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2005.03.17
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カテゴリ:Life in VietNam
列車では、結構よく眠れた。起きたら既に日が高かった。じっと車窓に目を這わせる。
車窓から見える山の景色は、少し違和感がある。あきらかに木が低く、山の地肌が見えているところがある。また、ところどころに大きな水たまりがある。
ベトナム中部はベトナム戦争で、もっとも戦闘が激しかった地域だ。連日、空爆され、枯葉剤を散布された。この違和感のある景色は、戦争の傷跡なのだ。
原爆ドームのように、後世に伝えるためにきちんと整理された傷跡ではない。まだ、かさぶたが乾き切っていない傷跡。少しめくるとドクドクと血が溢れてきそうだ。

以前、ハロン湾に行った時にも、すり鉢状のため池を間近で見たことがある。ギアさんによると、爆弾が落ちた跡だそうだ。そこに水がたまり、今では農業用水として使われているとのこと。放置されている戦車も見た。

ヒエンさんやギアさんなどは、戦争中に生まれた。何もかも失ったベトナムの国と一緒に育ったということだ。痛み、恐怖、屈辱、失望・・・きっと、整理し切れない程の感情と一緒に生きてきたと思う。戦後に生まれた俺達には、想像もできない経験があるはずだ。

戦争の経験はないが、ニュースなどで得た情報を書き集めて、できる限り想像してみる。

ディエップさんから、戦闘機から放たれる機関銃の弾の中を逃げ回った話を聞いた。空から機関銃の弾が飛んでくるって、どういう状況なのだろう。機関銃が火を吹く音、弾が地面にめり込む音・・・どんなだろう。爆弾が破裂する瞬間、戦車の走る音・・・何一つ実感できるものはない。住んでいる街が目に見えて廃虚になっていくのをどういう思いで見たのだろう・・

にも関わらず、ベトナム人が最も憧れる国は、なんとアメリカなのだ。彼等は口をそろえて言う。戦争をしたアメリカは、憎むべき相手だが、アメリカ人は憎むべき相手ではないと・・・この強さ。ベトナム人は、本当に強い。





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Last updated  2005.04.28 01:37:50
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