2018/02/24(土)02:41
チキンハンバーグの詩 / 第3章 ~3~
私のレポート作成方法は単純だった。
教授からレポートの課題を出されて、提出までは1~2週間の期間があった。
その与えられた期間のほとんどを推敲にあてる。
必要と思われる資料や文献にも目を通すが、基本的にメモは取らずに頭に入れる。
そして自分の論にいかに説得力を持たせるかを日々の生活を送りながら考える。
で、実際にペンを執るのは提出日の前日の夜だ!
頭の中で煮詰めた案を一気に文章化する。
しかし面白いことに、頭の中にあるものを実際に文章化すると、いろんなところに修正が必要となってくる。
あるいは別の考えが浮かんでくる。
ここが面白くてたまらなかった。
そこに人間の本質というか、人生の縮図というか、何とも言えない何かをひしひしと感じることができるからだ。
いくら期間一杯の時間を使って内容を推敲しても、それはある意味机上の空論なのだ。
実際に文章化するという行動を起こせば、そこには自分では気づかなかった綻びが出てくる。
あれだけ考えたのに・・・と思っても、それはあくまで考えただけなのだ。
私はそこに自らの愚かさを見出した。
そして同様に、その愚かさを乗り越える力が人間には備わっていることも感じることができた。
その証拠に毎回様々な紆余曲折を乗り越えて、翌日の朝には満足いく内容のレポートが完成するのだった。
そしてその紆余曲折を乗り越えるために、「環境を変える」ことが私には必要不可欠だった。