映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ロシアやウクライナが和平合意への到達を「とても難しくする」なら、アメリカはウクライナでの戦争をめぐる協議の仲介を「見送る」ことになると述べました。
映画エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス​​を見ました。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス​
Everything Everywhere All at Once

アカデミー作品賞　監督賞　脚本賞　編集賞

監督＆脚本
ダニエル・クワン　ダニエル・シャイナート

出演
ミシェル・ヨー　アカデミー主演女優賞
キー・ホイ・クァン　アカデミー助演男優賞
ジェイミー・リー・カーティス　アカデミー助演女優賞
ステファニー・スー　ジェニー・スレイト　ハリー・シャム・ジュニア　ジェームズ・ホン

　コインランドリーや家族の問題と、トラブルを抱えるエヴリン。ある日、夫に乗り移った「別の宇宙の夫」から全宇宙の命運を託されてしまう。そして彼女はマルチバースに飛び込み、カンフーの達人の「別の宇宙のエヴリン」の力を得て、マルチバースの脅威ジョブ・トゥパキと戦うこととなる。

　エヴリンはマルチバースの他のバースでは、カンフーの達人、歌手、シェフなど、様々なバージョンの彼女が存在する。会話などで この表現を用いる場合は「デジタル・デバイスやソーシャルメディアにより人の生活は便利になったが、同時に何もかもが、いつでもどこでも、押し寄せるように、1度に起こるような時代にもなった」ことを意味する際に使われる。当初、この脚本はジャッキー・チェンが主演を務めることを想定して書かれていたものだったが、ヨーに変更したため、内容が大幅に書き換えられることになった。

　英語も使われるとはいえ中国語も飛び交う。韓国作品がアカデミー賞を先にとっているのだから当然だが、英語圏以外の作品がアカデミー賞を取れるようになったか！と感無量。

　　マルチバースが登場するので、くるくると画面が切り替わる。ある時は有名歌手、ある時はシェフ、ある時はカンフーを極めた達人、指がソーセージの女性、岩（！！！）が同時期に存在するという設定なので、画面が忙しい。高齢者ほどついていくのが難しいのでは。若い世代は逆に慣れているはず。

　では若い世代向けの話かというとそうではなく、ベースは親子、夫婦の愛情物語。長いこと娘を認められずぎくしゃくしていた母は、彼女がマルチバースで最大の敵となるに至り、自分が彼女を追い詰めていたことを知り、対決ではなく和解を選ぶ。リアル世界ではエヴリンはくたびれているけれどそれでも家族の中ではぐいぐい引っ張っていく役で、夫はそんな彼女についていけず離婚届を持っている。父親は昔ながらの家父長制の権化でエヴリンは駆け落ちして家を出ざるを得なかった。ところがこの二人がマルチバースではかっこいい。夫は氷上もきりりとマルチバースでは頼もしく、父親は車いすに乗りながら非情なエージェント、マルチバースでは皆が皆かっこいい姿を見せているが、リアル世界でもやがてそれぞれがいい所を見せられるようになっていく。エンタテインメントの中に、大切なのは情だから、というメッセージが含まれている。



エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス [ ダニエル・クワン ]​​楽天ブックス​