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2023/12/11(月)21:08

私の夫は何者なの? Apple TV+史上で最も視聴されたリミテッドシリーズ  ミステリ「彼が残した最後の言葉」

海外のミステリー&ファンタジー小説(712)

みなさんこんばんは。俳優のパイパー・ローリーが亡くなりましたね。 今日はミステリを紹介します。 彼が残した最後の言葉 The last thing he told me ローラ・デイヴ 早川書房  表紙絵は背中を向ける二人の女性。こちら側を向いている女性は不満そうだ。こちらを向いているのは16歳のベイリー。向こう側を向いているのは、彼女の義母ハンナだ。ハンナはベイリーの父オーウェン・マイケルズと出会い、結婚した。ハンナを嫌いなわけではないが、オーウェン以外の親戚がいないため、ベイリーは父親が取られてしまうのでは?とハンナに反発し、そうしたベイリーをオーウェンがたしなめ、ハンナは理解しつつも受け止める。そんな日常が続くはずだった。  ところがある日夫が消えた。妻のハンナに残されたのは「彼女を守って“Protect her.” 」と書かれたメモと、夫の連れ子ベイリー。そしてベイリー宛ての大金が入った鞄。直後、夫が働くテック企業に巨額の詐欺の疑いがかかり、ハンナは失踪の謎に迫る。  プロット自体は王道だ。バックグラウンドについて話すことのなかったオーウェンの過去が、第三者の手によって明らかになる。最も自分をよく理解する人、かつ自分が理解している人だと思っていた夫が突然いなくなり、外部は犯罪者扱い。しっくりこないベイリーと暮らしていかなければならない。しかし「~しなければならない」という義務感だけで、にわか親子関係が構築できるわけがない。それでも守るべき子供を持つ母親として、かつ未成年を守る大人として、ハンナは独自に調査を開始。するとFBI調査員が彼女の前に現れる。話を聞くうち、彼等に従う方がいいのだと思いかけるが、ハンナに疑問が浮かぶ。もし最善の方法だと思うなら、なぜオーウェンは最初から彼に頼まなかったのか?さあここでハンナは誰を信じればいいのか迷う。手がかりはハンナに託された手紙だけ。過去を話さなかったので頼るべき人も見つからない。孤立無援になる中で、次第になさぬ仲の母娘が心を通わせていく。  過去を知ってからオーウェンと一切接触ができない中で、家具デザイナーのハンナが何をどう選択していくかがスピーディに描かれる。一方で、なぜハンナがそこまでオーウェンを信じるのか?という答えが過去の二人のエピソードで紹介。義母にプチ反抗期だったベイリーも成長する。文字通り、彼の最後の言葉にすがりながら、言わなかったその他を探り、自分がどう対処していくか決めていくサスペンス。 ​彼が残した最後の言葉 [ ローラ・デイヴ ]​​楽天ブックス

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