August 29, 2018

愛する母の元に帰ってきた息子は~『父と暮せば』と対を成す映画『母と暮せば』

カテゴリ:日本映画
みなさん、こんばんは。8月ももうすぐ終わりですね。台風21号が発生したみたいですが
少しは涼しくなるでしょうか?

井上ひさしさんの戯曲を元にした映画を紹介します。

母と暮せば
Nagasaki:Memories of My Son

監督
山田洋次

脚本
井上ひさし 山田洋次

原作
井上ひさし

音楽
坂本 龍一

出演
二宮和也 吉永小百合 黒木 華 浅野 忠信 加藤 健一 小林 稔侍 橋爪 功 本田 望結

 1948年8月9日、長崎で助産師をしている伸子のところに、3年前に原爆で失ったはずの息子の浩二がふらりと姿を見せる。あまりのことにぼうぜんとする母を尻目に、すでに死んでいる息子はその後もちょくちょく顔を出すようになる。当時医者を目指していた浩二には、将来を約束した恋人の町子がいたが……。

 戯曲「父と暮せば」では広島の原爆で亡くなった父が娘の元に戻ってきたが、本作では長崎の原爆で亡くなった息子が母親の元に戻ってくる。広島と長崎、父と娘、母と息子など対になる要素が多い。「父と暮せば」でヒロインの恋人役だった浅野忠信が、今度は亡くなった息子の恋人の結婚相手として登場。

 浩二は伸子にしか見えず、愛しているはずの町子の前には姿を現さない。町子に未練がありながら、やはり自分がこの世の者でないことがわかっているからで、若いながらも諦めの良さは、昭和の男の潔さなんだろうか。黒木華さんも山田洋次監督に気に入られているようだが、昭和っぽい顔をしている。

 吉永小百合さんのお母さんは町子にも近所の人にも優しい。非の打ち所のないような人に見えて、町子が他の誰かと結ばれてしまうことには複雑な気持ちを覗かせる。それでもやっぱりみんなが無条件に認めてしまうのはサユリストを生む演じる人の人柄なんだろうか。

 加藤健一さんは久々に大画面で見た気がする。闇物資を持ってきては伸子の世話を焼き、見えないはずの浩二があれこれと茶々を入れたり、彼が登場する場面は、シリアスな内容が続く本編でユーモラスな雰囲気になる。

 原爆描写は、従来の映画ではいきなり空が光ってきのこ雲と死者が積み重なるニュース映像に変わる事が多かったが、今回は浩二が授業を受けているといきなり空が光り、持っていたインク壺の形が見る見る変わって浩二の姿も消える…という爆弾の瞬時の熱が分かる形になっていた。



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最終更新日  August 29, 2018 12:23:47 AM
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