映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。鮮やかな背負い投げを持ち味に「平成の三四郎」と呼ばれた柔道の古賀稔彦さんが亡くなりましたね。

映画光を見ました。

光
Radiance

監督＆脚本
河瀬直美

出演
永瀬正敏　小市　慢太郎　藤　竜也　神野三鈴　水崎綾女　樹木希林

　　視覚障害者向けに映画の音声ガイドを制作している美佐子は、仕事を通じて弱視のカメラマン雅哉と出会う。美佐子は雅哉の無愛想な態度に苛立ちながらも、彼が過去に撮影した夕日の写真に心を突き動かされ、いつかこの場所に連れて行って欲しいと願うようになる。命よりも大事なカメラを前にしながら、次第に視力を奪われてゆく雅哉。彼の葛藤を見つめるうちに、美佐子の中の何かが変わりはじめる。やがて症状が悪化し、視力を失いゆく雅哉を間近で見つめるうちに、美佐子は……。

　独りよがりで音声ガイドを作っていた美佐子が、視覚障碍者たちの意見を聞きながら納得できる原稿を作り上げるまでの過程を、雅哉との恋愛を絡めて描く。健常者は普段使用しないので気づかない音声ガイドがどのような過程を経て作られるかを知ることができる。結構時間をかけて作っている印象。確かに語りすぎてもいけないし主観を全く入れないのもぶつ、ぶつ、と切れてしまっておかしくなる。なかなか難しい。人間は視覚をベースに実に様々なことを想像するんだな、という当たり前の事に気づく。恋愛過程自体は反発していた男女二人があることをきっかけに親しくなっていくという王道を踏襲。

　雅哉の失われてゆく光、その事により失ってゆく日常の生活とかつての妻、美佐子の失踪した父など、映画には失われていくものが多く登場する。にもかかわらず映画で強調されるのは光。というより、失くしたからこそ切実に光を求める人達を描きたかったのかもしれない。

　河瀬さんのラブストーリーって初めてかもしれない。若い頃はやんちゃキャラを演じていた永瀬さんがこんな一癖ある、台詞がなくても場をもたせられる中年男性を演じられるようになったとは。『あん』でも組んでいるから河瀬監督のお気に入りなんだろう。

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