2018/01/17(水)02:57
チキンハンバーグの詩 / 第2章 ~27~
1時間ほど我々は地球の平和を守ってゲームセンターを後にした。
外に出ると日が高くなっていて年末とは思えないほどの温かさを感じた。
その陽気の中を徒歩で動物園に向かった。
歩きながら私はまーちゃんにお昼ごはんをどうしたいかと聞いてみた。
すると彼はいつもの幼稚園のカバンをポンポンと叩きながら「お弁当があるねん。お母ちゃんが作ってくれてん。」と嬉しそうに言った。
私は少し安心した。
あのアホヤンキー女でも人の母親やから弁当くらいは作れるんやな。
あるいは私が先輩のお母さんから託してもらったお金をまーちゃんのお母さんからもらったように言ったのと同じく、お弁当も先輩のお母さんが作ったのにヤンキー女が作ったことになっていているのも知れへん。
それでもまーちゃんが喜んでるんやったら、それでエエわ。
・・・そう思った。
我々は動物園に入って30分ほど動物を見て歩いた。
まーちゃんは動物園もはじめてだったらしく、大喜びで走り回った。
そしてちょうど空腹を感じる頃に、ちょっとした売店があるコーナーにたくさんのテーブルと椅子が用意されている場所を発見した。
またお昼の少し前だったが、すでにほとんどのテーブルが家族連れで埋まっていた。
本格的なランチタイムになって満席になる前に…と思い、空いているテーブルに荷物を置いて座ることにした。
「ここでお弁当にするか?」と聞くと、まーちゃんは「うん!」と言った。
そして「でものどが渇いたからこれ飲む。」と水筒を手にした。
「よし、ほなお弁当は俺が出したるわ。」と言いながら、私はまーちゃんの黄色いカバンを手にした。