February 27, 2020

「新しい年の幕開けだ。いい年でありますように。いや贅沢は言わない。」なんて言ってる場合じゃありませんよ葉村さん!2020年1月NHK総合で連ドラ化ですよどうします?~ミステリ「不穏な眠り」

みなさん、こんばんは。
今NHKでドラマが放送中の若竹七海さん原作のミステリシリーズ最新作を紹介します。

不穏な眠り
若竹七海
文春文庫

「新しい年の幕開けだ。いい年でありますように。…いや贅沢は言わない。今年こそ、病院に担ぎ込まれませんように。調査料を踏み倒されませんように。依頼人が死にませんように。」
なんて新年からショボい頼み事をしていた葉村晶シリーズが何とNHK総合で連続ドラマになった!しかもハムラアキラとなぜか全部カタカナ読みになってる!それだけでかっこいいじゃないか。演じるのはシシドカフカさんと、こちらも全部カタカナ読みだ!何だか番宣ポスターもかっこよくて同一作品と思えないぞ!

 さて、そんなこんなな(どんなだよ)葉村晶の最新作が短編集で登場。このヘーワな日本で何ひとりハードボイルドやってんだよと言いたくなるような願いごとだが、実際彼女の身の回りではこれらの事が日常茶飯事で起こっているのだから仕方ない。あ、彼女と言ったがアキラという名前でも、れっきとした女性である。最近では現場に赴いて驚かれることもなくなったらしい。(『新春のラビリンス』より)

 周辺からも「何であんたは厄介ごとに首を突っ込むんだ」と散々言われるが、主人公なのだから首を突っ込んでくれないと物語が進まない。まあだからといってどこまで酷い目にあわせるかは読者の預かり知らぬところだが、ただ毎回彼女が酷い目に遭う所ばかりを見たいわけではないのだ。人に見えないものが見えてしまう賢さも、仕事と割り切ってしまえない良心も、何度人の悪意と対峙してもぶれない強さも、持ちすぎて(普段は見せないけど)いる彼女が垣間見せるもろもろ、人間的魅力と言ってしまうと「それだけかい!」なあれやこれやを見たいのだ。また、そうしたあれやこれやが、彼女が知らず知らずのうちにエンドマークをつけたはずの事件に一歩踏み込むきっかけを作っている。

 終活で蔵書の処分を頼んできた女性がもう一つのお願いとして頼んできた旧友の娘の引き取りに隠された真意が最後に爆発する『水沫隠れの日々』
幽霊ビルの噂が立つ建物の警備という簡単な仕事が殺人事件諸々に結びつく『新春のラビリンス』
葉村の働くミステリ専門店でGWに〈鉄道ミステリフェア〉簡単な店番の仕事が、値打ちものの時刻表が盗まれてしまい、次々と持ち主を探すことになる『逃げだした時刻表』
こちらも終活といえば終活で、遺品を故人の事を大切に思う人に渡したいという善意が眠っていた過去を掘り起こす『不穏な眠り』四編収録。

 ほら、最初は、本当に簡単そうに見える依頼ばかりだろう?


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最終更新日  February 27, 2020 12:00:20 AM
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