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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさんこんばんは。俳優の三浦透子(28)と音楽家の有元キイチが1日、結婚したことを発表しました。今日もヘンリー・ジェイムズ作品を紹介します。
アメリカ人 The American ヘンリー・ジェイムズ 中央公論社 パリ、ルーヴル美術館で、絵を模写している女性をじっと見つめている男性の描写から物語は始まる。彼の目について 「無邪気と経験が奇妙にまじりあっている目」 「冷たくはあるが暖かくもあり、明けっ放しであってしかも用心ぶかく、抜け目がなさそうでいてしかも騙されやすく、自信がありながらしかも疑い深く、大胆でありながらしかも内気で、この上なく聡明でしかもこの上なく愛想がよく、譲歩はしても、その譲歩にはどこか反抗的なところがあり、その遠慮深さには人に絶大な安心感を与えないではいかないものがある」 やけに詳しい説明がなされる。彼が主人公クリストファー・ニューマンだ。彼は更に模写している絵を買いたいと「コンビヤン?(おいくら?)」を繰り返す。フランスに来ていながら、フランス語はあまり堪能ではない。絵を描いていた女性はノエミ・ニオシュ、クリストファーのお相手ではない。 成功したアメリカ人の富豪クリストファーは36歳。名門クレール・ド・サントレ夫人にプロポーズ。ただ。このプロポーズの発想が、トロフィーワイフ的だ。 「ぼくは高貴な女性がほしい。その点は譲りません。ぼくにできる贅沢といってはそれだけなんですから。そして手に入れることができるなら、手に入れるつもりです。それができないようだったら、この長年の間、何のためにあくせく働いてきたのか分かりません。ぼくは成功した。では、その成功をどう使えばよいか?ぼくが考えるところでは、それを完全なものにするには、記念碑の上の象のように、ぼくの作り上げた財産の上に独りの美しい女性をのせなければならない。」 「ぼくにはずっと前から自分の心が分かっています。美しい妻というものは、この世の中で手に入れる最も価値あるものだ、とぼくはかなり早い頃から決めていたんです。それは環境に対する最も大きな勝利です。」 富を得たアメリカ人が、伝統を持つヨーロッパ人に求愛して財産を使わせる代わりに、彼等の伝統と格式を手に入れる。この逆パターンが『黄金の盃』『鳩の翼』で、言い寄られる側から描いているため、裕福なアメリカ人の富を使って自分のやりたいことをやろうとするバイタリティ溢れるヨーロッパ人女性が描かれた。 本作でも、家族の彼の富に対す欲望もあり、クレールは求愛を一度は受け入れる。しかし、家門のプライドから撤回して、その罪滅ぼしに修道院入りをする。クレールの家族にはおぞましい秘密があり クリストファーは彼らにその証拠を握っていると仄めかしてアメリカに帰る。経験が浅いがあけっぴろげなアメリカに対して、生活基盤も無いのに体面を取り繕うヨーロッパという対比がされている。 サントレ夫人と逆の女性キャラクターとして、クリストファーがルーヴルで出会ったノオミが配されている。絵を買ってくれたクリストファーに対して、すかさず「父についてフランス語レッスンを受けませんか?レッスン料は相談の上」と持ち掛ける。『黄金の盃』のシャーロット、『鳩の翼』のケイトに連なるヒロインだ。 実際、ヒロインとして魅力的なのは人として善人かどうかはさておいてノオミである。クリストファーが執着するクレールに、さほど魅力が感じられない。結婚を受け入れるのも断るのも全て家族任せで、取り柄といえばただ美しいのと家系だけ。実際に暮らして本当にそんな味気ない妻でクリストファーが満足できたのか定かでない。だから変な復讐心に囚われずに終わるこのラストで良かった。 ![]() アメリカ人 上 ヘンリー・ジェイムズ/著 高橋昌久/訳 ![]() アメリカ人 下 / 原タイトル:The American[本/雑誌] (マテーシス古典翻訳シリーズ) / ヘンリー・ジェイムズ/著 高橋昌久/訳ネオウィング 楽天市場店 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 18, 2025 12:00:24 AM
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