黄金の掛け橋

2005/09/16(金)03:55

老成都

旅行(19)

8月は涼しかったのですが、ここ最近晴れた日が続いて、暑くてたまらない成都です。晴れと言っても快晴ではなく、何となく太陽が明るいなぁ・・・と感じることが出来たら”晴れ”と見なしております。 私の見ている『世界の天気』によると、明日は雨が降り、来週から気温が少し下がるようです。 いよいよ秋到来でしょうか。 先日、引越しをしたのですが、今回住むところは『老成都』です。 老成都というのは”昔ながらの成都”・・・だと思います。 近代的な成都ではなく、伝統の家、伝統の生活、伝統の文化、のんびりとした成都の古い雰囲気が残っているような、だいたいそんな感じです。近代的なところにも、のんびりとした中国人は溢れるほどいますが。 成都に限らず、中国で伝統的な家と言えば『四合院』でしょうか。 1つの庭を囲んで平屋が四方に建っている建築形式で、代表は北京の四合院のようですが、ここ成都にもまだ残っています。 成都人民公園付近にある『寛巷子』と『窄巷子』にも、四合院が残っています。しかし、そこも開発の手によって、もう取り壊しになるとか。保存のための工事中とか。7月の時点で、もう既に道路は掘り起こされていました。 ――――どんどん姿を消していく四合院。 あまり整備はされておりませんが、実は、四川大学の近くにもまだいくつか四合院が残っています。 成都では”巷子”という名前のついた小さな道路があります。この巷子とは、北京で言う”胡同”にあたります。日本語で言う”横丁”でしょうか。 とってもチャイナです。 四川大学近くのある”巷子”では、平日の昼間でも若い男性がマージャン・トランプをし、野菜や果物を売る屋台、メニューのない小さな麺屋や食堂が並び、生きたニワトリや皮を剥ぎ取った羊を丸ごと売っている店などがあります。 このとってもチャイナをカメラに収めようと、その巷子へ行ってきました。 その巷子を歩いてみると、今まで目に留まらなかったものが見えてきます。その1つが『四合院』です。 普通の家とは違った立派な作りの門があったのでその門を撮影していたのですが、そばに居た男性が「これは四合院だから中に入って写真を撮れ」と言って、中まで案内してくれました。 中に入ると、小さな作りですが立派な四合院があり、おばあちゃん達がおしゃべりしています。中央の庭にはたくさんの木や花が植えられており、今日は晴れていたのでその木を使って洗濯物を干していたり、小学生が勉強していたり、そこではごく普通の生活をする人達が居ました。 また更に歩いていると、キレイに使っている四合院や保存の悪い四合院、すでに人の住んでいない四合院やまだまだ使える立派な四合院、半壊された四合院などたくさん見かけました。 歩いて一つ一つ門を叩けば、まだまだ残っています。 ここの裏手では既に開発工事が始まっており、この巷子が無くなる日も遠くはないと思いました。 私の住んでいるアパートから大学へ行くには、この巷子を通り抜けるので、今のこの体験を本当に大切にしたいと思います。 開発の進む中国で、2年先、5年先、10年先、どんなにお金を払っても住むことが出来ない場所になるでしょう。開発によってこの老成都が壊される日が来たとき、「惜しい」だけでなく、心から寂しく思えるように、もっともっと馴染んで行きたいと思います。 巷子や四合院の写真はこちらから。ぜひ老成都に触れてみてください。

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