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テーマ:山登りは楽しい(12123)
カテゴリ:TSURUGI
「らの字」も、あっさりと登山を了承した。
しかし、実は、俺とらの字は、少しビビッていた。 年中ニュースで流れる遭難事故。 しかも、剣岳は、日本で二番目に高い山でありながら、最も険しい山の一つだ。 ガイドを開くと、切り立った岩肌に、人間がクモのように貼り付いている。 命を落とす可能性は、無きにしも非ず。 インディーは、すでに登山経験者だが、俺とらの字は、まったくの初心者。 なんの訓練もなく、登っていいものかどうかも分からない。 「なぁ、大丈夫かな、俺ら」 「まぁなぁ。あいつに任せておけば、何とかなるんちゃうかな」 俺とらの字は、インディーの経験にすべてを託した。 「お前、なんか、運動とかしてる?」 「俺は、たまーに、ファミリーでテニスや。後は、ロクロの上でダンシング」 らの字は、ポッコリ出たおなかを気にして、健康器具を買い、ひそかにダイエットを試みていた。 「ははは。それ、効果あるんか?」 「あると思う」 こうして、俺達3人は、登山の準備に入る。 インディーは、ルートの決定、俺とらの字は、体力作りと買い物だ。 東京と金沢、京都にいる3人が、それぞれ寝袋と登山用リュック、登山靴を買い揃える。 遠くにいるもの同士が、一つのことに向かって準備をする。 ワクワクしてきた。 俺が求めていたものは、こういう一体感なのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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