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2006.02.02
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カテゴリ:絲綢之路
クチャには、庫木吐拉(クムトラ)千仏洞、克孜爾(キジル)千仏洞、克孜爾ガ哈(クズルガハ)千仏洞の3つの石窟寺院がある。
これらの石窟寺院は、3世紀から13世紀に渡って造営されたものだ。一つの街に3つの石窟寺院があることからも、クチャでは、どれほど仏教が盛んだったかが分かる。



クムトラ千仏洞
クムトラ千仏洞


今日は、そのうちの庫木吐拉千仏洞と克孜爾ガ哈千仏洞を見学する。
庫木吐拉千仏洞は、途中から馬車でしかいけない場所にある。ツアー一行は2台の馬車に分乗して石窟寺院に向かう。



馬車
馬車


車の速さに慣れていた俺には、馬車ののんびりしたこの速度が心地いい。が、馬車でシルクロードを旅するということは、この速度でしか進めないということだ。もう少し早く進めるとしても、都市間の距離が100キロ以上。しかも、その間は厳しい砂漠。これまで眺めてきた車窓の風景を重ね合わせるとぞっとする。



馬車
馬車で石窟寺院に向かう


遠くに石窟寺院が見えてくる。石窟寺院の光景は何度見ても、生き物の巣穴に見える。自分が地球の秘境にいることを実感できる光景だ。庫木吐拉千仏洞は、3世紀から13世紀までの約1000年にわたって造営されてきた。そのため、古い亀茲様式の壁画から、唐代の漢民族風の壁画まである。この石窟寺院は、クチャの歴史が凝縮されているといっていい。

ツアー一行は、この壁画の中でも保存状態がいい壁画を見ることができた。
窟の天井をふと見上げると、珍しく頭が破壊されていない仏画。円を囲んで放射状に並ぶ13体の仏様が描かれている。これまでも、たくさんの壁画を見てきた。ほとんどが頭を剥ぎ取られたり、目の部分に穴があけられたりしていた。想像を膨らませて失われた部分を補ってみたとしても、素晴らしいものであった。

しかし、やはり、完全な状態の壁画にはその素晴らしさは及ばない。アジア系というよりも、むしろ、インド=ヨーロッパ系の顔。身につけている色鮮やかな衣も、サリーをほうふつとさせる。仏様の周りには、イスラム圏に見られるモザイク的な模様が描かれている。石窟の中には、明らかに日本の仏教観とは異なる世界が広がっていた。



クムトラ千仏洞はがき
クムトラ千仏洞のはがき


俺は一人、最後まで大きく口を開けて天井を眺めていた。





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Last updated  2006.02.03 00:34:16
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