季節感 30
正確には・・・万葉集では『春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天の香具山』で、古今集では『春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すちょう天の香具山』となるので、文法的解釈には微妙な違いが現れるのですが、逆に共通点に着目すると、歌の真意が分かってくるのではないでしょうか?共通点は、どちらも読み手の持統天皇が「春が過ぎて夏が来た!」と判断したのでなく、ここに【推量】の意味が入ってきます。万葉集バージョンでは、「春が過ぎて夏が来るらしい・・・」つまりは厳密に言えば、まだ夏は来ていないのです。古今集バージョンでは、「春が過ぎて夏が来たらしい・・・」つまりは厳密に言えば、もう夏に入っているのです。これらが違いなのですが、、、、やはり共通しているのが【推量】なんですよね!