色づく世界の明日から
自分にとって少し毛色の変わった物も見てみよう。食わず嫌いをなくそう。 そう言う事で視聴した「色づく世界の明日から」です。 日常で、誰しもが抱える、人それぞれの悩みや拘りのようなものを受け入れてゆく過程を描いているのかと思います。 作品の舞台は近未来で、尚且、何故か魔法を使える人が存在する世界。 一見してリアリティーのある背景や、キャラクター達が登場するので、我々が今いる普通の暮らしと重ねやすいシチュエーションになっています。 ただ、物語の殆どは主人公が生活する時代よりも少し過去(ちょうど現代くらい?)で展開して行きます。 まあ、青春群像劇の中に、各キャラクターの思いが消化されて行く過程を、キレイな絵と演出で、丁寧に描いていますね。 ただまあ、我々がそうであるように、登場するキャラクター達の思いや矛盾が全てクリヤーになって「おしまい」みたいなお話でも無いので、消化不良に感じる視聴者もいるかも知れません。 とは言っても、自分自身を振り返ってみても、そんなに簡単に何事も割り切れたり解消したりする訳ではないので、このお話を見て消化不良に感じると言うのは、これを見た人の心に遊びと言うか、余裕と言うか、そう言う曖昧な部分が無かったり少なかったりするのかなぁと思います。 取り敢えずワシに付いて考えて見ると、割り切れないし、解消できないし、何にしてもグレーゾーンだしで、チョッといい加減が過ぎて嫁氏に怒られたりとか、たまにするわけで、余程お話のキャラクター達の方が物事を真面目に真摯に捉えて、考えて、悩んで…とまあ、ガルパンもそうですが、良い子ばかり出てくるんですよ。 というか、最近の(と言っても随分昔からだとは思いますが…)物語作品には、まあ、ワリと「いい人」ばかり出て来ますよね。NHKの朝ドラなんかも、たまに見ると「いい人」だらけで、登場するなり主人公に辛く当たるキャラなんかも出てくるんですが、その登場シーンからして「実はいい人」って言う、雰囲気が出てる。 しかも、主人公が困難に直面すると、すかさず「いい人」が現れてフォローしてくれる。困難が1週間続く事が無いのでは?と、思うくらい、主人公が恵まれてる。羨ましい(笑)。と言うほどの困難には出会わないんですけどね、ワシは。 これらに付いて嫁氏と話すと、「皆、実生活が辛いから、朝から辛い話を見たく無いのではないか」と言う結論に至っております。 次々と襲い来る困難を、努力と根性で排除。危機に際して、たまに現れる助っ人。ってな感じのお話は、見ていて疲れちゃうんでしょうか… で、この「色づく世界の明日から」ですが、まあ、そこまで多くの困難や危機が、主人公に訪れるワケでは無いのですが、彼女は彼女なりの苦悩を抱えていて、その苦悩を周りの仲間からの刺激などによって解消の光明を見る。と言う、そんな話の流れなので、困難を解消するカタルシスを感じたい人には今一つに見えるかも知れませんし、主人公の成長する姿が見たい人も、興味を持って見る事は出来ないかも知れません。 おそらく人ってのは、他人から見ると些細な事柄に躓いているものだと思うので、その他人から見て些細に見える事に囚われながらも生きて行くものではなかろうかと思います。 そう言う部分を「些細な」と言って、他人が切って捨てるのは、やはり違うかな。 なんだか、少しは感想文らしい感想文に、今日はなったかも(笑)。