2015/08/08(土)11:14
チャンスの女神は、ある日、突然に
チャンスの女神は、ある日、突然に
中学生のE美に夢は女優になることだった。
田舎町のごく普通の女の子のE美には
実現不可能なはかない思いだった。
雑誌を見ていると、オーディション広告も見かけたが
ため息が出るばかりで、とても公募する勇気もなかった。
ある日の社会の授業だった。
先生が織田信長の草履とりだった豊臣秀吉の話をしながら
「足下をキレイにすると夢が叶うのかもしれませんね」
と言った。
それを真に受けたE美は、その日の掃除当番で靴箱の掃除をやっていた。
ズラーッと並ぶ靴箱を眺めて、
どれを温めたら夢が叶うのかな・・・
半分冗談を言って自分で笑っていた。
その時だった、
「あなた・・・この中学の生徒ね」
と声をかけてきたのが、当時話題の女性映画監督だった。
その女性監督は、その町の風景を映画のカットに使おうと思い、
あっちこっちをカメラで撮っていたのだった。
E美は、その女性監督の映画に出演することで、
地味ながらも女優への道を歩むことになった。