The Life Style in The New Millennium

2015/08/08(土)11:14

チャンスの女神は、ある日、突然に

ショートストーリー(1475)

チャンスの女神は、ある日、突然に 中学生のE美に夢は女優になることだった。 田舎町のごく普通の女の子のE美には 実現不可能なはかない思いだった。 雑誌を見ていると、オーディション広告も見かけたが ため息が出るばかりで、とても公募する勇気もなかった。 ある日の社会の授業だった。 先生が織田信長の草履とりだった豊臣秀吉の話をしながら 「足下をキレイにすると夢が叶うのかもしれませんね」 と言った。 それを真に受けたE美は、その日の掃除当番で靴箱の掃除をやっていた。 ズラーッと並ぶ靴箱を眺めて、 どれを温めたら夢が叶うのかな・・・ 半分冗談を言って自分で笑っていた。 その時だった、 「あなた・・・この中学の生徒ね」 と声をかけてきたのが、当時話題の女性映画監督だった。 その女性監督は、その町の風景を映画のカットに使おうと思い、 あっちこっちをカメラで撮っていたのだった。 E美は、その女性監督の映画に出演することで、 地味ながらも女優への道を歩むことになった。

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