若冲と江戸絵画展
産休に入ったので、念願のプライスコレクション、若冲を観にゆく。「わ~い、平日の空いている美術館!」だと思っていたら、すごい人。めげずに観た。質の高い江戸絵画が一堂に会し、一点一点じっくり楽しんでいると、時間がいくらあっても足りない。今回の展示で話題を呼んだ若冲の「獣花木図屏風」は86,000個の升目を使って動物の幻想的なパラダイスを描き出していて、確かに面白かった。西陣の織り図に触発されたのでは、という考察があったけど、私は子供の頃好きでよく覗いていたブロックカットのガラスの向こうの世界を思い出した。でも私にとってもっと面白かったのは、対象を恐ろしく克明に観察し、突き詰めていくことで逆に幻視的な世界観を持ってしまった作品群の方だったかな。プライス氏の提案による、光が刻々変化していく展示も素晴らしかった。凝縮した時間の流れを感じさせた。いいコレクションでした。