多分この仕事が今までの私の人生の中で最も緊張したものだった。
申し訳ない、また今回もこのブログを滋賀の古い友人達の為に使ってしまうことを許してほしい。現在オランダのアムステルダムから30分の町に出張している。これは出生先のホテルで書いている。去年の5月に私が開発した画期的な新システムをちの会社のシカゴ工場の製造メインシステムに導入し、生産効率が大幅に向上した。そのお陰で私は年間約3人が貰えるAce Awardを受賞し、私は更に昇進し、部下も増えた。実は先にシカゴ工場に新システムを導入したのは言わばオランダ工場の導入のリハーサルみたいなものであった。新システムを導入し、もしシカゴ工場のメインの製造ラインが1日でも止まったら会社としては私の年収の何倍どころの損害では済まないが、アメリカと中国を除く国、特に全てのヨーロッパの国のユーザーに我社の製品の消耗品を製造を担当しているオランダ工場が私の設計ミスが何かで止まってしまえば、私だけのクビだけでは済まなくなるものである。それが昨日に起きてしまったのだ。..... Three, Two, One, Zeroで 製造のメインラインのスイッチを現地の担当者が入れた瞬間に製造された全ての消耗品がDefect Garbage box(不良品を回収する大きなゴミ箱)に見事に入って行った。工場長、副工場長、メンテナンス担当者...そして私が今回アシスタントとして連れ来たJose君、私を含めその場にいた全員が頭の中真っ白になってしまった。特に担当オペレータはメインラインのスイッチを切ることも出来ず、技術担当の副工場長がスイッチを切れ!と叫ぶまで、あぁぁ...と製造された物がゴミ箱に入っているのを見ているだけであった。その場にいた全員が私を睨んだのは言うまでもないだろう。彼らの気持ちは十分に理解できる。その新システムはシカゴの工場で昨年の5月から現在まで何の問題もなく、24時間稼動しているものであり、全く同じシステムをオランダ工場に導入したのでこういう問題は絶対に起こるはずがなかったのであるが...しかも私は去年にAce Awardを受賞したベストのエンジニアだとオランダ工場の全員に思われているので彼らのショックは大きいものだったようだ。私は自分が設計したシステムに絶対の自信があったが、このプロジェクトのリーダーは私、どんな事が起きようと全て私の責任になる。シカゴの工場の日記にも書いたが、問題は私が開発した新システムから発せられる信号を既存の装置が正確に受け取っていないことになる。不幸はその日の朝から始まっていた。既存の装置を設計したエンジニアが病気になって医者に診てもらうことになったので午前中は来られないと告げられていたが、結局はその日は会社に来られないという連絡が午後になってあった。なんでやねん、俺たちを殺す気か!文句だけを言っても何も始まらない、現在目の前にある物だけを使って何とかするしかないのだ。私はさすがにこういった修羅場を何度も経験しているだけあって、直ぐに冷静に判断することができた。私は何も出来ずにおろおろしているJose君にPull oneself together!(落ち着け、しっかりしろ!)と言い、信号を確認する為にオシロスコープ二台を接続する場所を彼に指示した。Jose君は厳つい顔をしているのに滅茶苦茶プレッシャーの弱い奴なのである。副工場長に信号のデータを取るために申し訳ないがもう一度製造ラインを5分だけ動かせてくれとお願いしら、快く承諾してくれた。オシロスコープ二台で十分な信号のデータを採取した私はJose君にデータをUSBメモリに落とし、私に渡すように指示した。そしてJose君に次の仕事は私をホテルまで送ることだと言った。現場で作業すると周りの者達からのプレッシャーだけでなく、余計な質問にいちいち答えなければならないのでデータ分析に集中できないのだ。誰にも邪魔されない自分のホテルの部屋でコーヒーでも飲みながら持参したラップトップの画面を睨むのが一番効率がいいことを今までの経験から判っている。副工場長も私にプレッシャーをかけることは言いたくないのは良く判っているが、彼の立場としてはこれを言わなければならなかった。Can you manage it by tomorrow morning?そして私は彼に彼が一番聞きたい言葉を言ってやった。Yes, I can! I never failed ! (勿論、私、失敗しないので!)ほんと、TVドラマじゃないが、強烈な言葉であり、聞いた者は本当に凄く安心することを言っておく。但し、一度でも失敗したら、今までの功績が台無しになることも言っておく。私が失敗しないのは本当である。私は本当に仕事に関しては失敗したことがないのだ。なぜなら失敗しそうなものは絶対に引き受けない臆病者だからである。そうは言っても会社では仕事は選べないので、絶対に失敗しないという確信が持てるまでは絶対にそういうことは言わないのだ。10%以上の不安がある時は”OK, I'll give it a try anyway!”(とにかく試してみるよ!)という風に最初から失敗することを前提に話を進めるので私が失敗したことにはならないというカラクリを正直に言っておく。もし明日の夜までに本稼動できなかったら、副工場長としても出荷スケジュールの変更や工員さん達に残業させて手作業で行わなければならず、人の手配も今から変更しておかなければならないのだ。TVドラマの中ではなく、実際にこういった緊迫した現場で実際にそれを言えた人間は少ないかもしれない。そう言った瞬間にオランダ工場の設計担当者のミスも全て私が被ることになるが、それは百も承知だ。そして副工場長が言ってくれた様に、その設計担当者が明日までに元気になって出社してくる保証はない。Jose君にホテルまで送ってもらった私は自分の部屋で仕事を始めたが、元気になったJose君は何かに気付くかもしれないのでこのまま工場に戻ると言って去って行った。そしてホテルの部屋で仕事していた時に出口の無いトンネルに入ったような感じになってしまい、気分を変える為に滋賀の友人達にLINEで”俺、もうアカンわ、明日クビになるわ!”とつい弱音を吐いて心配させてしまったのだ。”ほな、早よ日本に帰って来いよ!また美味しいラーメン屋が駅裏にできたぞ!”という間の抜けた返事で何だか勇気が出てきた。そして二時間後、私は完全に不具合の原因を解明した。オランダ工場の設計担当者とは私が来るまでに散々打ち合わせをしたが、彼が提出した信号のタイムチャートに間違いがあることを採取した実際のデータから見つけた。全ての不具合現象が説明がついた。私の推理は間違いのないものであった。修正は1時間もかからなかった。私は直ぐに副工場長に電話したら、滅茶苦茶喜んでくれて、それなら今日はもう部屋でゆっくりしていてくれ、明日の朝一番にテストしようと言ってくれた。そして明日の夜には新システム成功を祝うために街で一番のSushi Barに連れて行くと言ってくれたのだが、まさか本当に連れて行ってくれるとは思わなかった。副工場長もメキシカンアメリカンのJose君なんて生の魚を食べられるとは思わなかったが、お構いなしだった。そして今日の朝一番、私は自分の凄さに感動してもう少しで涙がこぼれるところであった。..... Three, Two, One, Zero始動した製造のメインラインは高速で消耗品を次々に正常に製造していった。ホテルの部屋で一人、頭の中でマイクロセカンド単位で複雑な信号のやり取りをシュミレートしたものが実際にこうして稼動しているのを見るとエンジニアとして感動するものである。その日私がいた午後5時まで完全に正常に稼動し続けたし、その後も全く不具合なく現在時間までの14時間以上も稼動している。皆さん、御免やで!駅裏にできたラーメン屋に行くのはもう少し先になったわ!そして約束通りに私がFacebookに掲載したものをここに貼っておく。会社の同僚達が凄く心配してくれていたので、先にFacebookで同僚達に報告したことを悪くおもわないでくれ。と言うより、ええ加減お前達もFacebookに登録してくれよ。連れて行ってくれた店が"All you can eat"だったので、俺はこの程度の扱いかぃ!と思ったが、アムステルダムではさすがにケチで知られるオランダ人だけあってそこそこ高級な店でも"All you can eat"になっている。ホタテや甘エビなどを注文すると2ユーロ以上も追加されるので注意するように。と言うより、カリフォルニアロールなどの巻き寿司以外を除いて日本人が好むネタは追加料金がかかると思った方がいい。私は払ってないのでいいのだが、ちょっとぼったくりの様に感じた。何れにせよ、FBに書いているが、舌の上でとろける生のホタテには本当に驚いた。サーモンはそこまで行かないが、シカゴで食べるサーモンとは別物である。ノルウェイ産だと聞いた。さすが古くから港町として栄えたアムステルダムである、生魚に関しては滋賀で食べるものとは全く新鮮さが違う。どのネタも魚臭い匂いが一切しないのである。そしたら副工場長がオランダ人は少しでも魚が臭くなたら食べない、魚には厳しいと言っていたが、本当の様な気がする。シカゴの回転寿司屋さんでは冷凍されて送られて来たネタが使われているのが一般的であると話したら、オランダ人にとってはそれは信じられないものだと言われた。全然知らない魚も食べたが、それも美味しかった。日本以外に美味しい寿司を食べられるところって絶対にない!とこれまでの人生で信じきっていたが、それをこの歳になって根底から覆えされたような感じだ。東京には江戸前という東京湾で獲れる魚が美味しいのと同様にオランダはアムステルダムが北海に面しているので、オランダにはアムステルダム前寿司がちゃんとあるのだ。オランダの寿司屋が江戸前を真似したらダメなんだろうなぁ...アムステルダム前寿司を貫いていることも美味しさに繋がっているのだろうなぁ。オランダ特産の小エビが乗った寿司も美味しかったなぁ...やはり世界は何処でも行ってみることが大事なんだろうと思った。ドイツは何度も行っており、すぐ近くにあるオランダは同じようなものだとずっと思っていた。これだけ料理がこれだけ違うとは...追記 [1/8/2020]オランダでの仕事はまだ終わっていないが、大きなプロジェクトは95%以上は終わった。そうなるともう私は旅行気分になっている。昨日連れて行ってもらったスシバーがあまりにも美味しかったので、オランダの海鮮料理を色々と試してみたいという考えが仕事のことよりも頭で一杯になっている。出張中の経費は全て会社が支払ってくれるし...プロジェクトリーダーの私の場合は一回の食事で使える金額はUnlimitedであるが、今回連れ来た運転手兼エンジニアのJose君の場合は一回の食事が$50までなので、私だけが彼の目の前で豪華な食事をするわけには行かない。つまり私はJose君と同じ$50(6000円弱かな?)に合わせるのも良い人間関係を保てる。でも$50で十分であった。プロジェクトが成功したので現地のオランダの同僚達は私を気遣ってオランダの海鮮料理の情報を色々と教えてくれるのだ。ほんと、Friendlyな人達である。問題は運転を任せているJose君が本当に生魚ばかり食べさせてくれるレストランでいいのか?という心配があるのだが、彼は私は食べたい店で全然大丈夫だといつも言うのだ。シカゴでも寿司は人気であるが、私の周りのアメリカ人の90%以上は絶対に生魚は食べない、と言うより、毛嫌いしていると言った方がいいかもしれない。実際に昨晩にスシバーで私やオランダ人の副工場長がホタテの刺身は美味しいからとJose君に何度も勧めても彼は何とか一切れだけ飲み込んだような感じであった。アメリカでは自分をちゃんと主張しないと生き残れない社会であり、ボスが選んだ店で大丈夫だと言えば私は遠慮なくに自分が行きたい店に行く!こうやって私はこの22年間を米国企業で生き延びてきた。但し、運転するのはJose君であり、慣れない土地での仕事をした後なので彼が疲れない程度の運転距離を考慮するのは上司の務めである。現地社員達が勧めてくれた店は恐らくJose君には強烈だったかもしれない。モロに生魚を食べさせてくれるレストランだったからである。結構お洒落なバーだった。結構高そうだったが、会社の経費で落ちるので私は全然気にしない。特に大きなプロジェクトを成功させた後の食事である、私にとっては$100であろうと$200であろうと値段を気にせずに料理を注文できる。そういう楽しさが出張にはあるんだなぁ...でもこれぐらいはなくてはね。Jose君は私が注文した生牡蠣が運ばれてきて見た時に”ほそみちはこれをそのまま食べるのか?”って不思議そうに訊いてきたので、レモンを絞って上からかけてスプーンでパクっと食べたら彼はポカンとしていた。この生牡蠣はFlat Oyster(ヨーロッパヒラガキ)と呼ばれるものの中でもオランダでしか食べられない種類のものであり、現地社員のお勧めであった。広島の牡蠣が最高だと私は思っているが、このFlat Oysterはオランダ人が自慢するだけあり、日本の牡蠣とは違った独特の旨みがあった。ほんと、満足したぜ!そしてこのCrab Meat Burgerも強烈であった。野球のボールよりは小さいが、サラダで包んだカニの身が詰まったバーガーが滅茶苦茶美味しかった。カニの身とバンという組み合わせは間違いのような気がしていたが、現地の人達が美味しいというものは是非食べたかったのだ。そして大正解であった!カニの身もこんな風に食べても美味しいのだ。Jose君はサーモンが好きだというので、それならここはスモークサーモンが美味しいと勧めたのであるが、やはり彼は食べ物はグリルしたものでないとダメだった。彼は結局サーモンステーキを食べたのであるが、何でも試さないとダメなんだなぁ...見識が広がって行かない。ローカルな人間で終わるか、世界で活躍できるか...なんて、そこまで大袈裟ではないが、基本は皆が美味しいと言うものは何でも試してみることだと私は思っている。その気持ち一つだけで私の歳になると違ってくるものは大きかったと私は感じている。私が食べる料理のほとんどは日本料理であり、それもインスタントラーメンが多いが、それは色んな国で色んな食べ物を試した末に出した結果である。言っておくが、日本のインスタントラーメンが如何に美味しいかが判ったのも他のものを沢山食べたから真の価値が見えてきたと思っている。新しいものを食べるとその90%以上は私の口に合わないものであるが、それでも一つ二つと未知なる旨い味を知っていくものであり、それは本当に楽しいものなのだ。これも私の一種の財産と思っている。追記2 [1/09/2020]工場の横の横のビルにファイナンス部やIT部など所謂ホワイトカラー達のオフィスがあるのだが、今日はそこで何かのお知らせの短いミーティングがあった。そういうミーティングの後にはちょっとした立食会があるのだ。私を寿司屋に連れてくれた社内でNo.2の副工場長が自ら料理を作っているではないか!その料理を食べながら彼と色々と話したのだが、こういう時に自ら腕をふるって部下達を労うのもボスとして大事なことらしい。と言うのも部下達が料理の前にずらっと並び、副工場長が彼らが持っている皿に料理をのせてやるのは一種の名誉な仕事らしいのだ。自分で料理して、部下にそれを配って、自分は一番最後に残ったものを食べる、そういうのを見せるのも彼の仕事の一つなんだろうなぁ...何れにせよ、社員達は大事にされているのがよーく判った。それにしても彼が作ったチキンが素人と思えないほど美味しいのだ。彼は料理は上手なのかもしれないが、はっきり言ってど素人には違いないのに...彼と話していてその謎が解けたように思う。なるほど、そうだったのかと私は非常に納得した。何だと思う? 料理の好きな人ならよく考えたら必ず判ると思う。それは食材の新鮮さなのである!料理はチキンが主であるが、そのチキンは刺身にしても食べられるほどの新鮮なものだったのだ。真ん中の鍋には焼き鳥だったのだが、チーズ並みの柔らかさなのである。こんなチキンは私は生まれて初めてである。副工場長を含め、現地の社員達はオランダの料理は食材の新鮮さが命だと皆は言う。一概には言えないそうだが、オランダのそこそこのレベルの人達は魚でも鶏肉でも少しでも古くなったものは使わないそうなのだ。今回それを非常に納得した。そして調味料は塩とか胡椒とか極めてベーシックなものだけというのも大切らしい。だからか...オランダで食べた料理は好き嫌いの激しいこの私でもほとんどのものが食べられるし、美味しいのは...手の込んだ料理の場合は食べる人にとって慣れていない調味料などを使うのでどうしても好き嫌いが出てくるが、塩とか胡椒ぐらいの味付けだったら素材の味の勝負になり、それは食材を新鮮なものにすることで自然の味を引き出さされている。まぁ早い話が、オランダ人はフランス人の様に料理を作るのに幾つもの鍋を使ったり、時間をかけてやるのが面倒臭いので、ぱっぱっと出来る料理を作るのであるが、その料理を手間かけずに美味しくする方法が食材だけは新鮮なものにするということらしい。料理をする前に食材を揃えた時点で美味しいか美味しくないかが決まっていると言う。まぁ素人の副工場長が話したことなのでどこまで本当かは判らないが、私はその話に納得している。更に言えば、刺身を作るのなんて新鮮な魚を買ってきて切るだけでいいのだから共働きの家庭にはお手軽な料理になる。但し、日本の刺身の様に見た目が美しいというものではないことも私は知っている。そして日本人が見たことのない変な姿をしたヨーロッパの魚でも何でも海から獲れたものは何も手を加えなければどれも旨いということを私は今回の出張で悟った。要するに魚の料理の場合、オランダは古くから港町として栄えており、は新鮮な魚が容易に手に入る。日本人の刺身と同じくそのまま塩だけをかけただけで食べるので、何でも美味しいのだろうと思う。最後になるが、アムステルダムだけでなく、我社の工場近くのスーパーマーケットの店員でさえ、私が英語で話したらちゃんと英語で答えてくれるのには驚いた。オランダ国民の70%~80%半数近くがオランダ語と英語を話すことができ、半数近くが3カ国語を話すと聞いて驚いた。3つ目の言語はフランス語やドイツ語になるらしい。私も3つの言語を話すが...日本語と英語と中国語(但し、麻雀する時だけ)。驚いたが羨ましくは思わない。日本では大半の人は日本語だけしか話せないが、それは日本だけでちゃんと生活できていた証拠であり、決して恥ずべきものではないのだ!海に囲まれている日本と違って、オランダみたいに小さな国は近隣の国々と繋がっているという地理的なものもあるが、主な理由はそういう近隣の国々と繋がらないとオランダ国民だけでは生活していけないということである。私が知っている香港人は皆英語を流暢に話すが、それはイギリスの植民地だった歴史を持つからであり、アジアの国で白人の植民地にされなかったのはタイと日本しか無い。タイの人達には申し訳ないが、当時の西洋人にとってタイは植民地にする価値がなかったからだと言われている。その良し悪しはどうであれ、日本は自ら命を捨てて戦艦に飛び込んで行った若者達がいるから西洋人が容易に植民地には出来なかったという歴史は覆すことは出来ない。私はネトウヨでも何でもなく、極めてニュートラルな人間だと思っているが、私を右側だと感じる人は左側に寄っていると考えた方がいいかもしれない。ハラキリという言葉はアメリカだけでなく、オランダでもよく知られている言葉であり、日本人は自分の命で責任を取り、決して逃げない勇敢な国民だと世界で思われていることを私は感じる。英語ができないことは決して恥ではないことをハッキリ言っておく。しかし英語が話せるとほんと、色んな国の人と繋がりを持てるので見識が高まることも事実である。追記3 [1/11/2020]Oh My God!!! オランダからシカゴのオヘヤ空港に帰って来た時のカスタムで私が捕まってしまうのである!オヘヤ空港に迎えに来てくれた嫁さんが私がなかなか出て来ないので何かあったに違いないと思ったと言う。その通り、何かあったのである。入国審査の時にいつも訊かれることだけど、植物とか農産物をアメリカに持ち込んでいないか?と訊かれた時にI have nothing to declare.と言ってそのまま通り過ぎて、Baggage claimでスーツケースを取って、最後にカスタムを通り抜けようとした時に捕まり、別室の怖い場所に連れられた。私は今回の出張と長旅で疲れており、早く家に帰ってゆっくりしたいのになぜ私がこんな目に遭わなければならないのか!と腹が立ってきて係員にI have no agricultural products or plant!!!と怒った声で言ったが、そんなことで開放してくれる係員ではないのは言うまでもないだろう。結局私はスーツケースとバックパックを調べられる間、じっと待つ以外なかった。最終的には私は何も没収されることもなく、そのまま開放されたのである。私も余計な時間を取られ、腹が立っていたのでTell me what kind of agricultural products you found!と何度も言ったが、係員は最後までハッキリしたことは言ってくれなかった。つまり彼らの手違いだったと私は思っている。しかしなぜ私が捕まったのかの仕組みを匂わせてくれることは話してくれた。係員は私のスーツケースやバックパックの中を見てもいないのに私が農産物を持ち込んでいることをちゃんと知っていたのだ。どうも原因はこれらしい。或いはこれかもしれない。オランダの名物はチーズだと現地の者達が聞いていた私はオランダのスキポール空港でそれを買うことを決めていた。今までの私の海外出張からお土産を買う時間が十分に無い時は空港内のお土産店で買うのが安全だと思っている。というのも空港内のお土産店はその国を代表する選ばれた特産品を置いているからである。普通の店で買うよりはかなり割高になるが、あるレベルの品質は保証されているのでゆっくり現地の店を回れる時間のない出張時のお土産は空港で買うことが多い。KLMのチェックインを済ませ、スーツケースを預け、出国ゲートを過ぎるとDuty Freeの店やその国の特産品を売っている店が並んでいるが、出国ゲートを過ぎた後の店でコーラの一本を買うのもボーディングパス(搭乗券)をスキャンされる。早い話が、オランダを出国し、アメリカに入国するまでのDuty Free期間中に買った全ての商品のデータが入国先のシカゴ空港に届いているのである。お酒やタバコなど、無税で持ち込める数量が限られており、カスタムを通過する時にそれを誤魔化そうとしても渡航先のシカゴの係員は私がオランダの空港で何を幾つ買ったのかを全て知っているのである。嫁さんと息子達のお土産のリクエストはオランダの美味しいお茶だったので、私は結構奮発して高いお茶の缶を二つ買った。チーズはどんな種類の物を買ったらいいのか判らなかったので店員さんに訊いたら、お土産用のチーズ3個セットを勧めてくれたのでそれを買った。その時にお土産店の前で日本語でラーメンと書いてある店を見つけ、思わずそこに入った。ラーメンや寿司を食べらる店である。私は海外出張すると出来る限りラーメンを食べることにしている。海外にある日本ラーメンと呼ばれるものを試してみたいのである。私は醤油ラーメンと海老の天ぷらを注文したのだが、なぜか海老フライが出てきた。まぁいい、ここはオランダだ、仕方がない。空港内なので高いのは仕方がないが、この二つで日本円に換算すると3300円ぐらいになる。私はウェイトレスにJapanese Hot Teaと言ったのだが、直ぐにそれをキャンセルした。日本のお茶が5ユーロ(1ユーロ120円ぐらいだから600円ほど)もするのである。急須にお茶が入っていなく、単なるHot Waterであれば無料なので、それにしたのだ。よく行く近所のSUSHI STATIONでもお茶は1ドルぐらいとられるが、日本人の私は600円も出してお茶を飲む気分にはなれなかった。海老フライは美味しかったが、醤油ラーメンは赤唐辛子が入っていたりして私には残念なものであった。胡椒も店には置いていないし...日本のチキンラーメンがどれだけ美味しいかがまた再認識されるのだ。海外での日本のラーメンが不味いのは予想していた通りだったが、その店を出てから妙に喉が渇くのものであった。でもそれが幸運を運んでくれたのだ。急に喉が渇いた私は日本料理店近くの飲むために他のお土産さんでコーラのボトルを買ったのだが、お金を払う時にその店の女性店員さんがオランダ名産もチーズを試食してみたらどうかと細かく刻んだチーズの皿を目の前に差し出した。おぉ...これは... 凄い!今までのチーズの概念を根本的なに覆すようなチーズであった。この歳になると驚くような美味しい食べ物に出会うことは滅多になくなるものであるが...いや、チーズと言うよりも上等なスルメを柔らかくした物と言った方が正しいかもしれない。たった今不味いラーメンを食べたばかりであるが、そのチーズの一切れで食欲が沸いてくるようなものだった。小さな三角形のチーズが日本円で約2000円近くしたが、私は即そのチーズを買った。そしてそのチーズのことで私は嫁さんに怒られるのである。実はその時に店員さんが勧めてくれたチーズがもう一種類あり、そのチーズはスルメ味とは違う言葉では説明できない味であるが、それも滅茶苦茶美味しかった。嫁さんが買ってきたチーズを一口二口食べた直後に感動してしまい、どうしてもっと買ってこなかったのかと叱られたのだ。余計なオランダのカップなんて買うお金があったのなら、このチーズを買うべきだったと...私もかなり後悔している。あの時にどうしてそのチーズを買わなかったのかと...嫁さんも私も今回私が買ってきたチーズが今までで一番美味しいものだという意見は一致した。言っておくが、嫁さんと私の意見が一致することは滅多にないのに...嫁さんは「これ、癖になる、やめられへんわ。」と言って、何度もチーズを薄く切って食べていた。そしてこのチーズが申告しなければならない農産物の種類の物だったかもしれない。恐らく入国の時に訊かれた時にI have nothing to declare.とは言わず、I have some fermented food. Do I need to declare them?と言っておけば大層な検査装置で私の荷物を調べられることなく、簡単な目視チェックだけで済んだかもしれない。オランダ空港で買ったものなので、商品の裏にどんな種類の食品なのかが詳しく記載されているからだ。完全に真空パックされている商品であれば没収されることないと聞いており、滋賀のお袋に滋賀の名産である鮒ずしを送ってもらう時も没収されることは今までに一度もなかった。100%確実な話ではないが、このチーズもちゃんと真空パックされていたので没収されずに済んだのではないかと思っている。丸型の硬いチーズだけなら大丈夫だったかもしれない。歳を取ったからであろうか、あるいは嫁さんも私も食いしん坊だからであろうか、今までに味わったことのない美味しい物に出会った時は凄く嬉しい。しかし一旦美味しいものを知ってしまうとそれが食べられない苦しさも同時に味わうことも言っておく。幸いに今回の出張で私のアシスタントを務めてくれたオランダ人のR君が私がシカゴに帰っても何かして欲しいことがあれば僕で出来ることなら何でもすると言ってくれたので、今回我々が使ったツールをシカゴに送ってもらう時にそのチーズも買ってきて箱の中に入れてくれと頼む積りである。ちなみにオランダ人は公私混同してもあまり気にしない人達であることも言っておく。嫁さんはこれだけ美味しいチーズなので絶対にシカゴでも手に入るはずだと言うが、鮒寿司がシカゴでは逆立ちしてもぜったいに手に入らないようにそのチーズもそういうものかもしれない。R君、期待してるぜ!