October 20, 2019

いかにもフランスらしい 自分の最期の決め方~映画「ルージュの手紙」

カテゴリ:フランス映画
みなさん、こんばんは。やはりパレード延期になりましたね。その方がいいですよ。
先ごろ『真実』プロモーションのため来日したドヌーヴが出演したフランス映画​
ルージュの手紙を見ました。

ルージュの手紙
SAGE FEMME

出演
カトリーヌ・ドヌーヴ カトリーヌ・フロ

監督
マルタン・プロヴォ

 パリ郊外で助産師をしているクレールに、30年前に行方がわからなくなった血のつながらない母ベアトリスから電話がかかってくる。クレールは30年前、最愛の父親の前から突然姿を消したベアトリスのことをずっと恨んでいた。ベアトリスを愛していた父はその傷を癒すことができず、クレールを置いて逝ってしまった。その後クレールは仕事一筋で一人息子も医師を目指している。クレールはベアトリスの失踪後に父が自殺してしまったこともあって、自由奔放に生きてきたベアトリスを受け入れることができない。しかし、ベアトリスの過去の秘密が明らかになり……。

 これ、どっちかというと「手紙」ではなく「ルージュの伝言」でいいんだけど。やはりユーミンの歌を想起させるからやめたのか?だって最後に残していったのはルージュで書いたキスの跡だったから。

 フランスを代表する女優のカトリーヌ・ドヌーヴと『偉大なるマルグリット』などのカトリーヌ・フロが共演。ほっぺがふっくらしたフロと「『シェルブールの雨傘』のスリムさがどうしてこんな姿に?」という全体にどっしり肉がついたカトリーヌ御大。キャスティングを逆にしたら絶対はまらない。今どきこんな自覚的な自己チュー女性を演じられるのはカトリーヌ御大しかいない。私生活でもマルチェロ・マストロヤンニとの間に子供がいるのに結婚してないし。映画で演じる役を地で行く感じ。

 そんなゴーイングマイウェイの女性が家族にすがりたくなる理由といえば一つしかない。不治の病である。病気がわかっても「飲む・打つ」をやめないオヤジのようなベアトリスが急に連絡を取ってきてやれ借金を返して欲しいだの一緒に住みたいだの言いたい放題。頼るのはクレールが断らないと知っているからで、とってつけたような謝罪が派手すぎる花束だったりと、まあわかりやすく人を傷つける女性としてのベアトリスの造形が素晴らしい。

 すがっていた彼女が最後に潔さを見せる。「この最期がいかにもフランスらしい」と家人は言っていたが、描写もはっきりとは書かない。ただ、クレールに菜園に連れてきてもらったベアトリスが湖にあるボートをじっと見ていたこと、ベアトリスが姿を消してから菜園の前にルージュの伝言があり、湖に行くとボートに水が入ってもう使い物にならなくなっていたことから、ベアトリスがどういう最期を選んだのかが暗示される。



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最終更新日  October 20, 2019 12:15:29 AM
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