2023/05/28(日)00:27
黄金を夢見て 一人 また一人と倒れてゆく男たち 映画「ゴールデン・リバー」
みなさんこんばんは。今年、惜しまれつつこの世を去った音楽家・坂本龍一の没後初となる大規模個展「SOUND AND TIME」が、中国成都市(四川省)に新しくオープンする成都木木美術館(人民公園館)[M WOODS (People’s Park), Chengdu]の開館記念展として行われます。
今日もジャック・オーディアール監督作品を紹介します。
映画ゴールデン・リバーを見ました。
ゴールデン・リバー
The Sisters Brothers
2018年・第75回ベネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)
監督&脚本
ジャック・オディアール
出演
ジョン・C・ライリー ホアキン・フェニックス ジェイク・ギレンホール リズ・アーメッド
ゴールドラッシュに沸く1851年、最強と呼ばれる殺し屋兄弟の兄イーライと弟チャーリーは、政府からの内密の依頼を受けて、黄金を探す化学式を発見したという化学者を追うことになる。政府との連絡係を務める男とともに化学者を追う兄弟だったが、ともに黄金に魅せられた男たちは、成り行きから手を組むことに。しかし、本来は組むはずのなかった4人が行動をともにしたことから、それぞれの思惑が交錯し、疑惑や友情などさまざまな感情が入り乱れていく。
「ディーパンの闘い」「君と歩く世界」「真夜中のピアニスト」などで知られるフランスの名匠ジャック・オーディアール監督が初めて手がけた英語劇。
これ、一攫千金を狙って西部へやってくる男達の物語なので、ウェスタンの定番である。しかし激しい感じがしないのは、やはりヨーロッパ出身監督だからなのか、どちらかというと情に流れた内容である。
弟がホアキン、兄がジョン・C・ライリーとくると、出来た男は印象としてホアキンに見えるが、実は逆。危険と背中合わせのこの稼業をやめて、堅気に暮らしたいのがライリー演じる兄で、裏社会(というほどではないが)のトップに君臨してやるぜ!と意気盛んですぐ切れるのがホアキン演じる弟。成り行き上弟が騒動を起こし、いつも大人しい兄が尻ぬぐいをする。今回のクライマックスでも、追いつ追われつする奇妙な関係の四人に友情が生まれかけた矢先に、命にかかわる下手をうつのは弟の方だ。それでも兄はたった一人の弟を切れずに誰もが戻るべき場所に戻る。
原題はシスターズ・ブラザーズ。パトリック・デウィットの原作は日本語訳も出ている。シスターズが姓である。邦題はゴールドラッシュメイン、原題は兄弟メインだが、原題の方が内容に合っている。
ゴールデン・リバー [ ホアキン・フェニックス ]楽天ブックス