2024/06/13(木)00:00
“友情よ”じゃなくて “結婚よここで終われ”では? ミステリ「友情よここで終われ」
みなさんこんばんは。スイスで15-16日に開かれるウクライナに関する首脳会議「平和サミット」をめぐり、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が中国への批判を強めています。中国がロシアによるサミットの妨害に加担していると主張しているのです。人気ミステリの最新作を紹介します。
友情よここで終われ
In Ewiger Freundschaft
ネレ・ノイハウス
創元推理文庫
コジマと離婚し、熱烈な恋愛をして結婚したカロリーネの連れ子グレータが最悪で、オリヴァーはイライラ。ピアも元夫ヘニング・キルヒホフに自分をモデルにした小説を書かれ、ラブシーンまで出てくるものだから、現夫に気を遣ってヒヤヒヤ。と相変わらずプライベートも大忙しコンビの最新シリーズ。
著名な編集者であるハイケが失踪した。彼女の家のドアには血の痕があり、二階には鎖でつながれた老人がいた。ハイケの父らしい。一人で生活できない父親を置いて失踪したのか。それとも事件か。捜査が始まり、血痕はハイケのものと判明する。殺人の動機を持つ者として、彼女に作品の剽窃を暴かれたベストセラー作家が浮かぶが、出版社の社長をはじめ、怪しい人物が増えていく。刑事オリヴァーとピアが出版業界をめぐる事件に挑む。
今回の舞台は出版界で、読書イベントや作者と編集者のやり取りなど、モデルがいるのでは?という憶測が飛び交いそうだ。元夫の作品タイトルがノイハウスのもので、メタフィクション的な遊び心がある。読者が声を揃えて言いたいのは、「オリヴァー、もう結婚しなくていいからね」では?幸せを追及したいのかもしれないけど、女運が悪すぎる。というか、別れてからの方がコージマといい関係になっているから、距離感が近すぎるとダメなのだ。ピアが「ボスはすぐに事件の関係者好きになるんだから気を付けてくださいよ、今回も」というと「君の旦那だってそうだろう」と返されるシーンは爆笑。
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