映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。ブルックス・ブラザーズが破産申請したようですね。
​映画英国総督最後の家​を見ました。

英国総督最後の家
VICEROY'S HOUSE

出演
ヒュー・ボネヴィル　ジリアン・アンダーソン　マイケル・ガンボン

音楽
A・R・ラフマーン

　第二次世界大戦で疲弊した英国は、2世紀近く植民地支配してきたインドの返還を決定。宗教とカースト制度による対立が根深い現地の指導者層へ、円滑に主権を譲渡する命を帯び、ルイス・マウントバッテンが最後のインド総督として着任する。英国からの独立が決まった、1947年のインド。国の総督に任命されて主権譲渡の準備を進めるマウントバッテン卿と、その妻エドウィナと娘が新しい住まいにやってくる。その屋敷は、およそ500人もの使用人がいて、大広間と迎賓室が各3部屋、食堂は10部屋、映写室完備という大邸宅だった。そこで統一インドかパキスタン分離かの激しい議論が繰り返される中、インド人スタッフのジートと秘書のアーリアは惹かれ合っていた。独立後の統一インドを望むヒンドゥー教徒・シク教徒と、多数派から分離してパキスタンを建国したいムスリム（イスラム教徒）連盟の対立は深刻で、各地の暴動に発展していた。統一インドを主張するネルーやガンディー、ムスリム連盟のジンナーといった指導者たちと折衝を重ねたマウントバッテンは、ついに苦渋の選択をする。

　独立までは一つだったのに、いざ独立すると分裂し始める。一体何だったんだと周辺国は思うだろうが、第二次大戦後しばらくの平和が続いたものの、すぐに対立する米ソ大国だって言えた義理じゃない。インド独立にも、背後には英米・ソ連の駆け引きがあった。一つの国として独立したかったガンジーは花火が上がる夜にふて寝を決め込むが、何も知らない国民は歓喜の声を挙げて町に繰り出す。やがて始まる虐殺も知らずに。

　何度も言っているが映画製作者はヒュー・ボネヴィルの困り顔がどんなに魅力的か知っているに違いない。というわけで、今回の彼の配役も良心的に努めようと行動しつつも、いや、するが故に苦悩する役どころ。スカリー捜査官のクールな姿も良いが、高位の毅然とした姿も似合うジリアン・アンダーソンが妻エドウィナ役。政治の世界に翻弄される郷に対して、エドウィナの方がインドの生活改善に熱心で、インド人との接触を嫌がる召使に即座に首を言い渡す場面は彼女のフェアな姿勢を際立たせる。

　英国からの独立を控えていた1947年のインドを舞台に据えた映画。主軸となるのは主権譲渡のためにインドを訪れた英国の総督とその夫人、その家で働き愛を育みながら宗教対立により引き裂かれてしまうインド人の男女。そう、インド人はほんのつかの間一つになり、瞬く間にインド人とパキスタン人に分かれる。ジンナーを狡猾な人物に描いたためか、本作はパキスタンで上映禁止に。1947年のインド・パキスタン分離独立を現地で体験した祖父母を持つグリンダ・チャーダが監督。エンドクレジットに実際のマウントバッテン郷らの映像も登場。ウィキペディアで読んだ、この後も劇的だったマウントバッテン郷の最期についてはエンドクレジットで触れられず。


​
英国総督 最後の家 [ ヒュー・ボネヴィル ]​​楽天ブックス​