「糖分」のオハナシ
知ることの大切さ!。知らないでは済まされない身近な問題!愛媛大学の野崎教授のフェイスブックページのシェアです。以下(転載分)英科学誌「ネイチャー」に掲載された「糖分の害」についての文章が話題になってます(日本以外で)。米国の科学者グループの投稿で、糖分のなかでも添加された甘味料は、タバコやアルコールと同じように有害だから規制すべきだ、と主張しています。特に、果糖(フルクトース)を問題視しています。果糖は、ハチミツなどに含まれますが、天然のものは少なく、多くは人工的に合成した異性化糖として摂取されています。異性化糖は、米国では高果糖コーンシロップ(HFCS)といわれるようにトウモロコシから人工的に作られていますが、日本では「果糖ブドウ糖液糖」など、とても自然な(天然ぽい)呼び方で、よさそうな誤解を振りまいています。日本では数年前にテレビ等で、「果糖の方が健康によい」と報道されたので、さらにこの誤解が広まっていると思いますが、欧米ではしばらく前から高果糖コーンシロップの健康への悪影響が懸念されていました。日本で「果糖ブドウ糖液糖」などの表示を見かけるのは、清涼飲料水や冷菓などであることからも分かるように、子どもがよく飲み食いするジュースやアイスなどに使われています。なので、米国では小児糖尿病の激増の原因だと考えられたりしています。日本でも、ジュースやスポーツドリンク、アイスはもちろん、ポン酢やタレ、ソースといった液体の調味料などにどんどん使われるようになっています(砂糖に比べてコストが安いので)。あと発泡酒などにも使われてますね。この米国の科学者グループは、果糖(フルクトース)を始めとする糖分の摂りすぎは、飽和脂肪酸よりも注意すべきだとし、食品に添加された糖分について課税することなどを提案しています。タバコやアルコールや脂肪(デンマークで脂肪税実施)などのように。1日の摂取カロリーのうち、糖分からのカロリーがどれだけか、という世界地図の色分けを見ると、日本は300-400kcalです。米国は600kcal超。日本では糖分の摂取は、まだ相対的に高くないといえますが、加工食品や清涼飲料水に異性化液糖が使われる割合がどんどん増えています。また、TPPを受け入れると、国内の砂糖産業が壊滅するだけでなく、異性化糖の使用がさらに伸張することになると思います(コストを下げて安く作るために)。異性化糖は、おいしく感じないし、気持ち悪くなるので、ほとんど摂らない生活ですが、外食や中食や加工食品でそれを避けるのはとても困難な社会になってます。Nature 482, 27–29 (02 February 2012) 有料です。 http://www.nature.com/nature/journal/v482/n7383/full/482027a.html