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2004.12.03
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カテゴリ:Life in VietNam
飛行機の外には、ほとんど光らしいものが見えない。漆黒の闇の中に、ポツンポツンともれる生活光があるだけ。そのかすかな光が徐々に大きくはっきりとしてくる。地上との距離感をつかめないまま外を眺めていると、突然大きな衝撃。着陸したようだ。
これから生活へのかすかな期待と、多くの不安、旅行とは違う荷物の重みが、俺をいっそう疲れさせる。

2週間前、夜の11時ごろ。ようやく入稿が終わり、帰り支度をしていたとき、社長に呼ばれた。
だいたい何を言われるのかは予想がついた。社内では、1ヶ月ほど前から、ベトナムのハノイに本格的に事務所を作るといううわさが流れ、同僚とは誰が「いけにえ」になるんだろうと話していた。ハノイに行くこと、すなわち、それは社長と一緒に暮らすことなのだ。

社長の前に立つ。社長は、社内で誰よりも頭ひとつ突き出るほどの大男。横幅も誰にも負けない。それに・・・左手の小指がない。何を意味するか・・・わかる人にはわかるだろう。ここは、社長家族が経営する20人ほどの小さな会社。社長こそがすべての世界。

予想通り、ハノイ行きの話をたんたんと始める。話をしっかり聞いておかなきゃという俺の意思とは別のところで、呆然とする自分がいて、言葉が耳に入ってこない。気がつくと、机の上には、長期出張の申請書。作り笑いをしながら、書類を受け取り、一礼して社長の前を離れた。

その後、膨大な量の仕事の引継ぎをし、あらゆる仕事からはずされた。ハノイに行くこと自体はそんなに苦ではない。むしろ、楽しみなくらいだ。ただ・・・社長との生活に漠然とした不安が襲った。

つづく。








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Last updated  2005.04.19 01:04:52
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