわいいぞ。 「彼を出し抜いた キリスト教王に教皇の勧告を アルプスに戻れ イタリアの平和を乱すな」 チェーザレ「父上は不可能に見えたイタリア半島全土を団結させた」 「神がなさった 我々は神の敬虔なしもべだ 感謝の祈りを」 祈っているルクレツィアの所にアルフォンゾがローマにいるという報せが。何と病院にいるという。 「どうしたの?首を斬られるの?」 アルフォンゾ・デステ「水銀浴だよ 蒸気で毒を洗い流す 綺麗だね I am being fumigated in a mercury bath. Uh, You look beautiful.」 ルクレツィア「顔どうしたの? What is that on your face?」 「 梅毒に感染してしまったのでローマで最高の治療を受けてるI have contracted the Great Pox. That is why I am in Rome, for the best in medicinal treatments.」 「フランス病なの?You have the French disease?」 「フランス人はイタリア病という 本当は新世界からと聞いたFunny, the French call it the Italian disease. Uh, I'm told the pox actually came from the New World.」 「 売春婦と寝ると感染すると聞いたわAnd I am told the pox is contracted by sleeping with whores.」 「ルクレツィア 戦争で孤独だった」 「私は寂しくて孤独だった」 「でも君は女だから」 「女でよかった」 教皇「ローマは何度見ても初めてのようだ」 「スペインの支援で自由が訪れた」 教皇がホアンに「まだ追放する気はない 妻を呼べ この場にいるべきだ」 ルクレツィア「修道院に入って神に仕えたい お父様が反対でも私の人生よ」 「ホアンが正しい 後にしろ」 「言いつけで何人もの豚と婚約した」 「男は皆豚よ あなたも 父親なら私を護るべきよ」 「守ってる 全力でお前や家族やローマも」 「キリストの名で私を売春婦扱い チェーザレも」 「娘はもう一人いる ラウラだ」 ホアン「駄々っこだな」 喜ぶ人々を眺めるチェーザレ。 「奇蹟は祈る者だけに起きる?教皇の才覚でローマにいる ローマは自由 奇跡だ」 ルクレツィア「保護を 逃げてきました 入れて下さい We beg sanctuary. We are running for our lives. Please, I beseech you, take us in.」 コルンバ「誰からの保護を求めますかYou seek sanctuary? From whom?」 「父からの From my father.」 「父親から?Your father?」 「教皇アレクサンデル6世ですPope Alexander VI, Supreme Pontiff of Holy Mother Church.」 扉が開き中に入るルクレツィア。 やけに“もてなし”を強調すると思ったらジュリアの解放には理由があった。「なしにするか去るか」という教皇の無茶ぶりに任侠っぽいやり方でしっかり応えたジュリア・ファルネーゼを姐さんと呼ぼう。 フランス撤退を奇跡と喜ぶ民衆の中で「神ではな父が為した行為」と冷静に分析するチェーザレ。怖かった兄ホアンを出し抜いてDVに悩む妻を逃がし脅されても理屈で言い負かす。フランス王にも怖気づかないいつの間にかこんなに強い女性に成長していたルクレツィア。 首飾りにつられたり自己評価が低かったルクレツィアも過酷な経験や最初の頼りない夫次の恋人の不実に傷つき遂に昔願っていた修道院行きを父に告げる。しかし互いの気持ちがすれ違った父から「娘はもう一人いる」と打ち捨てられてしまう。 第11話 神の怪物 God's Monster 1493年7月。スペインの支援により敗北したフランス軍がナポリから撤退。ロドリーゴは空位となったナポリ王にホアンを推すが、枢機卿たちに反発される。そんな中、信仰があっても報われないチェーザレはホアンから衝撃の告白を聞き、修道院に身を寄せていたルクレツィアは神の奇跡を目撃する。 オリヴェイロ・カラーファ枢機卿「フランスが敗れ名ポロ王の座が空位に 聖下 国民にかわってお願いします 先の王の弟フェデリーゴ・ダラゴーナを王にSince the defeat of France, the kingdom of Naples has been without a sovereign. On behalf of my flock, I ask you, Holiness, to invest Federigo d'Aragona, brother of our late liege, with the crown.」 教皇「フェデリーゴは善人だが統治者としての経験は乏しい 彼が王では不安だFederigo is a good man, but he has little experience in government. We fear more unrest if he rules.」 「彼は提督だHe is an admiral.」 ジュリア・ファルネーゼ「政治以外の話は?Must we talk politics?」 教皇「 今はだめだYes, La Bella.」 「では御婦人方は別の部屋で噂話をしましょうThen come, ladies, we shall adjourn to a more festive room and gossip...」 「美形と噂のコルドバ将軍に会うのが楽しみ」 チェーザレ「ダラゴーナは問題を起こした一族 王位を与えるべきか」 教皇「トリカリーコの王子を推薦する 結婚によって一族と縁戚関係にもある」 カラーファ枢機卿「悪くとらないでほしいがあなたはブラッチャーノで敗れ教皇軍からも見放された 国を統率するには力不足という証では?」 ホアン「戦いで実力を証明すればナポリ王として歓迎するか?」 「いいでしょう」 シスター・ルチアの聖痕を見て驚くルクレツィア。 娘を見る法皇「すべての娘は純潔のままでいるとする法を定めよう」 ジュリア「私も娘だけど純潔のままでいさせる?」 「いつも通りジュリアは例外だ」 「私が彼女に会いに行けば落ち着く?」 ジュリアが修道院を訪ねて来る。 ジュリア「泥まみれの汚い道をようやく来たのに」 ルクレツィア「純潔でいるために何かが必要だったの」 「それが修道院?世間の現実から自分を隔離して真実がどこにあるの?」 「宮殿でいた頃より神が近い ジュリア 天職を見つけた」 「あなたが幸せなら私は幸せ」 ルクレツィアと抱き合いながら後ろにいるパンティシリアを見つめるジュリア。 ホアンはセックス中。「教皇は息子がユダヤ人と寝て何ていうかしら?」 コルドバ将軍が来るのにホアンはいない。ウルビーノ公もやって来る。 スペイン人はユダヤ人追放を強要する。 教皇は美形のペドロを見てルクレツィアへの使者にしようと考える。 教皇「公爵や伯爵でなく農民の息子がローマを救った」 フランチェスコ「彼が救った?あの青年を使うのか」 「神は神秘的だ 突然彼が現れた」 ジュリア・ファルネーゼ「教皇はお兄様の判断を信頼しているのよ 大きな出世よ 良い勉強いも “他人の願望を知ることは弱みを知る手掛かりになる”Rodrigo sees you as uniquely qualified to make decisions in his name. A large step and good training. "Listening to the desires of others is the key to learning their weaknesses."」 ジュリア「ルクレツィア」 アレッサンドロ「哀れな子だ」 「哀れ?誰もが満足なんてない 教会にいた方がいいと教皇に進言した」 「お前にも」 「 言葉は計算ずく 欲しいものを得るためI calculate my words, however false, to get what I want.彼女を訪ねた話をしたとき真実を話すのを忘れてた 幸せそうだった 彼は他の娘で満足すべきなの ラウラ」 ペドロがルクレツィアを訪ねる。 ルクレツィア「どんな伝言でも興味はない」 ペドロ・カルデス「でも伝えるのが役目です」 「私を恋しがってた?私を政治的陰謀に利用できずにね 人生をキリストに捧げるためにここに残る」 「私は品位に欠け粗野ですみません」 「修道女になる?あなたを解雇します。あの少年とバチカンに帰りなさい 出ていって」パンティシリアを解雇するルクレツィア。 皇帝ネロの黄金宮殿ドムス・アウレアにやってくるホアンとチェーザレ。 チェーザレ「彼はここに住まずバカ騒ぎを行っただけだ 何世紀も埋もれていたが」 ホアン「我々に関係でも?」 「ローマ帝国の栄光の日々に誘う この発見は素晴らしい前兆だ」 「私がナポリ王に?」 「なぜ将軍を避けた?ウルビーノ公を避けた?」 「弟よ お前と和解したい 実力を証明せねば 将軍は自分の兵を私の教皇軍に入れるのを拒んだ」 「王が即位を認めると思うのか」 教皇「ローマが解放され聖堂の建設に着手できる 街も民も美を求めている」 ホアンがやって来る。 「ナポリの有力者とスペイン王にお前が適任だと納得させる」 ホアン「私は多くの失敗を挽回しなければなりません ユダヤ人追放を」 「だがユダヤ人は貿易の税をもたらしてくれる 税は惜しい」 ホアンはユダヤ人に改宗させる案をジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿に持ちかける。 ホアン「君と一族に栄光を取り戻す行いをしないか?洗礼だ 聖水をかければユダヤ教徒でなくなる 教皇の財を増やせる 洗礼を行う 君以外にいない」 ジュリア「ロドリーゴは可愛い兵士を送った」 パンティシリア「貞節な誓いではなく裕福な夫を求めてローマに 私は解雇された」 「開拓地では娼婦を求めてる あなたを送るわ」 「シスター・ルチアに感銘を受けているらしい」と教皇に話すペドロ。 「もし本物だと分かれば?」 「医師は指示通りの診断をする 事実よりも重要な真実がある 娘には友人が必要だ 娘の友人に」 「兄は教皇から告解を命じられた 彼をからかう」 チェーザレはホアンの告解を聞くとアレッサンドロに告げる。 チェーザレ「彼は王になれば悪事をやめるか?」 アレッサンドロ「やめない 絶対に」 「では私が彼の悪事を聞いても同じだ」 アレッサンドロ「流行なのか?」 「ドムス・アウレアの発見でネロが人気だ」 ヤコポ師が相手だと思って告解を始めるホアン。 「自分本位な行いをしたことがあるな」 「いいえ ヤコポ師 実は 長い間罪を抱えてる 命に係わる罪 その秘密は私を悩ませる」 「罪を告白なさい 罪の牢獄から心を放つ」 「神聖な告白は沈黙が守られるのは確かだな 魂の死にかけて?」 「ペドロ・ルイスを殺した イスラム教徒の仕業に見せかけ雇った暗殺者を殺害 どうだ 衝撃的だろう 神の気分を害した 二度と兄弟殺しはしない ヤコポ師?」 「許された」 「贖いは?」 「父に話すこと」 「だめだ」 「では神の愛はない」 扉を開けてホアンはチェーザレを見つける。 「とうに気づいてた 声でばれた 私の方が上手だ」 「殺人者めMurderer」 「私がナポリ王になったら訪ねてこい 司祭」 パンティシリアはヴァノッツァを訪ねて来る。 「修道院にいます 娼婦になりたくない」 そこにチェーザレも。 「娘は修道院に?初耳だわ」 「父が言うなと ボルジア家は秘密だらけ ペドロ・ルイスはホアンに殺された」 「まさか 嘘よ」 「彼が認めた 直接聞いた」 「冗談だわ」 「違うよ ママ」 「確かめなさい」 「真実なら?」 「ホアンに死を」 ホアンがマスクの男に命じる。 「弟に命を狙われるかもしれない 彼を殺せ ローマのためだ」 ヴァノッツァ「ルクレツィアに会わせてもらえなかった」 ジュリア「ロドリーゴが自分の使い以外会わせるなと 彼は本当に愛した女は二人だけといった 私とルクレツィア 平穏を得たと言ってもだめ 彼に会い彼女の決心を認めさせて」 「それは自分のためね あなたは怖い女ね」 「あなたを欺こうなんて私も愚かだった」 「私もあなたに倣うわ また敵同士 パンティシリアを雇うわ 給料は払ってね」 「ご自由にどうぞ」 マスクの男がチェーザレを訪ねて来る。 「ご安心を あなたを殺せと」 「なぜ私に打ち明ける」 「忠誠は善良な者に払われるもの Loyalty is a price paid not to the highest bidder, but the better man.私の命を捧げる」 「もう一度 なぜだ」 「仮面越しに見えた あなたは君臨する人だ」 「私に仕えるならペドロ・ルイス暗殺の真相を暴け」 「真実はいつか明らかになるもの」 教皇はウルビーノ公への謝罪を命じる。 ホアン「他人の失敗に金を払う?」 教皇「教皇職を狙う者やフランス軍をあと一歩で一掃できる 将軍の支持なしにお前はナポリ王になれん」 ホアン「作戦は失敗し あなたは捕らえられた だが私は解放できずに 悪かった」 ウルビーノ公「私は教皇に仕えると誓いました」 ヴァノッツァ「娘が修道院にいる」 教皇「母親似で衝動的」 「昏睡状態から醒めた時天職の話をした」 「選ぶ権利はない」 「娘は私でもあなたでもない」 「子供じみた犯行だ」 「話をさせて」 「計画が失敗したら母親らしいキスで迎えろ」 「あなたは神ではない」 ホアンの相手をしていた娼婦は教会でユダヤの教えを唱えホアンに放り出される。 マルコアントニオ・コロンナが囚われてくる。一方スペインからマリアが死んだと知らせが入り起こったホアンは修道院のルクレツィアを訪ねて来る。双子の子供は無事だと言う。 ルクレツィア「私は導きを求めてます あなたから 修道院に呼ばれる夢を見た 私は嘘をついて殺人をもくろんだ 親友は私の企みで死んだの ここにいることも教皇への反抗 共に祈って 私にも聖痕をと 神に」 ルチア「あなたは聖痕を望むの?」 「愛の神の印を持つことは神に祝福され許された証」 「“私は I Mean”ばかり それは自己本位と自惚れ こんな災いを願う?聖痕は信仰の深さを表す褒美ではないわ これを願うあなたは神の祝福に値しない あなたはここにいるべき人ではない」 チェーザレ「私はホアンの戴冠を阻止する」 仮面の男はマルコアントニオを殺す。 ルクレツィア「神の声を知ってる?やわらかい雪の中を飛ぶ鳩のよう それ以来神の声を探し求めていたDo you know what God sounds like? Like a dove flying through a gentle snowfall. I have been searching for the sound of His voice, the clarity, ever since.」 ペドロ・カルデス「この修道院で見つけましたか?」 「私は見つからなかった」 「あなたのような体験は戦場では存在します 良い事は最初で最後です 大切にしなくては. 悪いことは最初で最後です だから安心してください。 On the battlefield, I learned that there are experiences you can only truly have once. The good ones, you must cherish, for they are your first and last. And the bad ones Take comfort, for they are your first and last.」 「父は何て命じた?」 「友人になれと」 「父は望んでも友人は望まない」 ペドロにキスするルクレツィア。 「私の恋人に」 服を脱ぎ出すルクレツィア。 「ここで?」 ルクレツィアが戻って来る。 「よく娘を戻してくれた 彼の模範的な行動について将軍に話そう」 アピガト「彼の忠誠もホアンの企みかもしれません」 チェーザレは母の宿屋でフィオメッタと息子を見つける。 チェーザレ「あばずれめ!You whore!」 フィオメッタ「枢機卿 女は男から作られたI am the woman you created, Cardinal Borgia.」 息子を抱き上げるチェーザレ。茫然として去る。 「いつホアンは王になる」 「聖下 なれません 民が選ぶのはフェデリーゴ・ダラゴーナ フェラーラ サボイ スペイン王もフェデリーゴを承認しています」 「つまり教皇の要請は無視か」 「わかった 同意する 不幸にもホアンは妻を亡くした そこでカルロッタ・ダラゴーナとの結婚を」 カラーファ枢機卿「新王は喜ぶでしょう」 ドムス・アウレアに呼び出されるアレッサンドロ。 「注意しろ 幽霊が回りを彷徨っている プルタルコスを読んだ ネロは本当に怪物だ ところで君は父親になる」 「そうだ」 「同じだな」 「君と?」 「私の息子を死の扉から戻した」 剣を抜きアレッサンドロに迫るチェーザレ。 チェーザレ「自分は神の怪物だと思う時があるSometimes, I think that I am God's monster.」 アレッサンドロ「助けてThen do not kill me.」 「命乞いをBeg for your life.」 「殺さないでPlease, do not kill me.」 「 マルコアントニオに犯されても屈しなかった 男らしく戦った 君は男か シルヴィアの子の父親は別の男だ 君にこうがんなどありはしない 突き刺すぞ 雄牛のようにCoward. I did not whimper when Marcantonio shoved his cock up my ass. I fought, as any man would. Are you a man, Alessandro? This fetus inside Silvia must belong to someone else. You have no balls, you never had. I could gore you, as a bull does.」 「やれよ 気持ちが晴れるなら だが君は私の死を嘆き後悔から川に身を投げる 私は愛ゆえに行った 君の行いは高慢だ 神に対する酷い罪 自己愛だThen do so, if that will make you feel good about yourself. But I know you, Cesare. In an hour, you will be drowning in a Tiber of remorse, weeping over my carcass. What I did was misguided, but done out of love. What you do now is pride. The worst sin against God, self-love.」 アレッサンドロを殴るチェーザレ。 「 たった今から君と私は敵同士だYou and I are henceforth enemies...」 「あなたは君臨する人だ」ホアンの元にいたミゲル(ミケロット)が雇い主ホアンを見限る。チェーザレは自らの怪物性God's monsterを自覚し息子の存在を隠した友アレッサンドロと決別。聖女に「あなたは“私はI Mean”ばかり」と指摘され神の救いを諦めたルクレツィア。 第12話 毒蛇の台頭The Serpent Rises ナポリ王女と結婚し王子となったホフレが妻と共にロドリーゴを訪問し、久々に兄弟全員が顔を合わせる。新しい恋に浮かれるルクレツィア、女癖の治らないホアン、頭角を現したチェーザレ、そして野望に執り憑かれ、一族を守り抜いた長ロドリーゴ。ボルジア家の運命はいかに…。 ラオコーンの彫像が発掘される。 群衆「おい 来てくれ Hey! Hey!」 教皇「神官ラオコーン 古代ローマ全盛期の遺物だ この物語は教訓的だ 彼はトロイ沁みんい木馬は危険だと警告した “ギリシャ人の贈り物を信用するな”と 女神アテナはこの警告に怒り海の大蛇を使って彼と息子を絞め殺した そして市民は神官の警告を無視した 神に殺された人間が正しい事もあるThe Laocoon, a relic from the magnificent days of ancient Rome. A cautionary tale, the high priest Laocoon tried to warn the Trojans about the large wooden horse. Fear the Greeks, even bearing gifts. The goddess Athena, as revenge, sent a serpent, which rose from the sea to destroy Laocoon and his sons. The Trojans believed that Laocoon's death proved him wrong. God may destroy a man, but the man may still be right.」 ホフレが身重のサンチャを連れてローマに。 「神により子を授かった まだ顔を見ていない孫がいる 大切な孫達を抱きしめたいと切に願う」 視線を交わし合うサンチャとホアン。 コルドバ将軍とウルビーノ公がヴィルジニオ・オルシーニを連れて来る。 ホアン「なぜ遅れた」 チェーザレ「追放は戻る 異国の軍隊と共に」 ホアン「処罰の方法は私に」 いちゃいちゃモードのパオロとルクレツィア。二人をピクニックに誘ったヴァノッツァ。 「パンティシリアが戻ったわ」 「私を裏切った女よ それも酷く」 「あの女はスペインから来てすぐジュリアに仕えた お前の一言一句がジュリアに伝わった ジュリアは友人じゃない お前の敵よ」 ミゲルの所にやって来るホアン。 「私は愚か者ではないI'm not a stuped. チェーザレほど聡明ではないが弟を殺せと命じたはずだぞ 無能なのか裏切り者なのか だがお前は無能ではない 今夜は母がチェーザレの別れの晩餐会を催す 弟が屋敷を出た後墓場行きにしろ」 ホアン「教皇庁長官トリカーリコ王子は話題を選べるAs prefect of Rome, Prince of Tricarico, I can say what I choose.」 チェーザレ「兄上は勇敢だが浅はかだ 剣はあっても腕はないBrother, you have the helmet but not the brain. The sword, but not the arm to wield it.」 ホアン「サンチャ この一族の良さは非難を浴びるのを恐れずに好きに物を言えることだ」 じっと見つめ目を伏せるホフレ。 「この命より母上を愛します そして兄弟たちも」 ルクレツィア「パンティシリア 修道院を出たわ また仕えてくれる?あとはジュリアの許可が必要だわ」 パンティシリア「あの方には脅されて仕えていた ローマに来たばかりで誰を信用していいかわからなくて」 「今夜一緒に戻りましょう」 母上の店に行くというホアン。 チェーザレ「気を付けろ 上着の鈴の音で敵に素性がばれる」 チェーザレは店を探す「ホアンは?」 フィロメッタ「なぜ?自分の兄上と寝るのを見たい?」 教皇「チェーザレの運命は」 フランチェスコ「あなたが決めた だが神は別の運命を授ける」 酒場で酔っ払うチェーザレ。ホアンを殴る。 チェーザレ「息をするのは容易だ 真のボルジアは誰だ?」 ホアン「お前だ お前だよ」 そこへ仮面の男がやって来る。 家に戻ったチェ―ザレはルクレツィアの所へ。 「チェーザレ」 「話がある」 「寝るために阿片を吸ったの」 「では明日話す」 廊下に出るとパンティシリアがいた。 チェーザレ「So, tell me cous', What have you learned living in the Borgia household?ところで教えてくれないか ボルジア家で何を学んだ?」 パンティシリア「To take what I want, regardless of the cost and who gets hurt.欲望を満たす方法 たとえ犠牲を払い他人を傷つけても」妖しく笑うパンティシリア。 コルドバ将軍に金の薔薇が授けられる。儀式にホアンもチェーザレもいない。 やっと目覚めたチェーザレ。 「なぜお前が?私は禁欲を破った 昨夜のことは忘れろ」 「今度は私を打っていいわ」 表情が変わるチェーザレ。 ホアンの馬だけが戻って来る。 「長官の馬だ 鐙が切られている」 フランチェスコ「ロドリーゴ ホアンの馬が戻ってきた」 チェーザレ「すぐ仮面の男を呼べ 生死に関わる問題だ」 ユダヤ人街に行くチェーザレ「ユダヤ人が関与してたらお前たちの民族は永遠に消える」 教皇「ガセット 聖堂で一人祈っているとうめき声が聞こえた 私は気づいた あの激しいうめき声は私自身のものだ」 ホアンおつきの武官が重症で発見される。 船着き場に入る男を尋問するチェーザレ。 「昨夜何か妙な光景を見なかったか?けんかも?死体も?」 「ああ 死体なら見ましたよ 夜中の2時ころ」 「お前を見たか?」 「俺は隠れるのがうまい 仮面?実の所はわからない 毎年100もの死体が捨てられるのを見てる 探しに来る者などいない」 川さらいが行われホアンが発見される。 チェーザレ「喉が切られ7か所…9か所刺されている」 「強盗ではない 復讐です」 チェーザレが告げた言葉は音声が消されている。ゆっくりと部屋にこもる教皇。言葉もない。 「ホアンは私の右目だったHe was my right eye.」ドアが閉まる。 ルクレツィア「ホアンが死んだ」 仮面の男を探させるチェーザレ アガピト「いつもの場所にもどこにもいません」 物を壊し一人部屋で嘆く教皇。ラオコーンの修復が行われる。ジュリアが頼んでもドアは開かない。ホアンの亡骸にキスした後唾を吐くチェーザレ。 ヴァノッツァ「パンティシリアはどこ?侍女は必要よ」 ルクレツィア「誰もいらない」 ホアンの葬儀が教皇不在で営まれる。 カラーファ枢機卿「母親なのに息子の死に涙を流さない」 「誰が指揮する?」 「あなたは殺人の容疑がかかってる あなたと私とで容疑者の尋問を行う」 「なぜ呼ばれたと思っている?」 スフォルツァ枢機卿「私が殺したと思っているから」 「私は政治の表も裏も知り尽くしている 個人的な感情は持ち込まない」 「従兄のジョヴァンニは?」 「彼と一時間話せばわかる あいつはろくでなしだ スフォルツァの大胆さが少しもない 彼は神に誓った通り不能だ 哀れなろくでなしに歴史は動かせない」 アガピト「彼は何を知っているのですか」 チェーザレ「あの夜私がいた場所だ」 ルクレツィアが声をかけても二日も食事をせず嘆き続ける教皇 ルクレツィア「私達は友達だと言った友達なのに冷たい でも今でも嘆き悲しむ人を二人とも愛してる だから力を合わせるべきよ」 ジャンバティスタ・オルシーニ枢機卿 「まず話しておく 兄の命と引き換えにホアンは金銭を要求した」 「支払ったのか?」 ホアン「足りないな 私の方がずっと優位だ」 オルシーニ枢機卿「長官は限りない慈悲をお持ちだ」 「魂が卑しい」 「長官は厚情から釈放を決めて下さったのだ」 ヴィルジニオ・オルシーニ オルシーニ枢機卿の兄「もし私が謝れば?」 「そうだ」 「長官 戦争についての格言だ “よい兵士になるには敵を真似ろ それが邪悪で傲慢な臆病者でも” お前など真似るものか 命乞いはしない」 「ヴィルジニオ お前の勝ちだ その檻の中で体を曲げたまま余生を送るがいい そして死ぬ頃には足を伸ばす感覚も忘れている」 「お前と違うのは私は天国に歩いていく」 「つまり君にはホアンを殺す充分な動機がある」 チェーザレ「ヴィルジニオの連行時と同じだ 偶然か?」 「私は殺す技術など持っていない 私の一族はローマ近郊に2000年住んでいる 一族の末裔の私が死ねばオルシーニ家は絶える だが気高く死ぬ 復讐の罪を犯さずに」 「無意味な言葉だ」 「なら私も檻に入れろ」 「寝ずに棺を護った」 「彼を殺したのはホアンだと?」 「最近知ったがなぜ訊く?スペイン人を忘れたか 我々は闇討ちはしない 殺すのは戦場でだ」 「君はどうだ」 「殺してないが証明できない あなたと同じ」 「私の言葉に揺るぎはない 子供の命にかけて私は無実だ」 「我々は同盟国だ共通の敵に目を向けよう フランスに」 Guillaume Briçonnet「ボルジア枢機卿 君の裁きは受けない 息子を殺した君が裁きを受けないように」 チェーザレ「拒否するのは長官の暗殺に関与した証だ」 Guillaume Briçonnet「君が嫉妬から兄を殺した その噂は真実なのか If hearsay is gospel, I would believe that *you* stabbed the prefect out of jealousy.」 「嫉妬? Jealousy?」 Guillaume Briçonnet「原因はルクレツィア イタリア全土で噂は広まっている 君たち兄弟は妹と近親そうかん関係にあるOver the Lady Lucrezia. Rumors span from the tip of Sicily to the doors of Notre Dame, that both you and your brother have had incestuous relations with your sister.」 「よくもそんなYou dare speak such words?」 Guillaume Briçonnet「 私はそんな噂は信じない 私の主君もだ だが君の一族が異常だと簡単に信じる者たちもいるI do not subscribe to this gossip. Neither does my king. But what does it say about your family that others are so easily convinced the perversions are true?」 教皇の部屋の前で祈るジュリアとルクレツィア。それでも教皇の嘆きはやまない。 ファブリツィオ・コロンナ「ファブリツィオ真実か?君は妻のナニアを殺した」 「君たちボルジア家と一緒にするな 私は罪を心から悔いている 自分の不死の魂を信じている フランスとの同盟に私は加わらなかった」 「それならマルコアントニオを殺したあなたを狙う彼の死は当然だ 我々は彼の悪事を知っている」 吐いてしまうチェーザレ。 「答えも証拠も有力な容疑者もいない」 「一人いる 君だ」 「私は彼をよく知らない」 「捜査を担当すれば捜査されずに済むと言った 君の従兄は教皇を憎んでいる」 「だが今はフランスにいる 私は教会を愛している 恋人と同じように守るためなら何でもする ローヴェレが有罪という証拠があれば信用できる証人がいれば」 「では誰だ 誰が殺した」 「ロムルスはレムスを殺した そしてローマが生まれた 自分の一族と自分を見つめたらどうだ」 ホフレ「僕の妻とも寝た?妻の腹の子は兄上の子?」 チェーザレ「お前は中立だな だから無実だ」 チェーザレ「公用できました」 ヴァノッツァ「疑ってるの?」 「殺人者を見つけなければ 私のために」 「私は王女メディアじゃない 自分の子供は殺せないわ それがわからないなら私達は他人よ」 教皇の部屋の前に発つチェーザレ。 「兄の死が世界の終わりじゃない」 ドアをたたき壊す。背中に鞭の跡の教皇。壁にも。泣き出すジュリア。 教皇「誰が息子を殺したWho killed my son?」 チェーザレ「神ですGod.」 「神はそんなに残酷ではないGod is not so ruthless.」 「神は自分の子を殺した あなたの子も殺すHe killed his own son. Why would he not kill yours?」 何日かぶりに皆の前に姿を現す教皇。 「これ以上の悲劇はない 神の国にいる誰よりもホアンを愛していた 深い悲しみが魂に入り込んだ 生きる興味を全て失った 神は我々を私を罰した ホアンが殺される理由はない 息子がラザロのように墓から蘇るなら教皇の冠を差し出そう」 よろける教皇をチェーザレが支える。 「殺した者も殺した理由もまだわかってない だがスフォルツァ コロンナ オルシーニの一族は無罪とする 神よ 罪人をお許し下さい 決心した 直ちに ローマ・カトリック教会への義務を果たす もはや私利私欲は捨てる 現世の歓びは慰めにはならない 改革を開始する 聖ペトロの座に上り詰めると約束した通り 私は誓う 聖なる槍に」 拍手する枢機卿たち。 堅い表情の教皇 ジュリア「この部屋を前よりも美しくするわ ネロの黄金宮のように」 教皇「出ていけ ローマから 私は聖職者だ 一人で生きる」 「どこへ行けと?ロドリーゴ お願い」 ルクレツィア「ペドロと結婚したい」 教皇「望みを叶えてやりたいがダメだ 明日スペインに行き修道女に 兄の遺児を育てなさい」 「娘とは反抗的なものだ だがお前は兵士だ」 「はい 従います」 「そんな 嫌よ」 ペドロ「私のために祈って Pray for me, sweet Lucrezia.」 ルクレツィア「幸せだったのにI was almost happy!」 「 降伏とは肉欲でなく神に仕えることだLust is not happiness, child. Being faithful to God's truth is.」 チェーザレ「嘆くのはおやめください ホアンの死には重大な悲劇が潜んでいます 彼はペドロ・ルイスを殺した」 教皇「死者に対して何という偽りを」 「コルドバが証明します 悲しみを和らげるためにお伝えしたのです 謁見は延期に?」 教皇「だめだ」 「明日の実りのため過去は葬るWe will bury the past in the rich soil of tomorrow.」 教皇「フェデリーゴに王位を授け国を出ろ 大司教就任以来バレンシアを訪れてないな」 「スペインに行き聖職者の役目を果たせWe command you to go to Spain and fulfill your pastoral duties.」 チェーザレ「父上 もし私が大司教も枢機卿も辞めたいと言ったら?And what if, Father, I said I no longer wished to be archbishop? Nor wear the red robe of a cardinal?」 「私の耳は聞こえずお前の口の動きも見えないWe would, like a deaf man, stare blankly as your mouth moves.」 枢機卿「私の従妹のジュリア―ノも自分の息子の死のように嘆いています」 教皇「彼を枢機卿会議に戻せ 全て許す」 チェーザレ「肉親を去らせ敵を近づけるのですか」 教皇「彼等は敵だがいつも真実のみを話した 私の息子達とは違う 行け ボルジア枢機卿」 ローマを去るジュリア。 「彼を変える方法が?」 アレッサンドロ「私は新しい同盟を組む」 「兄上の遺産です」 鎧に手を振れるチェーザレ。 チェーザレはルクレツィアを訪ねる。ここからのクライマックスが凄い。 「ごめん また起こしてしまった 話がしたくてお前と 記憶がない どんな罪を犯したのか 私が殺したのか?」 「殺してないわ」 「なぜそう言える ローマ市民は誰もが私を疑っている なぜ責めない 何か知っているなら私を苦しみから解放してくれ」 泣き出すチェーザレ。彼を見つめて何か考えている風のルクレツィア。 「あの夜ホアンを見たわ お兄様に喉を斬られかけた後 でも彼は生きてた 酔ってもいなかった 冷静だった」 ホアン「また死に魅入られた 今回は死の接吻を受ける寸前だった ルクレツィア 私の魂は罪の重荷で潰されかかっている 死ねば地獄の炎に永遠に焼かれる」 「何をしたの?」 「12歳の時父は私をペドロ・ルイスの元へ 彼の強さも 彼に向けられる人々の愛も 彼が生きている間は私は上に立てない だから彼は死んだ ペドロ・ルイスは マリア・エンリケスはお産で死んでない 船がマルセイユに停泊中に船長を買収して妻を絞殺させた」 ルクレツィア「あなたは悪魔だわ Do not fear the devil, Juan, for you are he.」 「真実の愛がほしかったのに ルクレツィア お前だけが」 「教皇に話すわ」 「夜明けに教皇にひれ伏す」 「天国に行かせまいと」 ナイフでホアンを刺すルクレツィア。 「お前が?9回刺したのか」 「死ななかった ペドロは兵士よ 殺し方を知ってる」 斃れるホアン。 話を聞いて茫然とするチェーザレ。 ルクレツィア「私にも人を殺せるのが驚き?」 「 I tried to give myself to God, but he refused. And am I not following the example of my father and brothers? Am I not a Borgia? Do not hate me.神に身を差し出したけど拒絶された 父上や兄たちに倣ったの 私もボルジアよ 憎まないで」 チェーザレ「お前にはいろいろな思い出がある だが憎しみはない お前は勇敢だった 私よりも イヴはアダムより勇敢だった 禁断の果実を勧められイヴは楽園以上の存在を知ったI have a great many feelings towards you. Hate is not one of them. You have acted bravely. More bravely than I. In the Garden of Eden, Eve showed more courage than Adam. When the serpent offered the forbidden fruit, she knew that there was something better than paradise.」 「私達は愛し合ってると噂だ 本当だと証明しよう 嘘を真実に」 しかしチェーザレはペドロが隠れているのを見つけてしまう。 チェーザレ「だましたな お前まで」 「やめて」 教会で改革委員会の発表をしている枢機卿団と教皇。そこへペドロとチェーザレが駆け込む。 ペドロは教皇の法衣を掴む。 「私の法衣に触れれば聖域の中 剣を置け」 「従います だが彼の言い分を聞いて欲しい」 「何もしていません」はずみでペドロの手が離れる 「聖下に嘘をつくのか」 駆けこんでくるルクレツィア。後ろから背中を刺されるペドロ。倒れ伏すルクレツィア。血がばっと教皇に散る。 チェーザレ「 息子は父の人生を讃える存在 その人生が無意味で無価値でも だが息子が男になるには自分の名を高め父の名前より偉大にしなければ 歴史を通して光り輝く名前にしなければ 私はチェーザレ・ボルジアだ!A son exists to glorify the life of his father, as meaningless and worthless as that life might be. But if the boy is to become a man, he must glorify himself, and make a name even greater than his father's. A name that will shout throughout history.I am Cesare Borgia!」 黒い衣で剣を持ち去っていく。何も言えない教皇。 噂するジョヴァンニとアレッサンドロ 「チェーザレかホフレが殺したと噂になってる」 「ルクレツィアに手を出されペドロ・カルデスが殺した?」 「真実はわからない その方がいい」 川にはパンティシリアの死体が。 修復なったラオコーンの像を見つめる教皇「古代の神々は誰もが残酷だった 我々は賢くも神を一つにまとめ愚かにも愛している そしてまた愚かにも短く傷着きやすい人生を愛している 我々の望みに関わらず元の状態に戻すのだThe ancients had many gods, all cruel. How wise of us to consolidate them into one supreme being. And how foolish we are to love God - to love so deeply something as brief and fragile as life.Rodrigo Borgia: This should be as it was, not as we wish it to be.」 像の腕を壊す教皇。 「見つからぬ場所に埋めろBury the statue where it will never be found.」 一人部屋にこもる教皇。 マザーグース風に言えば「誰がホアンを殺したの?」ミステリー仕立てで第一容疑者チェーザレのその日の行動と尋問が描かれる。枢機卿将軍など外部に加え父と末弟以外家族も容疑者というボルジア家の恐ろしさと恨みを買いすぎるホアンの行状が露に。 いやー、いつ我々の知るところのチェーザレになるのかと思ってたらラストで一気に弾けた。教皇と妹の目の前の殺人、剣を抜くとシュッと血が教皇の顔に飛び散る。もう父に従順なPopeの道には戻れない。「I am Cesare Borgia!」チェーザレの高らかな独立宣言。 ラス回でなぜかホアンもチェーザレもルクレツィアに熱視線。チェーザレなんて「どうせ噂になってるんだから噂を本当にしちゃおうぜ」とノリノリ(をい)。青い鳥は自分の目の前にいましたとさ…なんてキレイな話になるもんですか。 原題のSerpentとはボルジア家の誰にも当てはまる。第1話で自らに鞭うった息子チェ―ザレと最終話で息子の死に際し鞭打った父教皇。頑なに聖職者を歩ませようとしたのは同族嫌悪か。神に殺された神官と息子二人の像が示唆するのは。覇道へ突き進む教皇一族。 この先見たかったです!途中からお目付け役につけられたアガピトは最後までチェーザレに付き従い、ルクレツィアに彼の死を告げる使者となる。 【レンタル落ち】DVD ボルジア 欲望の系譜 全6巻セット【中古】afbブックセンターいとう 楽天市場店

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