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April 7, 2022
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みなさん、こんばんは。ウクライナの首都キエフがキーフ読みになりましたね。
今日も韓国に関係のある書籍を紹介します。

搾取都市、ソウル ――韓国最底辺住宅街の人びと (単行本)​
イ・ヘミ
訳伊東順子
ちくま書房

 地=半地下の住まい、屋=屋根部屋、考=考試院の略である。

私達はそれぞれ映画やドラマでそれぞれの住まいを見ている。半地下の住居といえば、カンヌ映画祭グランプリに輝いた『パラサイト 半地下の家族』の主人公一家が住んでいた。道路で殺虫剤をまけば部屋にまで入ってきたり、大雨が降った時は、家具がぷかぷか浮いていた。もともと朝鮮戦争時に防空壕として作られたものなので、仮住まい設定なのだ。にもかかわらず、現在は仮ではなく常に住む場所になっている。

 『屋根部屋のネコ』『屋根部屋のプリンス』などタイトルに登場する他、多くのドラマに登場する屋根部屋は、貧しい若者が住む場所の象徴だった。一見空に近く開放的に見えるが、こちらももともと管理事務所や給水タンクなど、人間が住む場所として建てられたものではない。屋上は避難場所でもあるので、プライバシーもなく簡単に人が入ってこられるし、壁が薄いため夏は暑く冬は寒い。

 考試院はもともと大学入試や公務員試験の受験者が、いわゆる缶詰になって試験勉強をする小部屋だった。こちらも一定期間のみの仮住まいなので、机やベッドなど必要最低限のものが置けるスペースしかない。トイレや風呂は共同だ。

 現在韓国で安価な住居とされる三つは、いずれも永住できる環境として設定されていなかった。そんな場所に低所得者が永住しているから無理が生じる。その無理が露わになったのは、2018年11月9日にソウル市鍾路区で起こった国一考試院の火災である。放火ではなく電気ストーブからの出火で、消火器があれば消し止められたかもしれない。ところが建築台帳には「考試院」ではなく「その他の事務所」と登録されていたため、安全点検の対象から外れていた。非常ベルや非常口、避難用の緩降機もなかったという。

 安全は担保されないにも拘らず、安くても家賃はきっちり取られる。都会ソウルを目指して地方から人々がやってくるから、住民には事欠かない。安全管理に問題がある安価な住宅チョッパンは、管理人とは別にオーナーがいる。そのオーナーは江南あたりに家がある裕福な一族だという。つまり、富裕層が貧困ビジネスで儲けている構図だ。住民たちは「いつかは抜け出す」と思ってはいるものの、暮らしが楽にならず、その“いつか”がやってこないまま、ずるずると生き続けている。

 やむなく永住をしなければならないなら、安全な住環境にするべきだ。住環境提供者は「選んだからには居住者にも責任がある」と自己責任論をふりかざすが、それが逃げであるのは明らかだ。国民に最低限の生活を保障する義務があるはずの政府にも、矛先が向けられてしかるべきだ。韓国のみの問題として見るのではなく、日本でも同様の構造はある。取り締まれば抜け道を見つけ出す狡さと、見逃さない鋭さとの攻防は果てしなく続く。セーフティネットから取りこぼされる人がいない社会を作らなければならない。


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最終更新日  April 7, 2022 12:00:13 AM
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